
昨今、巷でよく「ピンクリボン運動」という言葉を目にしますね。
乳がん検診を受けましょう、という啓蒙運動です。
◆認定NPO法人 J.POSH 日本乳がんピンクリボン運動
今、このブログをご覧の女性の貴女、
乳がん検診を受けたことはありますか?
乳がん検診というと、40歳から公的機関の助成金などが適用されますが、
私は30から乳がん検診を自腹で受けています。
そして実は先日、乳がんを宣告されました。
6月中旬、右胸に微かな違和感があったので、
6月下旬に、1年9ヶ月ぶりの乳がん検診を受けました。
超音波(エコー)と視触診では、これといったしこりもなく、問題なしでしたが、
マンモグラフィーに「微細石灰化」が映っていて、
それが良性なのか悪性なのかグレーゾーンのため、
「マンモトーム生検」という検査を勧められました。
マンモグラフィーの機械でおっぱいを挟んでX線撮影し場所を確認しながら、
直径3mmの針を刺して組織ごと抜き取り、病理検査する、というものです。
7月中旬、一泊入院して「マンモトーム生検」をし、
7月下旬に検査結果を聞きに行ったところ、「悪性」とがん告知を受けました。
その後、7月末にCTやMRIなどの全身検査をし、
8月中旬に検査の所見と今後の治療方針について主治医から話を聞きました。
現段階では、がんは右胸の直径約2cmの範囲に留まっていて、
がんのステージで言うと、
0期:乳管内に留まるがん。非浸潤がん。
不幸中の幸いで、早期のがんでした。
ということで、明日から1週間入院して、乳房の部分切除手術を受け、
退院後落ち着いたら、約6週間の放射線照射治療で通院する見込みです。
手術で実際に開けてみて、切り取った患部を病理検査してみないと、
治療方針が変わる可能性もありますが。
このブログ「善哉庵」は、「萌えブログ」です。
私自身が世知辛い浮き世の憂さをひととき忘れるために、
私の好きなこと、萌えることを、
徒然に、アーパーに、無益に、お気楽極楽に、
書き散らかすためのブログです。
なので、稀に、政治・社会問題などの議論を求めてコメントを書かれる方や、
他者の悪口・批判を書かれる方、
“模範的ファン代表”のごとき記述を要求される方には、
「ここはあくまで私の萌えを書く、萌えブログです」とお答えしてきました。
同様の理由で、
私の抱える個人的な問題はなるべく書かないようにしよう、とモットーにしてきました。
とはいえ、「~杏月の萌え日記」という副題の表すとおり、日記の側面も大きいため、
多くの閲覧者様には興味関心もまったく湧かない、不必要な、
私の個人的で些細な日常も度々書いてしまっていますが^^;。
今回、私の乳がんの件は、辛気臭くて、極めて個人的なことで、
ご覧になった方も楽しい気分にはなれないでしょうし、
書くべきではないかな……と迷いました。
しかし、1日200名ほどご来訪くださりお目を通していただけているのなら、
こんなマイナーブログであれ、何かしら僅かでも、たった一人でも、
「注意喚起」のお役に立てるかもしれないと思い、この記事を書くことにしました。
以下、乳がんについて、私がネットのあちこちで聞き齧った情報をまとめておきます。
詳細は、専門機関のサイトなど、情報の出処の確かなサイトを是非ご覧くださいね。
■日本の乳がんの現状■
乳がんは女性がんのトップ。
生涯に乳がんを患う日本人女性は、14人に1人と言われている。
ここ30年で乳がんが右肩上がりに増加。
亡くなる方は、今では年間約1万3千人。
がんというと、年齢が高まるとともに増える印象がある(胃がんや大腸がんのように)。
しかし、乳がんの発生は、20歳過ぎから認められ、
30歳代ではさらに増え、40歳代から50歳代がピーク。
20歳を過ぎれば誰でも乳がん年齢。
日本乳癌学会のデータによると、2011年の乳がん発症者48,262人のうち、
29歳までに発症した人は231人(全体の0.5%)、
30代で発症した人は2,952人(6.1%)、40代では10,853人(22.5%)、50代では10,585人(21.9%)。
ちなみに、男性も乳がんになることがあり、
約6,000人に1人の確率で発症している。
■乳がんの原因■
食生活の変化(高タンパク、高脂肪食の摂取増加など)、
女性のライフスタイルの変化(初潮年齢の早期化、晩婚化、少子化、初産年齢の高齢化など)などが、
エストロゲン(女性ホルモン)の分泌に影響しているため、と言われる。
■乳がんの危険因子■
・初潮が早い
・月経周期が規則正しい
・月経周期が短い
・閉経が遅い(閉経年齢が55歳以降)
・年齢40歳以上
・出産未経験(含む30歳以上で未婚)
・高齢出産経験がある(初産が30歳以上)
・出産回数が少ない
・授乳経験が少ない
・社会的な階層が高い(高学歴)
・太っている(特に50歳以上、標準体重の20%以上)
・家族(特に母、姉妹)に乳がんになった人がいる
・良性の乳腺疾患の既往(特に増殖性、異型を伴うものになったことがある)
・子宮体がん、卵巣がんの既往
・長期間ホルモン補充治療を受けている
・片側が乳がんになった
・多量の飲酒
危険因子に当てはまる項目が多いからといって、
必ず乳がんになるというわけではない。
逆に、当てはまる項目が0だからといって、絶対に大丈夫とはいえない。
■乳がんの予防■
これをすれば、食べれば、乳がんにならない、
という予防法はない。
なので、早期発見が一番大事!
