少佐より愛をこめて
――ある日の昼下がり、公安9課ハンガーにて
「しょくーーん! 今日は何の日か知っているかね?」
「えー、なになにー?」
「今日なんかあったっけ?」
「メンテナンス……は明日だよねぇ」
「ちょっと待って、今検索するから……えーっと、あー、バレンタインデーか」
「ばれんたいんでー??」
「バレンタインデー、あるいはセントバレンタインデーは、2月14日に祝われ、世界各地で男女の愛の誓いの日とされる。
もともと、269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日であるとされている」
「ほほぉ~」
「あ、僕知ってる知ってる! 日本では女性から男性へチョコレートを贈って愛を告白する日なんだよね」
「へぇ~、物知りだねぇ」
「その情報、並列化させて」
「あー、それで今朝のバトーさん、なんだかソワソワ落ち着きなかったのかー」
「え? それはつまりバトーさんがチョコレートを期待していると?」
「そっかぁ、バトーさんも愛が欲しいんだねぇ」
「そう、今日は愛の告白をする日。だからこんな日こそ僕らの愛をバトーさんに伝えるべきだとは思わないかね!?」
「おおっ!? 僕らの愛をバトーさんに?」
「そうだよ、いつもバトーさんから天然オイルという愛を貰っているばかりの僕たちが、目に見える形で愛の品物を贈るのにうってつけの日じゃないか!」
「なるほど~」
「それはいい考えだ!」
「賛成賛成~♪」
「そう考えた僕は、さっき出動した帰りにチョコレートを調達しておいたよ!」
「おお! 用意周到だねぇ」
「さすがー」
「僕も見たーい! どんなチョコ?」
「じゃーん! これだ!」
タチコマからバトーへのチョコ

「しょくーーん! 今日は何の日か知っているかね?」
「えー、なになにー?」
「今日なんかあったっけ?」
「メンテナンス……は明日だよねぇ」
「ちょっと待って、今検索するから……えーっと、あー、バレンタインデーか」
「ばれんたいんでー??」
「バレンタインデー、あるいはセントバレンタインデーは、2月14日に祝われ、世界各地で男女の愛の誓いの日とされる。
もともと、269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日であるとされている」
「ほほぉ~」
「あ、僕知ってる知ってる! 日本では女性から男性へチョコレートを贈って愛を告白する日なんだよね」
「へぇ~、物知りだねぇ」
「その情報、並列化させて」
「あー、それで今朝のバトーさん、なんだかソワソワ落ち着きなかったのかー」
「え? それはつまりバトーさんがチョコレートを期待していると?」
「そっかぁ、バトーさんも愛が欲しいんだねぇ」
「そう、今日は愛の告白をする日。だからこんな日こそ僕らの愛をバトーさんに伝えるべきだとは思わないかね!?」
「おおっ!? 僕らの愛をバトーさんに?」
「そうだよ、いつもバトーさんから天然オイルという愛を貰っているばかりの僕たちが、目に見える形で愛の品物を贈るのにうってつけの日じゃないか!」
「なるほど~」
「それはいい考えだ!」
「賛成賛成~♪」
「そう考えた僕は、さっき出動した帰りにチョコレートを調達しておいたよ!」
「おお! 用意周到だねぇ」
「さすがー」
「僕も見たーい! どんなチョコ?」
「じゃーん! これだ!」
タチコマからバトーへのチョコ

