7/26放送の「天地人」第30回「女達の上洛」の感想です。


※以下、腐女子がおふざけ感想や批判を書いております。お嫌いな方はご覧になりませぬよう。





まずは、今週の主従(殿&兼続)萌え。

・黒(景勝)と赤(兼続)のペアルックの直衣を着たツーショットがエロカッコ良かったー!vv
・眠る娘を見守る兼続の幸せそうな微笑みが良かったvv
・前髪のなくなった殿が、ワイルドかつ威厳がありながらにして、
なにゆえ可憐度がアップしているのでしょーか?(眼科逝ってこい)
・「では致し方ない。我が命である。上洛せよ」って菊姫に命じた殿が、
菊姫以上にうるうる涙目で可愛かったです(笑)。

それと、主従萌えじゃないけれど、
髪型変わった三成がえろさ倍増! あのすっきりしたうなじがイケナイのかしらん?


それでは、萌え以外の感想も。

・今週の(私にとっての)見どころは、利休の死。
屋敷に監禁された利休と、その監視役の上杉家。
茶室へと続く廊下に、これより先への立ち入りを拒むかのように置かれた一輪の赤い椿。
おお~、この演出はイイ!
利休の生き様や価値観が、花一輪に籠められていますね。

景勝「頭を下げてでも、守らねばならぬものがある」
利休「ほう。その一方、頭を下げれば、守れぬものもございます」
この二人の会話が、奥が深くって渋くって良かった。
景勝は、越後を守るために、煩悶の末、秀吉に臣下の礼をとることを決意した。
一方利休は、己に非はないのに天下人だからと頭を下げることは、
求道し極めてきた茶の精神に反することになる、と拒んだ。
どちらも堅い”信念”を持っているからこその生き様、という共通点を感じました。
……って言っても、利休の”信念”=茶の精神がなんなのか、
このドラマでは一切描かれていないし、
もっと困ったことに”上杉の義”ってなんなのか、未だに理解不能なので、
役者さんの演技による雰囲気だけで説得力を保ってる状態だけど(苦笑)。

「七十年の生涯をかけて磨き上げた我が茶の湯は、これで天下人すら及ばぬものとなる。
実に、めでたい日ぃじゃ」
利休さんの清々しい笑顔が素晴らしい。胸に沁みる。
千利休の台詞にこそ、一本通った「義」を感じました。

……上杉景虎さんも、織田信長さんも、新発田さんも、北条氏政さんも、
武士らしく潔い切腹シーンは描いてもらえず、
スモーク焚いた赤いお花畑の中をフェイドアウトとか、本能寺大爆発(笑)とか、
奇天烈演出の餌食になったっけ……(遠い目)。
(かろうじて魚津城の諸将は、武士らしい自害シーン(首に刃)があったけれど)
「天地人」に初めて登場した切腹シーンは、お侍ではなく、茶人。
これってなんのいやがらせでしょうかね^^;?


・今週も、豊臣秀吉の笹野さんの演技が好きでした。
北の政所と淀殿のバトル、こーえぇ~(ガクブル)の顔や、
「次はそなたに褒美として、天下を進ぜよう」と鶴松に語りかける時のヤバい顔。
信長配下だった時の憎めない人たらしだった頃から、
太閤になって天下を統一し、跡取り息子ができて溺愛し、だんだん壊れていく感じ。
その表情の変化がいいですね。


・毎週恒例「かねたんの義=謎の言動」。
今週は、利休が切腹した後で三成に文句。
利休が死んじゃった後に、「三成、なにゆえにお主はそうなのじゃ?」とか言われてもorz
「官位なんかいらねーよ夏!」(古っ)って関白殿下に直接噛みついた時みたいに、
利休が切腹になる前、監禁されてる時に、殿下に直接文句言えばいいのに。
そういう偽善的な言動が「ご都合主義の義」に見えちゃうんだけどなぁ……。

一方、「俺はなんと思われようが構わぬ」と、
殿下のためなら泥を被ることも厭わぬみっちゃんに、ちょっとよこしまに萌えました(笑)。


・菊姫うつくすぃー!
比嘉愛未さん、やっぱりとってもお綺麗です!
生まれたての赤ちゃんを抱っこして「わたくしも、母になってみたいものじゃ」
と微笑む菊姫がすごく優しくていい表情だった。

で、も。

「嫌なものは、嫌でございます」ってアンタ……orz
そんで、不貞腐れて何ヶ月間も(苦笑)お床に臥せっているんですか?
姑の仙桃院様(ずいぶん老けちゃった・涙)に、
「関白殿下に逆らえば、上杉を滅ぼすことにもなろう。ここはどうか、京に上ってはくれぬか?」と言われ、
さらに夫であり、主君でもある景勝に「主命である」とそこまで言わせて、
それでもその命に背いて自害しようとするなんて。
「京へ赴けば、殿が側室を持たれるのも自然の成り行き。
側室に子ができれば、わたくしが不要となるのもまた道理じゃ。
一人、見捨てられた末に、日がな一日、自らの無用さを噛み締めていかねばならぬ。
その侘しさ。心許なさ。
そんな思いをするぐらいなら、いっそ命を絶った方がよい。
ここで死のうが生きようが、誰も困りはせぬ!

