ニヤニヤ萌えながら読みましたが、そちらの感想は明日の日記にて。
本日は、昨日に引き続き「おおきく振りかぶって」第13巻の感想・後編です。
ちなみに、前編はこちら→おおきく振りかぶって13巻感想(1)
前編は、表紙やカバー裏漫画と、13巻の前半(5回表~7回表)の感想。
後編は、いよいよ衝撃のあのシーンから……!
※以下、野球素人の腐女子によるネタバレ感想です。
腐った妄想を含みますので、原作を純粋にお好きな方はご覧にならない方がよろしいです。
●4-5の1点ビハインドで、7回裏美丞の攻撃は1死一、三塁。西浦大ピンチ!
1球目はずして、2球目で一塁ランナーが盗塁、1死二、三塁。
美丞大狭山がスクイズを仕掛けるのに絶好の状況に。
3球目、バッターがスクイズ敢行! 三塁ランナーもホームへ走る!
一塁沖と三塁田島は反応良く前へ飛び出し、投手三橋の投球も外へきっちりはずした球。
阿部(よっしゃ、読み勝ち!)と喜んだのも束の間、
なんとバッターが気合いでボールにバットを当てる!
沖くんがファーストミットでボールを拾ってそのままグラブトス!
が、少し逸れて、本塁にスライディングしてきた岳史くんを踏みそうになった阿部くんは……!!
この接触プレーを目の前にしても、真っ先にボールを掴んで、
すぐさま(サード)(ファースト)と走者を目で確認した三橋くん、えらいな。
そして不測の事態でも慌てずに、タイム取って、
「沖、大丈夫だよ」と声掛けて、ボール回しやらせといて、
治療の時間を要求して、阿部くんをベンチまで連れていった田島くん。
緊急時に頼り甲斐のあるこの冷静さ!
だけど、このシーンは……
呆然自失の三橋くん。
責任を感じて青褪める沖くん。
そして、「オ、オレじゃない! 今のは」と動揺する岳史くん……。
それぞれの胸の内を思うと、ドキドキと嫌な動悸が高鳴ってきます。
何より阿部くんが……
左膝のⅡ度の捻挫。靱帯に裂け目が出来てしまった状態。全治3週間。
足に体重かけて立てないほど痛いのに「大丈夫っす」「痛くないっすよ」「やれます」と言い張って。
無言で俯いたまま、三橋くんの右腕をガッと握りしめる阿部くん。
阿部くんのレガースを大事に抱えたまま立ち尽くす三橋くん。
「………アウトあと2つ、取って くる よ」
このセリフにまたも涙目……(T_T)
このシーンは萌えよりも、二人の心情描写が痛々しくって胸が苦しくなってしまいます。
私は1年以上前に、アフタの画像をネットで目にしてしまったので、
どんな展開、表情だったのかは既に知っていました。
それでも改めて単行本でじっくりと見ると……ホントにつらいシーンです……。
もしアフタヌーンでリアルタイムでこれを見ていたら、呆然自失となって何も手につかなかっただろうなぁ。
●阿部くんの負傷退場により、田島くんが公式戦初の捕手を務めることに。
主審に呼ばれて「はいっ」って満面の作り笑顔で振り返るモモカンと田島くんがww
「ボールバックー」の大声は、下野さんの声できっちり脳内再生されました(笑)。
ここから「エロカワ&おっとこまえ田島様祭り」の開幕です!!
捕手用防具を身につけた田島くんの全身姿……
な ん だ こ の エ ロ カ ワ イ イ 生 き 物 は……ッ!!(驚愕)
な、なぜだろう……阿部くんも同じ防具をいつも装備しているのに。
阿部くんだって防具姿がすっごく似合ってるし、
体のラインがえろえろしい(ひぐち先生の描くキャラはみんな体型が魅惑的w)けど、
あまりに見慣れているから、こんな
田島くんの場合は、ちっさい体に重装備が華奢さをより際立たせているのか。
それとも、細腰&ウエストが悩ましすぎるのか。
はたまた、捕手用メットが園児のベレー帽か、文金高島田の角隠しっぽく見えるからなのか。
異様なフェロモンを放っていませんか?(眼科と精神科逝ってこい)
捕手用防具にはおっそろしいエロス増幅効果があると改めて痛感しました!
