プロ野球の各球団から「戦力外通告」や「引退発表」が聞かれる季節になりました。
東北楽天ゴールデンイーグルスでも、
私がずっと応援してきた大好きな選手達が引退することになってしまいました……。
◆楽天・永井怜、現役引退を発表 通算43勝43敗(朝日新聞デジタル10月5日)
◆永井怜選手 引退記者会見(楽天イーグルスHP 10月5日)
◆<永井怜引退>あっという間の9年(河北新報10月6日)
永井怜投手は、今年プロ9年目の31歳。
10月4日に、寝耳に水の引退発表があり、
5日にコボスタ宮城で記者会見をして、
6日の今季最終戦(千葉ロッテ戦)で、
6回表、先頭打者一人のみに登板し、三振で現役の幕を下ろしました。
永井投手は、マー君や嶋捕手と同期入団です。
東洋大出身で、2006年秋の大学生・社会人ドラフト1位。
2009年には、自己最多の13勝(7敗)で、楽天球団史上初のクライマックスシリーズ進出に貢献し、
2009年から2年連続2桁勝利を記録。
マー君や岩隈久志投手(マリナーズ)と「先発3本柱」と呼ばれた頼れる先発ピッチャーでした。
しかし、2011年に右肩を痛めて以降は計3勝……。
懸命に再起を目指していたものの、今季は1軍登板がなく、来季の構想外と通告されたそうです。
9年間の通算成績は、43勝43敗、防御率3.65。
永井さんのコメント。
「けがをしてからは思うようなプレーができず、限界を感じた。
あっという間の9年間だった」
「2日前まで現役を続けたい気持ちはあったが、東北で育ててもらった。
生え抜きで終わりたい」
そうなんですよね……。
9月27日のご本人お誕生日のTwitterには、
「なかなか皆さんの期待に応えられず僕が本当一番悔しくて情けない!
ただ諦める事だけはしたくない。
諦める事は簡単だけど、辛く苦しい時にどれだけ歯食いしばって頑張れるか。
これからも応援よろしくお願いします。」
と書いていて、来年こそは1軍復帰! と闘志を燃やしていたはず。
10月に入って急転直下、戦力外通告と「球団主催の野球教室ジュニアコーチ」を打診されたのでしょう。
「プロ入り前から人に教えたい気持ちはあった。
大好きな野球の面白さ、楽しさを伝えたい」
「けがから復活した姿を見せられなかったのが一番の悔い。
記録より記憶に残る選手になっていたら、うれしい」
永井さんは私の好きなプロ野球選手のベスト5に入る選手でした。
なぜなら、2006年ドラフト会議で楽天イーグルスに入団した8名の選手は、
マー君入団ををきっかけに楽天ファンとなり、1年間全試合中継を見た私にとって、
いわば「同期」のような、特別な存在だったから。
◆ドラフト会議2006(楽天イーグルス公式HP)
横川史学選手(巨人へ移籍)も今年10月1日に戦力外通告。
中村真人選手は、育成から這い上がって「悪球打ち」(打てそうにないコースをヒットに!)でチームに貢献、人気者でしたが、
2013年に引退し、仙台でスポーツバーを経営中。
マー君と高卒で楽天入りした山本大明捕手は、1軍で戦うことなく2年前に引退して、2軍ブルペン捕手。
社会人野球から育成契約で楽天入りの金森久朋投手は、2008年に引退し打撃投手。
いまや、2007年楽天入団組のNPB現役選手は、
横浜→西武へ移籍した渡辺直人選手と、
楽天の嶋捕手のみ……orz
嶋捕手が、現役最後のピッチングを終えたマウンドの永井投手に抱きついて、
号泣していた気持ち、よ~く解るなぁ!
今、私の手元には「東北楽天ゴールデンイーグルスオフィシャルガイドブック2007」がありますが、
その13~15ページには、2007年春キャンプで取材された、
入団したばかりの永井×嶋×田中の新人座談会が載っています。
久米島の青空の下、芝生に腰を下ろした3人のルーキーが
これからのプロ生活への期待を胸に和気藹々と語りあっていて、懐かしさに涙……(T-T)
嶋捕手にとっては、田中将大投手も思い入れがあるだろうけれど、
永井投手は「同い年」で「同じ大学リーグで戦った相手」で「同期入団」だから、
「俺達二人でバッテリーを組んで一緒に勝っていこう!」という格別の思いがあったと、
初期のインタビューの端々から感じていました。
プロ2年目、永井投手の完封の時も、
嶋捕手も嬉しそうだったし、私も嬉しかったなあ。
◆「萌えバッテリー」(2008年4月24日の日記)
永井・嶋のツーショットお立ち台では、私も狂喜乱舞したっけ。
◆萌え上がれ!交流戦(2008年5月21日の日記)
だけど、ルーキーイヤーの2007年から2008年ぐらいまでは、
永井投手と嶋捕手が組むことが多かったけれど、
2009年に中谷捕手と組んで、永井投手が2桁勝利を上げてから、
「嶋とは相性が悪い」と言われ、以降はほとんど別の捕手と組んでいました。
ルーキーイヤーには、まだ経験未熟でノムさんによく公開説教されていた嶋捕手。
永井投手と組んでいた時も、6回や7回途中で一発を食らって途中降板したりして、
マウンドで永井さんが悔しそうに耐える表情をし、
その横で嶋さんも悔しさと申し訳なさに項垂れていた光景を思い出すなぁ。
同い年で同期で気が置けない分、リードへの不満とかも出やすかったりしたんでしょうかね?