「うひょ~! これはいいね!」
「古典的でありながら普遍的なハート型。古来より愛を表現する上でこれより優れた象形はないよね」
「直截的なメッセージがまた心の琴線をかき鳴らすねぇ~」
「『必要なの』という語尾に込められた従順と献身。バトーさんの庇護欲をますます掻き立てること間違いなしだ」
「わ~! こんなチョコ貰ったらバトーさん喜んで、僕らみんなに1本ずつお礼の天然オイルくれるかもしれないねー」
「でもさー、『バトー』って呼び捨てはまずくないかな?」
「それにチョコレートって女性から男性に贈るんだよね? 僕ら女性じゃないし……」
「逆にバトーさんの不興を買うかもしれないよなぁ……」
「う~ん、どんなチョコレートならバトーさん喜んでくれるんだろ?」
「一般的にバレンタインデーでどんなチョコが喜ばれるのか、その辺の人間感情の機微は僕らには理解できないからなぁ」
「難しいねぇ~」
「あ! そういえば9課唯一の女性、少佐は今日チョコレートどうしたのかな?」
「そうか! 少佐が用意したチョコを見せてもらえば、どんなチョコが一番良いのか判るね」
「なるほど~! あったまいいー♪」
「よし、9課内の監視カメラ記録から今朝の映像を拾ってこよう」
「あった! 少佐が男性陣に小さな箱を手渡してるよ」
「え? どこどこ? 僕にも繋いで!」
「ほら見て。みんな手渡されたその場で箱を開けさせられてるみたいだね」
「この後ろ姿は課長だね」
少佐から荒巻課長へのチョコ

「『妙な空気』?? って何のことだろ?」
「『買わされました』っていうのは、意に反して、って意味なのかな?」
「やっぱり直接的な愛のメッセージじゃなくて隠喩の方がいいんだね」
「課長のうなだれた背中が小さく震えているから、空調が壊れてて寒い、って意味じゃないかな?」
「なるほど~、そうなのかぁ」
「奥が深いねぇ」
「あ、次はトグサくんに渡してるよ」
草薙素子からトグサへのチョコ

「『大穴』? 大穴って、競馬や競輪用語の?」
「うん。人気が少なく、当たれば多額の配当が得られる大きな番狂わせ。また、それによる大もうけ、のことだね」
「でも、なんでチョコレートに『大穴』と?」
「大穴には、愛に関する僕らの知らない意味も含まれてるのかなー?」
「あ! バトーさんだ」
「え? どこどこ?」
「ほら、柱の陰からチラチラと少佐とトグサくんの様子を窺っているよ」
「ほんとだ。あ、少佐も気づいてそっちに近づいて行くよ」
「ここは重要シーンだね! 少佐はバトーさんにどんなチョコを渡すのかな」
「少佐の手元ズームして!」
「ひょ~!! なんかドキドキしてきた~」
少佐からバトーへのチョコ

「あれ? ハート型じゃないんだね」
「それに『義理』ってかなり大きく書いてあるよ」
「味は星が1つも付いていない。かなり苦いのかな……?」
「ふむふむ。バトーさんは義理と人情を重んじるから、バトーさんの好きな言葉をチョコに書いたんだよ」
「なるほどー! さすがは少佐」
「たぶんバトーさんは甘いものがあまり好きじゃないから星0個なんだろうね」
「少佐はバトーさんとは長い付き合いだから、バトーさんが本当に欲しいものを熟知しているんだねぇ!」
「見て! バトーさんが泣いてる」
「え? どれどれ?」
「あ、ほんとだ。義眼なのに目から涙が出ているね」
「バトーさん、男泣きするほど嬉しかったんだねぇ」
「よーし! 僕らもバトーさんが本当に欲しいチョコを贈って、天然オイルをゲットするぞー!」
「そうと決まれば、さっきのチョコは廃棄処分にして、『義理』と書かれたチョコを調達して来よう!」
「そうしようそうしよう」
「「「バトーさん、泣いて喜んでくれるかなぁ~vvv」」」
**********************************************
無駄に長いつまらない駄文でお目汚し失礼いたしましたm(_ _)m。
一昨日、昨日に続き、バレンタインメーカーのネタでした^^。
最後に蛇足ながら。
腐女子らしく、この二人でも試してみねば。
(お嫌いな方、ごめんなさい…)
トグサからバトーへのチョコ