(※この効果については、明日の日記のアフタ10年2月号感想でも熱~く語る予定・笑)
くわえて、田島様のおっとこまえ度がさらにアップ!
突然の捕手役で、普通なら誰だって混乱して浮足立つところなのに。
モモカンに「うす!」と返事する凛々しいアップ顔。
マウンドに駆け寄り、三橋くんに声掛けする笑顔。
「オレのがビビってっか」と自分を客観的に把握しつつ、「がんばっからよろしくな!」とポジティブな姿勢。
動揺する沖くんを励まし、不慣れなポジションの水谷くん・西広くんに指示を出し、
チーム全体をまとめる”扇の要”の役割をしっかり果たす。
低めの投球を器用にさばいて素早く二塁へスローイン。この運動神経と強肩!
内角への投球を捕球すると同時に、打者の動きも周辺視野で捉える!
うはあ~vv 恋に落ちそうです……!(もう落ちてんだろが)
●田島くんのリード、野球ファンの私としては興味津々です!
(オレがコイツなら)とバッター心理を読んで、次の配球を組み立てるタイプなんですね、やはり。
三橋くんの球はコントロールはいいけど(タマには力がない)。
遅い変化球でカウントを稼ぎ、最後はクセ球の”まっすぐ”を決め球にするのが、試合終盤の基本的な配球です。
変化球との緩急差をバッターにできるだけ意識させるためにも、普通のまっすぐだと遅いから、
ストライクの枠の中に入れる時は、全力投球の速いまっすぐを投げさせたい、と思うのは当然のキャッチャー心理。
だから、捕手が阿部くんから田島くんに変わって、全力投球の割合が格段に増えました。
でも、(全力投球だと並みのコントロール)の三橋くん。
その結果、三橋くんにはあるまじき四球を出してしまいました……!
だけど、一般的な捕手だったら、こういうリードになるのは当然でしょうね。
むしろ天才バッターで観察眼に優れた田島くんだからこそ、
付け焼刃でも何とか上手くリードできているのかも。
5番・直正くんの狙い球が内じゃなくて高目の球、って気づくセンスとか、さすがは田島様。
別の”一般的な捕手”だったら、もっと滅多打ちにあってるだろうな。
和田くんのモノローグが三橋くんをリードする難しさを解りやすく表現しています。
(ストレート2種と変化球と、コースと上下でゆさぶられる。確かにちょっとメンドクセーな)
(だけどこの投手を使いこなすのも相当メンドクセーはず)
13巻だけで判断する限り、田島捕手と阿部捕手の配球パターンは、以下のような違いがある気がします。
・田島:打者の過去データは踏まえつつも、
1球ごとの流れ、打者の観察、「オレがコイツなら」という打者心理を優先して次の球を決めている。
決め球は、全力投球のまっすぐ。
・阿部:打者の過去データを綿密に分析。試合全体を通した配球組み立て。
打者の”好きなトコへはボール球”が基本。万が一打たれたら、を考慮した手堅い配球。
決め球は、普通の(遅い)まっすぐ。
阿部くんは三橋くんの全力投球にはもともと否定的でした(原作1巻)。
なぜなら、三橋くんの制球力を最重要視しているから。
なので全力投球も、ストライクが入らない可能性を計算ずくで、
緩急をつけるための見せ球として、たまに利用するのみ。
球威のない”まっすぐ”を決め球として使うには、そこに至るまでの配球が相当難しい。
遅いまっすぐに「慣れさせない投球」をさせられる「配球おたくの阿部」しか、
三橋くんの真価を引き出してやれないのかもしれません。
そういう意味で、三橋にとっても阿部にとっても、出会いは幸運だったなぁと思います。
※注意!:以下、5行だけ単行本未収録のネタバレあり。
そしてまだ先の話ですが、阿部くん欠場の新人戦で
田島くんがどんなリードを見せてくれるのか、今からとても楽しみです。
今回と同じように、全力投球を決め球にする組み立てのままなのか?(それだとまた苦労しそう)
それとも、阿部くんが引き出せなかった別の新たな力を三橋くんから引き出してくれるのか?
三橋の成長、田島の成長、そして阿部の成長も見られそうじゃないですか? ワクワクするなぁ♪
●マウンドの三橋くんも、おっとこまえ~!
「たっ、田島君は、オレを、頼ってくれ!」
(阿部君いない分 は、みんなでかんばるんだ…!)
