テセウスの船

平成元年に起きた謎の連続毒殺事件…
犯人は、父親──!?
事件直前にタイムスリップした息子は
驚愕の真実にぶちあたる!

“俺の父親は、本当に犯人なのか!?”

事件によって失われてしまった
家族の笑顔を取り戻すため
父の無実を信じて立ち上がる息子。

時代を超えた“父と子の絆”に奇跡は起こるのか──!?

「この謎に、涙する」


TBS日曜劇場「テセウスの船」

今クール、一番楽しみにしているドラマです!
テレビドラマをあんまり見ない私にとって(ドラマ見るのは、V6メンバーの出演作品か、ドクターXくらい・笑)、
放送前から関連番組を見てワクワク待っていたなんて珍しいこと。
第1話(先週1月19日)もめっちゃ引き込まれたけれど、
この前放送された第2話も、不穏な謎が散りばめられてて目が離せない面白さでした~♪

原作は、「モーニング」(講談社)で連載されていた漫画です。





タイトルの「テセウスの船」とは、
ギリシャ神話がモチーフとなったパラドックス(逆説)のこと。
英雄・テセウスの船を後世に残すために朽ちた部品が全て新品に交換されることで、
“この船は、同じ船と言えるのか?”という矛盾を問題提起するエピソード


もうこのパラドックスの説明の段階でね、
「攻殻機動隊」好きなワタクシのハートを捕えて離さないワケですよ!


実際、Wikipediaの「テセウスの船」のページにも、関連作品の例として、

『攻殻機動隊』において、サイボーグは人間なのかというテーマは繰り返し語られている。

とか書かれてますしね。
攻殻の作中では、
「全身を義体化して、脳を電脳化して、体のほとんどを置き換えてしまっても、
それでもアイデンティティは同一と言えるのか?
“ゴースト”はどこに宿るのか?
人間とアンドロイドの差とは何か?」
といったテーマが、様々なエピソードを通して繰り返し問題提起されているんですよ。
常時微かに聞こえる不安な通奏低音のように、
自分とは何か? という根幹を揺るがす感じが……好きなんですよねぇ。

それと「テセウスの船」のパラドックスを見る度、いつも私の脳裏に浮かぶのは、
「ドラえもん」の第1話!(←ハァ?)


私ごときが語るまでもない名作中の名作で、ほとんどの日本人が既読でしょうけれど、
「第1話……ってどんな話だっけ?」と記憶にない方は、
↓こちらの公式サイトで試し読みができますよ。
ドラえもん 1(小学館コミック公式サイト)

ドラえもん第1話で、のび太くんの机の引き出しから飛び出してきたのは、
ドラえもんと、のび太の孫の孫にあたるセワシくん。
2人が語るには、のび太くんは大人になっても何をやらせてもダメで、ロクな目に合わず、
多額の借金を残し、百年経っても子孫が返せないため、
「運命を変える」ために未来からやってきた、と。
それに対しのび太くんは、
「ぼくの運命が変わったら、きみは生まれてこないことになるぜ」
と至極真っ当な問いを口にしますが、
セワシ氏、得意げなドヤ顔で答えて曰く、
「心配はいらない。ほかでつりあいとるから。
歴史の流れが変わっても、けっきょくぼくは生まれてくるよ。
たとえば、きみが大阪へ行くとする。
いろんな乗りものや道すじがある。
だけど、どれをえらんでも、方角さえ正しければ、大阪へ着けるんだ」


工エエェェ(´д`)ェェエエ工 そーかなぁ??
と首を傾げていた当時小学生の私^^;。
だってー、確かにどんなルートを辿っても目的地には着くだろうけれど、
そこまでの旅の途中、所要時間も違うし、旅の思い出も全く違ってくるし、同じではないでしょー。
ましてや単なる目的地ではなく、「ご先祖様」。
セワシの高祖母(のび太の嫁)をジャイ子からしずかちゃんに変えるって、
遺伝も血筋も何もかも変わっちゃうじゃん!?
それもう今のセワシと別人じゃん!?

今回のドラマ「テセウスの船」は、
まさにこのドラえもんと同じ状況、「父の運命」という過去を変える行動をとるワケなので、
果たしてほんとうに「歴史の流れが変わっても、けっきょくぼくは生まれてくるよ」となるのかどうか。
私の小学生以来の疑問に回答を与えてくれるかも(笑)。

そんな「テセウスの船」、原作は全10巻完結済み。
私は第2巻まで読みました。
 
続きは……ドラマを純粋に楽しみたくなったので、ネタバレを避けることにしましたw

長い前置きはこれくらいにして、
肝心のドラマの第1・2話の感想です。(※以下、ネタバレあり)



主人公の田村心(たむら・しん)を演じる竹内涼真さんが、
思った以上に良くって感情移入しちゃった~!
とても自然な演技で、感情の機微が繊細に表現されていて。
「無差別大量殺人犯」の加害者家族として耐え忍んだ人生の苦しみとか、
過去にタイムスリップして父と対面し、
元凶である父への憎しみと、冤罪を信じたい切ない思いとが複雑に綯交ぜになった表情とか。
吹雪の断崖で、必死に父へと手を差し伸べながら、
「俺は……俺は、あなたに……あなたに生きてて、ほしいんだああああああああ!!」
と絶叫する泣き顔なんて、重い重い31年間の葛藤と、それでも父を慕う家族愛を感じて、
私ももらい泣きしちゃった(T◇T)

