2003年公開のアメリカ映画。
1870年代、明治維新直後の日本。
米政府に失望した南北戦争の英雄オールグレン大尉(トム・クルーズ)が、近代化を目指す日本政府の教官として来日した。
彼は、滅びゆく武士道をかたくなに守ろうとする勝元(渡辺謙)と出会い、最後の侍たちに惹かれていく。
(TVBrosより引用)
渡辺謙さんがアカデミー助演男優賞にノミネートされたことで、当時日本でも大いに騒がれた映画ですね。
※以下、ネタバレありますのでご注意下さい。
この映画、公開の1年くらい後にDVDレンタルで1度見ました。
何しろ「ハリウッドの描く日本」なんで、イロイロとツッコミどころ満載で、
初見の時も独り言で小さくつっこんだり苦笑したりしながら見ていました。
記憶では、オールグレン大尉が勝元軍の捕虜になるシーン、
霧の中、明らかに南国風味の椰子?の林からサムライの騎馬隊が音もなく現れるのを見た瞬間
ぶはーーーーーーーーーー!!って噴き出した覚えがあります……(スミマセン)。
それから勝元の村。
確かに懐かしき日本の明治初期の山村を再現したセットなんだけど……
……背景の山々が明らかにニュージーランドなんだよなぁ~^^と微笑ましく思ったり。
その他、微妙なところでいくつか「??」って首を傾げる箇所もありましたが、
それでもハリウッド版日本にしてはかなりマシな描き方がされてたような。
渡辺謙さんや真田広之さんなど出演した日本人俳優が、監督やスタッフにいろいろ進言・議論して
リアルからかけ離れた大袈裟な演出や設定を変更してもらったそうなので、そのお陰でしょうか。
そんな風に斜に構えて映画を見ていた可愛げのない杏月ですが、
やっぱり泣かせどころでは号泣してしまう辺り、
結局は制作者の意図通りのカワイイお客ってことでしょうか?(笑)
今回のテレビ放送はまたまた後半の半分しか見れなかったんですが、
捕われた勝元を逃がすために、勝元の息子がその身を犠牲にした、親子の最期の別れのシーン。
絶望的な官軍との合戦で、誘き寄せ作戦に一縷の望みを託し、味方の騎馬隊が駆け込んで来るシーン。
それと、私の敬愛する斬られ役のエキスパート福本清三さんが銃弾に倒れるシーン(やはり見事な死に様でした)。
ぞくぞくぞくっと震えが走って、目がうるうるっと来てしまいました。
勝元ら反乱軍の作戦が成功して、官軍が一時退却、戦いは小休止を迎えますが、
辺り一面に広がる死屍累々。
官軍も反乱軍も同じ日本人。殺し合いの虚しさ、世の無常感と、
「もはやこれまで」という勝元軍の諦念が胸に沁みました。
いよいよ最期に残兵がみな馬を駆って官軍の新式銃に突っ込んでいくシーンは
「おいおい、そりゃちょっとやり過ぎだろー」と頭の片隅で思いつつも、
連弾を浴びて蜂の巣になってバタバタと倒れていく様に涙ぼろぼろ。
氏尾(真田広之さん)は撃たれて落馬する演技も、その前の剣技も扇舞もさすがビシッと決まってカッコ良かったな~!
勝元がついに倒れ、オールグレンの手を借りて自ら名誉の死を遂げるシーン。
官軍(大将の大村除く)がみな武士の最期に感じ入ってその場に土下座する光景は
「お涙頂戴シーンかYO」と思いつつまたも号泣(←単純な性格でスンマセン)。
それにしても勝元の最期は潔く美しく威厳があったなぁ。
渡辺謙さんは、昔から大好きな俳優さんの一人。
彼の出演作で特に好きなのは「独眼竜政宗」。
数年前の年末年始にNHKで総集編の再放送をやってたんだけど、長時間テレビにひっつきっぱなしで見てました^^。
あと「御家人斬九郎」も好きだったv
現代劇も演技力があってもちろんいいんだけど、時代劇をやっている謙さんが断然好き!
時代劇の時の立ち居振舞い、流れるような所作、張りのある朗々とした声、視線の流し方が、
ものすごく存在感を放っていて、侍の風格に満ちてるよなぁ。
特に眼力の強さには、思わず目が釘付けになるほど惹きつけられます。
トム・クルーズも日本の侍の装束が似合ってたし、佇まいも凛としてすごく良かった。
それと明治天皇役の中村七之助さんもノーブルな雰囲気が出てて、なかなかいいキャスティングだったと個人的に思います。
杏月としては、ツッコミつつもエンターテイメントとして楽しめた映画でした♪
- 関連記事
この記事に対するコメント