捕手が阿部くんから田島くんに変わってボール球が増えたけれど、
それは動揺してガタガタと自滅しているのではなく、制球がまだ不充分な全力投球が多いから。
精神的支柱の(というより盲信している)阿部くんがいなくても、
内野陣やバックに大声を掛けて、自分を鼓舞して、頑張っています。
三橋くんはホントに心の強い子だよ……!
それにしても、(田島 君、も、サイン、くれる)(田島君、も、ダメでも、ほめてくれる)
という三橋くんのモノローグを見る度、切なくなります。
そんなの、普通のことなのにね……。
中学時代のトラウマがいかに根深いか、つくづく思い知らされるなぁ。
だからこそ、(これが”野球(ふつう)”なんだ、っていう、なら、
オレも普通に、役に立つ1番(エース)にならなくちゃ。阿部君が、いなくても!)
と思えるようになったことは、ものすごい精神的な進歩だわ!
●一方、ベンチで治療中の阿部さんは。
(四球 だ とお~~!?)
モノスゲー鬼の形相です^^;。
頭血ィのぼっちゃって足の痛みすらわかんなくなってるよww
「オレ3年間ケガしねェよ!」という三橋くんとの約束を思い出して、ギリと歯軋り。
すんごい形相だけれど、この顔が好きです。
阿部くんがホントに三橋くんのことを大事に思っていて、
三橋くんとの約束を破ったことが悔しくって堪らない、という強い気持ちが伝わってくるので。
●西浦ナインも頑張ってます!
4番和田くんの強い打球を腹で止めて前に落とした栄口くん、素晴らしい!
沖くんは、阿部くんのケガを自分のせいと責めてるのが気の毒で……。頑張って!
自分のキャラと部内での立ち位置をよーく理解している頭脳派捕手・阿部くんは
「お前ら打てよ! オレのために!」で西浦ーぜを爆笑の渦にww
そしてやはり、重い展開の西浦ベンチを明るくするのに欠かせない存在は他でもない、彼でしょう!
クソレフト→笑顔の眩しいサードランナー→ナイスレフトー→ナイバッチ水谷、
と出世魚のように名前が進化して、ついに新しいニックネームができました!
米。
あーもーバカな子ほど愛おしいよvv
●7-4の3点ビハインドで7回裏、西浦の攻撃。
ここで、6回裏が始まる前に便所へ行った呂佳さんがスタンドの席へ戻ってきます。
……呂佳さん、「どうしたんだ。向こうの守備も随分動いたな」って言ってるけど。
さっきのクロスプレー、スタンド出口の階段付近で、見てたよね?
5回後のグラ整の時でなく、6回裏の前に席を立った不自然さも気になる。
隣の和さんが怪しんでるから、別な場所から岳史くんに”サイン”を送るつもりだったのかな……?
●栄口くんの頭脳プレーに惚れ惚れ~vv
カウント0-2からフルスイング→ジロッと睨んで煽る→投手をリキませてボール→にやあっと嘲笑w→投手はカッとなって四球。
ただの”いい人”なだけじゃない、このしたたかさw
他人の気持ちを察するのに長けてる栄口くんならではの技ですねvv
●配球の暗記でテンパッてバッティングの調子も崩す田島様かわえええ~vvv
(自分で組みたてたもんならまだしも、人の配球覚えんのはキチーなァ)
まったくその通りだよ~。田島くんも三橋くんもよく頑張ってるよ。
野球の才能が群を抜いてて、いつもどこか余裕な田島くんなので、
涙目になったり(桐青戦)、テンパッたりしてるのを見ると、思わずかいぐりかいぐりしたくなりますvvv
●ここで13巻最大のアベミハ萌えの大波が……!
阿部(三橋が言いなりになるようにしむけて、簡単に言いなりになった三橋の盲信がオレは心地よくて。
三橋が自分で考える機会を、全部つぶしてきちまった)
(試合終わったらイロイロあやまっから、がんばってくれ!)
三橋(オレは今まで、面倒は全部阿部君、に 任せて、自分で考えなかった)
(阿部君は、約束を覚えてる。はじめからムリな約束を、やぶったこと気にしてる)
(もう、気に、しないで、って。勝って、言うぞ!)
