

寂しさは その色としも なかりけり 槙(まき)立つ山の 秋の夕暮れ (寂蓮法師)
心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫(しぎ)立つ沢の 秋の夕暮れ (西行法師)
見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ (藤原定家)
この3首は、「新古今和歌集」巻四に並んでいる有名な和歌で、
下の句が「秋の夕暮れ」で終わる「三夕(さんせき)」の歌と呼ばれます。
3首とも、新古今調の特色である三句切れ・体言止め、だそうです。
◆三夕の歌(Weblio古語辞典)(Weblio古語辞典)
それぞれの和歌の現代語訳は、
こちらのサイト様に書かれていましたので、引用してみます。
◆秋の夕暮れベスト3(小倉百人一首あ・ら・かるた)(小倉百人一首あ・ら・かるた)
●寂連法師の歌↓
寂しさを感じさせるのはどの色というものではなかったな
真木(=杉や桧)の立つ山の秋の夕暮れを見て気づいたよ
※秋らしい色のない常緑樹の山を見て、
秋の夕暮れの寂しさを感じている。
●西行法師の歌↓
世を捨てたこの身にも情緒は感じられるものだ
鴫(しぎ)の飛び立つ川の秋の夕暮れには
※世俗を捨てた僧侶の身であっても、
秋の夕暮れにはしみじみと感慨にふけってしまう。
●藤原定家の歌↓
見わたしてみると春の花も秋の紅葉もないのだった
海辺の苫屋(とまや=漁師の小屋)の秋の夕暮れは
※花も紅葉もない無彩色の世界から秋の寂しさを感じている。
25歳のときに詠んだ歌ですって……!
どれもこれも、「秋の夕暮れ」で終わっているので、よくよく似ていますが^^;、
皆様はどの歌がお好きですか?
私の今の気分に近いのは……寂連法師の歌かなぁ?
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