第1話のラスト、父と2人で露天温泉につかりながら、(←サービスショット・笑)
心の中で亡き愛妻に、「俺の理想の父親は、どんな時でも家族と向き合える男。
世界で一番、家族と向き合える男だよ。
この人だ。佐野文吾だ。
俺の父さんでよかった……」

と呟きつつ、こっそりと涙を流し震える横顔もジーーーンときたなぁ。

『テセウスの船』で見せる竹内涼真の真価 持ち前の“共感力”と“熱さ”を武器に一回り大きなヒーローへ(Real Sound1月26日)
↑こちらの記事では、竹内くんについて

「目じりの下がった端正な相好を崩して笑顔になる瞬間の竹内の表情には問答無用の破壊力があり、
人なつこさと二枚目の絶妙なブレンドは世代を超えて支持される要因となっている。」
「役柄ににじみ出る“熱さ”」
「熱いけれど暑苦しさを感じさせない個性が竹内を共感されるヒーローに押し上げてきた。」

と評していて、なるほど確かに不思議な「愛され力」と「共感力」を備えた人だな、と膝を打ちました。

父の佐野文吾を演じる鈴木亮平さんが、これまた演技お上手!(言わずもがな)
ふと見せる無表情と鋭い目つきが、
小学生を含む21人を無差別に毒殺した冷酷な殺人鬼にも見えるし、
突然村に現れた謎の男(田村心)を次々起こる事件の犯人では? と疑う警官にも見えるし。
かたや、家族や打ち解けた心に見せるあたたかなニッコリ笑顔とのギャップ……!
すげーなぁ、この人の演技は!

『テセウスの船』初回、鈴木亮平の“ギャップがすごい”演技に大反響(クランクイン1月20日)
【エンタがビタミン♪】『テセウスの船』鈴木亮平と竹内涼真が“疑りあう親子”役、熱演に「怖いくらいすごい」「涙腺破壊」の声(Techinsight1月21日)

お芝居の素晴らしさはもとより、
「父は犯人なのか?」「真犯人は誰か?」という謎に満ちたストーリーも、
ドキドキワクワクハラハラしてぐいぐい引き込まれます~♪

その他、ドラマを見ていて思った雑感は、
私にはお馴染みの冬の風物詩「白い悪魔」がいい味出してたなぁ~(*^-^*)と。
竹内さん「本当にきつくて、あんなに寒い経験をしたのは初めて」
鈴木さん「(雪に)ビンタされてるぐらい痛かった」
「白い悪魔」=ホワイトアウトの吹雪が、
これぞザ・音臼村! って感じのリアリティを如何なく醸し出してましたねー。
慣れない雪に足を取られては転ぶ竹内くんが懸命にがんばってました。

第2話、音臼小学校の校長室での、
竹内くん、鈴木さんと、校長先生役笹野高史さんとのやりとりも好き。
間がサイコーに面白かったww

メインキャストが皆さんスラっと長身で素敵なので、
(竹内くん185㎝、鈴木さん186㎝、榮倉さん170㎝)
東北の田舎の旧家屋の、鴨居やら庇やらに頭スレスレで、
ここはどこのパラディ島(@進撃の巨人)かと、
あなた方はエルディア人かと、胸中でツッコミが止まらない(笑)。

そうそう、原作漫画だと、惨劇の舞台「音臼村」は北海道の片田舎。
作者の東元俊哉先生が北海道出身だそうなので、
登場人物達がこってこての北海道弁をしゃべっていて、
それがまた田舎の純朴なのどかさと、起こる凶悪事件の闇を匂わせていて、
すっげーリアリティがあって良いんですよねー。
ドラマの「音臼村」は宮城県の寒村に変わっていて、話し言葉も特に訛ってはいないな。

原作漫画だと、真犯人はカセットテープ(!)に犯行に関する肉声を録音していますが、
ドラマではワードプロセッサー(!)で入力している文章がたびたび映る演出に。
音のない漫画であれば、このレトリックでも犯人はバレないけれど、
映像だと、声で性別年齢とか判明しちゃいそうだからかな?
この代替はナイスですね! ワープロから平成元年らしさもぷんぷん漂うしw

原作漫画2巻分の内容しか私は知らないけど、
ドラマではちょっとエピソードが削られてたり(?)順番が入れ替わってたり(?)するのか、
私が未読の部分と思われる、知らないシーンも出てきているので、
第3話以降の展開も、ますます気になるな~♪
ドラマが終わったら、原作漫画も全部読んでみたいな~♪

……なーんて、暢気に考えていたら。
昨日29日、都内某所で竹内くんも出席して行われた「考察大会」にて、こんなことがあったそうで。

原作者の東元俊哉から届いた手紙が紹介された。
そこには、主演・竹内への労いの言葉と共に
ドラマは原作と犯人が違うと聞いています」という衝撃の事実が!

『テセウスの船』真犯人は原作と犯人が違うと聞いています… (TBSホット情報1月30日)

Σ(゚Д゚;エッ!?
こ、これはますます先が読めない……楽しみすぎる……。
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