な ん と い う 相 思 相 愛……!!(杏月自重…)
おーへーな王様ポーズでベンチに横たわり、歯軋りしてグラウンドを見つめる阿部さんを尻目に、
マウンドで肩組んで仲良く打ち合わせてるタジミハバッテリー。
そんなシーンを見て、13巻はタジミハ祭りだなぁ、と思っていましたが。
阿部くんと三橋くんは、コミュニケーション通じてないし、盲信的共依存のイビツな関係ではあるけれど。
こんなにお互いのことを思いやり、お互いに信頼あって、お互いを必要としているバッテリーは、なかなかないよ。
バッテリーとして一番大事な根幹の結びつきがしっかり出来てるんだね。嬉しいな!
もういっそ、けkk(自主規制)
●美丞ベンチは、モモカンのサインを解析して、ついに解き明かしてしまいました。
……サイン盗み、かぁ……。
これって確か、高校野球では禁止事項でしたよね……?
1998年に高野連が「大会運営上の留意事項」として、
スタンド、セカンドランナー、コーチャーズボックスなどから相手バッテリーのサイン内容を伝達する行為は禁止する
と規定したとか。
(※ちなみにその規定ができるきっかけとなったのは、名勝負・松坂投手の横浜高校vsPL学園延長17回の試合。)
高校野球のルールに疎い、素人の私には明確なことはわかりませんが。
どうなんでしょう? 今回の美丞のやってることは、ギリギリセーフなのかなぁ?
お詳しい方、是非ご教授ください!
サイン盗みはメジャーリーグ、プロ野球、高校野球、少年野球などで、
昔から存在していて、ときおり問題にもなったりしていますが。
野球は頭でするスポーツだ、とよく言われます。
投手のフォームのクセから球種を読んだり、トリックプレーで相手を油断させたり。
「戦術」と「アンフェアなプレー」の境界線引きって難しいものですね……。
◆甲子園・ルール考:高校野球/中 戦術か、アンフェアか(毎日新聞2008年2月16日付大阪朝刊)
●ショート強襲の当たりを打って、余裕で一塁セーフのはずの岳史くんは……
(かけぬければいいのか、すべり込めばいいのか、わからなくなっ)て、
一塁ベースの前で止まってしまいました……。
もしかして……クロスプレーで相手捕手が負傷退場したショックで、
イップス(精神的な原因などでスポーツの動作に支障をきたし、思い通りのプレーができなくなること)になっちゃったのかな……?(涙)
あと、細かいことですが、利央から和さんへのメールにじーんと来ました。
「準さんがさぼっていてみんなおこっています」にも萌えたけれど、
「和さんから注意してもらえませんか?」ってのは、準太だけでなく和さんのための気遣いですよね、きっと。
敗戦のショックを引きずって野球部に顔を出さない和さんに、
2年前の兄ちゃん(呂佳さん)の姿をダブらせて、すごく心配しているんだろうなぁ、利央。
優しいエエ子や……。
●「花井! 出ろよ!」の田島くん上目遣いアップが可愛すぎて萌え~!
(もっちろん三橋くんも可愛いけど、ここは花井目線でw)
こりゃあ梓もはりきってイイとこ見せないと!(笑)
てゆーか、タジミハちびっこコンビに下から見上げられてこんな必死に言われたら、
2匹まとめてお家に連れて帰りたくなるよ~vv(犯罪です)
沖くんまで「打ってくれよ!」とわざわざ言いに来て、
しかも自分もいっぱいいっぱいだろうに、テンパッてる西広くんに声を掛けて励まして。
ああ、沖くんの一生懸命な健気さが涙を誘います。
梓、みんなから熱烈な声援を受けて、まるですっごく期待されてるみたいよ?(されてるよ^^;)
ここはきっと打ってくれると信じてます!! 14巻が楽しみ♪
●巻末おまけ漫画はボークについて。
ボークのルールは難しくって、未だにわからない部分があったので^^;、
懇切丁寧に解説してもらえて助かるわ~vv
「(m)投手がセットポジションから投球するに際して、完全に静止しないで投球した場合」のボークは、
私もプロの試合で何度も目にしたことがあります(外人投手さんに多いんです・苦笑)。
余談ながら、その昔甲子園にて延長15回の熱戦が、
サヨナラボークであっけなく終わってしまったことがあるんですよねぇ。
◆痛恨のサヨナラボーク(朝日新聞高校野球公式サイト2008年2月20日付)
事実は小説より奇なり。甲子園のマモノ様はマジ最強です;;
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