ど ん だ け 自 己 中 女 な ん だ……!(唖然)
わたくしは都合のよい道具でしかない、ってアンタ、それでも戦国武将の姫君ですか?
しかも、そこまで啖呵切っといて、結局は自害する勇気もない、ってことですか?

それが、武田信玄の娘のすることですか?
信玄はたくさんの側室を抱えて、たくさんの庶子をもって、
それが武田家の政治力において重要な面を担っていたのに。
武田信玄の娘として生まれて、それが解らぬ姫などいるかしら?
「武田の姫はいつになっても高慢で我儘じゃ」なんてセリフを菊姫自ら言わされてたけれど、
武田家ゆかりの甲府の皆様方は、「武田を貶められた!」って憤りを感じないのかな?

それに「側室ができればわたくしなど不要」って、
当時の戦国武将の正室で、子ができなかった人なんて他にもいるけれど、
(秀吉の正室・北の政所や、政宗の正室・若い頃の愛姫など)
側室の子や他家からの養子を立派に育て上げたり、
家中の取りまとめで内政面から夫を支えたり、
京屋敷での人質生活でも女性外交官として京の趨勢を郷里の夫に伝えたりと、
優れた働きをした正室はたくさんいらっしゃいますよ!
そういう面で立派に仕事を果たした女性達を、なにより、
上杉家中で「甲州夫人」「甲斐御寮人」と敬愛され、米沢で後世まで賢夫人と称賛された菊姫を、
甚だ侮辱した脚本じゃないですか?

魚津城に出陣する殿を見送る際に、
「仇を討ってくださいませ。武田を滅ぼした仇、信長を」と言い、
「留守中の諸事、しかと頼む」と頼まれると、懐刀に手を添え「はい」と強く頷いた菊姫。
あの凛とした武家の姫の面影はいずこに……orz

とうとう最後には、
「わたくしが京へお供を致します」ってお船さんが言って、それで菊姫はようやく上洛を決意したけれど。
……え?
それで菊姫の悩みは解決するの??
自分が子を産めないこと、側室がやってきて殿の子を産むこと、自分は無用だと侘びしさを感じること。
それはお船さんが一緒に京に来ようと、なんら解決しないでしょーに。


・それからお船さん。
菊姫の部屋の前で「奥方様」と呼びかけて、何の返事も返ってきていないのに、
「ご免つかまつります」って勝手に引き戸を開けちゃって、いいの?(唖然)
どんな主従関係ですかorz
さらには殿曰く「お船から聞いた。そなたの胸の内を」って、お船さん、しゃしゃり出すぎorz

まだ幼い子供達を置いて奥方様のために尽くす。女の鏡?

兼続「子らのことは、わしがしっかりと世話をする」
えええええ?
ご家老、育児休暇をとるんスか? 戦国時代に夫が子育て?

なかでも今週一番キツかったのは、お船さんの出産シーン……orz
これで2度目ですね。……ホント、もう勘弁してくださいorz
しかも、なんで菊姫が出産手伝わされてんだorz


脚本家が菊姫をここまで愚女にキャラ設定しているのは、
我が儘で自己中な姫を、影から献身的に支える賢女・お船さんを際立たせるためでしょうね。
その割には、お船さんに対する好感度が一向に上がりません、私……orz

あるいは、「男達に翻弄される悲しい運命にありながら、
己の『愛』をハッキリと主張し、政争の具となることを拒んだ、
人間らしい感情を素直に表す女性」として、脚本家は菊姫を描きたかったのか?

以前、私はこのドラマ「天地人」を、
>大河ドラマではなく大衆時代劇
と評したことがありましたが、
もはや時代劇ですらないですね。
安土桃山時代のコスプレをした、現代劇。
しかも、現代劇だとしたって、脚本が納得いかない。
だって、「本社社長(豊臣秀吉)から単身赴任(今回は菊姫の上洛)の辞令を出されたのに、
『アタシがいない間に浮気するんでしょ!? そんなの絶対いやっ! キーッ!!』って
自殺未遂騒ぎをする奥さん」
ってことですよ? 今回のストーリーってorz

私は女として、この脚本家の女の描き方がどうしても好きになれません。
子が産めずに苦悩する女の描き方、そしてそのキャラの前で神経を逆なでするかのような出産シーン。
不快感すら感じました……orz

でも、そう思ってるのは私だけなのかもなぁ。
だって、この第30回も視聴率21.0%だし。
私が一番感動した第18回「義の戦士たち」は、最低視聴率の16.7%だし。
世の女性の皆様は、今週みたいなお話をおもしろい! と思ってご覧になっているのかも。
私、オンナとして終わってる腐女子だから、感覚が一般女性からズレてんのかな?(失笑)

と散々言いつつ、お船さんと子供達との別れのシーンでまたちょっと涙ぐむ私(涙腺弱すぎorz)。


さて来週は、愛の花いくさ。
また女達が主役、ですか?
戦国時代のドラマなのに、主人公にとって関わりの深い歴史上大事な戦はほとんどスルーで、
架空の女性キャラやら、出産シーンは、これでもかこれでもかと何度も登場する。
戦国武将たちよりよほど活躍している女達のドラマですね^^。
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