取り立て屋!?
バトーからトグサへのチョコ

……愛の重すぎる男は嫌われるよ……バトーさん……(そっと肩に手を載せながら)
「古典的でありながら普遍的なハート型。古来より愛を表現する上でこれより優れた象形はないよね」
「直截的なメッセージがまた心の琴線をかき鳴らすねぇ~」
「『必要なの』という語尾に込められた従順と献身。バトーさんの庇護欲をますます掻き立てること間違いなしだ」
「わ~! こんなチョコ貰ったらバトーさん喜んで、僕らみんなに1本ずつお礼の天然オイルくれるかもしれないねー」
「でもさー、『バトー』って呼び捨てはまずくないかな?」
「それにチョコレートって女性から男性に贈るんだよね? 僕ら女性じゃないし……」
「逆にバトーさんの不興を買うかもしれないよなぁ……」
「う~ん、どんなチョコレートならバトーさん喜んでくれるんだろ?」
「一般的にバレンタインデーでどんなチョコが喜ばれるのか、その辺の人間感情の機微は僕らには理解できないからなぁ」
「難しいねぇ~」
「あ! そういえば9課唯一の女性、少佐は今日チョコレートどうしたのかな?」
「そうか! 少佐が用意したチョコを見せてもらえば、どんなチョコが一番良いのか判るね」
「なるほど~! あったまいいー♪」
「よし、9課内の監視カメラ記録から今朝の映像を拾ってこよう」
「あった! 少佐が男性陣に小さな箱を手渡してるよ」
「え? どこどこ? 僕にも繋いで!」
「ほら見て。みんな手渡されたその場で箱を開けさせられてるみたいだね」
「この後ろ姿は課長だね」
少佐から荒巻課長へのチョコ

「『妙な空気』?? って何のことだろ?」
「『買わされました』っていうのは、意に反して、って意味なのかな?」
「やっぱり直接的な愛のメッセージじゃなくて隠喩の方がいいんだね」
「課長のうなだれた背中が小さく震えているから、空調が壊れてて寒い、って意味じゃないかな?」
「なるほど~、そうなのかぁ」
「奥が深いねぇ」
「あ、次はトグサくんに渡してるよ」
草薙素子からトグサへのチョコ

「『大穴』? 大穴って、競馬や競輪用語の?」
「うん。人気が少なく、当たれば多額の配当が得られる大きな番狂わせ。また、それによる大もうけ、のことだね」
「でも、なんでチョコレートに『大穴』と?」
「大穴には、愛に関する僕らの知らない意味も含まれてるのかなー?」
「あ! バトーさんだ」
「え? どこどこ?」
「ほら、柱の陰からチラチラと少佐とトグサくんの様子を窺っているよ」
「ほんとだ。あ、少佐も気づいてそっちに近づいて行くよ」
「ここは重要シーンだね! 少佐はバトーさんにどんなチョコを渡すのかな」
「少佐の手元ズームして!」
「ひょ~!! なんかドキドキしてきた~」
少佐からバトーへのチョコ

「あれ? ハート型じゃないんだね」
「それに『義理』ってかなり大きく書いてあるよ」
「味は星が1つも付いていない。かなり苦いのかな……?」
「ふむふむ。バトーさんは義理と人情を重んじるから、バトーさんの好きな言葉をチョコに書いたんだよ」
「なるほどー! さすがは少佐」
「たぶんバトーさんは甘いものがあまり好きじゃないから星0個なんだろうね」
「少佐はバトーさんとは長い付き合いだから、バトーさんが本当に欲しいものを熟知しているんだねぇ!」
「見て! バトーさんが泣いてる」
「え? どれどれ?」
「あ、ほんとだ。義眼なのに目から涙が出ているね」
「バトーさん、男泣きするほど嬉しかったんだねぇ」
「よーし! 僕らもバトーさんが本当に欲しいチョコを贈って、天然オイルをゲットするぞー!」
「そうと決まれば、さっきのチョコは廃棄処分にして、『義理』と書かれたチョコを調達して来よう!」
「そうしようそうしよう」
「「「バトーさん、泣いて喜んでくれるかなぁ~vvv」」」
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無駄に長いつまらない駄文でお目汚し失礼いたしましたm(_ _)m。
一昨日、昨日に続き、バレンタインメーカーのネタでした^^。
最後に蛇足ながら。
腐女子らしく、この二人でも試してみねば。
(お嫌いな方、ごめんなさい…)
トグサからバトーへのチョコ

取り立て屋!?
バトーからトグサへのチョコ

……愛の重すぎる男は嫌われるよ……バトーさん……(そっと肩に手を載せながら)
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