マー君のリードには定評のあった嶋捕手だけど、
永井さんの特徴を活かしたリードをするには、また違った工夫が求められたでしょうし。
だけどとにかく、私は個人的に、永井×嶋の同期バッテリーを見るのが大好きでした!
そして、永井さんのキレのいい140km/h後半のストレートと、
絶妙に変化するSFF(スプリット)と、縦に大きく割れるカーブ、
なにより、フォロースルーの時に後ろ足が大きく宙をかいて前に出てくる、
体重の乗った躍動感溢れるピッチングフォームが大好きでした。
もう一度復活して、楽天先発陣の柱として再び活躍する姿を見たかったなぁ……(号泣)。
そして二人目。
楽天投手陣のまとめ役・小山投手も引退……。
◆<楽天>永井、小山伸両投手 現役に終止符(河北新報10月7日)
◆小山伸一郎選手・永井怜選手の引退セレモニー(楽天イーグルスHP 10月6日)
小山投手と言えば、トレードマークはスポーツサングラス+半袖姿!
さむ~い仙台のコボスタで、春先だろうと秋だろうと、半袖!
2008~2012年にはなんと5年連続50試合登板した、リリーフ陣の要。
精神面でも、投手陣のムードメーカーであり、
球団創設時から残る、最後の投手ですよ……!
今年4月に右肩の内視鏡手術をして、8月に2軍復帰したものの、
19年間の現役生活に別れを告げる決意をしたそうです……。
小山さんのコメント。
「故障なんかしないと思い、腕を振り続けたが、故障には勝てなかった。
(両親には)強い体に産んでくれてありがとう」
上記の引退挨拶動画、小山さんが涙するところで私も泣いちゃいました(T◇T)
そしてそして、仙台出身の地元選手、楽天最年長の斎藤隆さんも……。
◆楽天・斎藤「私の体は限界です」 現役最後のマウンド(朝日新聞デジタル10月4日)
隆さんの現役最後のマウンドは、10月4日ソフトバンク戦の9回リリーフ。
先頭打者を直球3球で空振り三振にしとめて、降板。
45歳の隆さんが、目に涙を浮かべて1球1球投げる姿、目頭が熱くなりました……。
現役生活24年。
試合後の引退セレモニーでは「私の体は限界です。本当に幸せな野球人生でした」と。
>2011年、東北に悪夢のような出来事が起きた。
>自分には何ができるのか自問自答する日々が続いた。
>私には野球があった。
>ぼろぼろの体を引きずって投げることが、きっと皆さんの勇気になれると信じた。
>13年に入団を決意して、皆さんと共に輝かしい日本一という栄冠をつかみ取ることができた。
>あの優勝は復興を目指す多くの方々と共に踏み出した大きな一歩になったと信じている。
>皆さんから頂いた熱い声援は私の魂に変えて、グラウンドとマウンドに置いていく。
◆<斎藤隆引退>投げることが勇気になれると信じた(河北新報10月5日)
それから、他球団ではあるけれど、
楽天創世期に捕手として支えてくださった、阪神タイガースの「男前」藤井捕手も引退……。
>17年間の現役生活を振り返ると、正直、悔いはあります。
>やはりそれは、一度もビールかけを味わえなかったこと…。
(中略)
>最後にプロを目指す野球少年、特に小柄な子供たちにひと言、言わせてください。
>このおっちゃん、見てみ。
>君たちも絶対、夢をかなえられるから。
◆阪神・藤井が引退…“男前”独占手記「今年は何が何でも優勝したかった」(デイリースポーツ 10月13日)
かっ、かっこええええええ!!!!
やっぱ藤井さん、おっとこまえやわぁああ!!!(本気)
さらには、球界のレジェンド、山本昌さんもついに引退の日を迎えることに……。
◆「悔いはあるけど後悔はない」――最終回を迎えた、漫画『プロ野球選手・山本昌物語』
昌さんの野球選手としての生き様、尊敬しているし大好きだったので、
あと1年でも長く、プレーして欲しかったなあ……。
一つの時代の終わりをしみじみと感じました。
どの選手も「まだ早い」「もう少し見せてほしかった」という惜別の思いで胸が苦しくなりますが、
実力主義のプロ野球では、これもまた避けては通れぬことorz
どんなに人気のスタープレーヤーでも、どんなに輝かしい記録を残した偉大な選手でも、
誰でもいつかは引退の日が来る。
引退は淋しいけれど、現役の最後に「引退セレモニー」という別れの場を設けてもらえた選手は、
それだけでとても幸せな野球人生だったのかもしれませんね。
ファンに別れを告げることもなく、ホームページ上でだけ退団を告知される選手もあまたいますから……。
私は今年1年間、監督がどうしても受け入れられないという極めて個人的な理由で、
「楽天イーグルスファンをお休み」していました。
そのバチが当たって、来季から試合を見てみても、
大好きだった選手の何人かはもう見られないのね……(淋)。
どうかどうか、引退した選手の皆さんの第二の人生が、
実り多く幸せなものでありますようにと、強く強く祈るばかりです。
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