秋は、夕暮れ。


夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、
烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。
まいて雁などの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。

                            (清少納言「枕草子」)



名著に描写されているのとまさしく同じ、シンプルで何気ない光景。
1000年前に、とある日本人女性が感嘆したのと同じ風景を、
1000年経った今、同じように「美しいなぁ」と愛でることができる。
そんなとき、幸せだなぁと思えます。
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