乳がんは、早期に発見すれば治癒率が高いがんで、90%以上が治ると言われている。
早期発見の最大のメリットは「乳がんで死ななくてすむ」確率が高いこと。
早期発見なら乳房を温存するなど、
自分の希望する手術法や治療法を医師と相談して選択できる可能性も高い。
入院期間や再発防止の治療期間なども短いので経済的負担も軽く済む。
■早期発見のためにできること■
乳がんの初期には食欲が減ったり、体調が悪くなるなどの全身症状はほとんどない。
しかし、セルフチェックにより自分自身で発見できるがんでもある。
●セルフチェック
月1回、乳房に触れたり観察して変化がないかをセルフチェック(自己検診)する。
生理が始まって1週間後、乳房のハリや痛みがなくなった、柔らかい状態の時に。
●マンモグラフィー
乳腺・乳房専用のレントゲン撮影。
乳房を挟みながら圧迫して、上下方向から1枚、左右方向から1枚(合計2枚・両方の乳房を撮影する場合は合計4枚)撮影。
マンモグラフィーは、早期乳がんの唯一のサインである、ごく小さな石のようなもの(微細石灰化)を写し出すことができ、
しこりを作らないおとなしい早期の乳がんの発見に有用。
最低2年に1度、できれば1年に1度受ける。
「マンモグラフィーって、痛そう……」など、受診を尻込みしている方へ。
・痛み
→痛みのレベルは個人差あり。
多少の痛みがありますが、いつまでも痛みが残ることや、がんがつぶれて飛び出すようなことはありません。
痛みが我慢できなければ遠慮しないで撮影技師に伝えてください。
生理前は胸が張って痛いかもしれないので、受診は生理後がよい。
・放射線被曝が心配
→放射線量は少ない。
乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、白血病などの発生の危険はない。
一回の撮影で乳房が受ける放射線の量は、
東京―ニューヨーク間の飛行機の中で受ける自然放射線(宇宙線)量とほぼ同じ~約半分。
・男性技師や男性医師が担当だと、ちょっと恥ずかしい
→命が大事。
気になる方はあらかじめ施設に問い合わせてください。
・検査料金が高い。
→現在の対策型マンモグラフィー検診(自治体が行う住民検診)の対象は40歳以上。
40歳未満の女性は、乳がんになる人が少ないため検診の効率が低いことと、
乳腺が発達しているため、マンモグラフィーでは乳腺の異常が分かりにくい。
なので、20~30代は超音波(エコー)検診という方法も。
●超音波(エコー)検診
超音波は数mmの手に触れないしこりを見つけ出すことができる。
1,000人がマンモグラフィー検診を受けると、
そのうちの50人から100人ほどが精密検査を行い、乳がんと診断されるのは3人程度。
■貴女の町の乳がん検診■
乳房の専門は乳腺科や乳腺外科です。
下記のサイトで、貴女のお住まいの町を入力し、
乳がん検診情報を調べてみてくださいね。
◆あなたの町の乳がん検診情報(認定NPO法人乳房健康研究会)
◆乳がん検診設備が整った施設リスト(NPO法人 日本乳がん検診精度管理中央機構)
「検診マンモグラフィ読影医師」「検診マンモグラフィ撮影有資格技師」「マンモグラフィ検診施設画像認定施設」の3つがそろっている病医院のリスト
蛇足の余談ですが、
私はバスト99cmで、Gカップあります。
(インターネッツなので、真偽は確かめられませんから、
ハッタリとみなしていただいてもよいです・笑)
何の取り柄もない私の、ごく少ないセールスポイント(笑)の一つが巨乳なので、
乳がんになって、おっぱいを失うのだけは嫌だなぁ……と思ってきました。
なので、おっぱいの違和感には敏感でしたし、
一般的な乳がん検診適齢期よりも早くマンモグラフィーを始めました。
そのお陰もあってか、比較的早期に乳がんを発見でき、
乳房温存手術と放射線照射で、うまく行けば半年ほどで治療は終わるかもしれません。
それでも、ステージ0期で早期発見できても、
おっぱいは直径3cmほど切ることになります。
どんな傷口が残るのか? どのぐらい凹む(抉れる?)のか? 不安もあります。
手術後の後遺症や放射線治療の副作用も心配です。
そして、乳がんは5年、10年と、再発しないか予後観察が必要です。
いろいろ考え込むこともありますが、
どちらかといえば、前向きに戦う気持ちが勝っています。
このブログでも、口癖やお題目のように、
「人はいつ死が訪れるか分からないんだから、
無駄になんて過ごしていられない。今を生きなくちゃ!」と書いてきました。
頭ではそう考え、度々そう書いていても、やはりどこか他人事。
本気で「自分の事」として考えていなかったようです。
私は何かしら問題に直面すると「なぜ?」と原因を探ろうとする思考傾向があります。
しかし、「なぜ乳がんになったのか?」「なぜ私なのか?」
前述の「危険因子」にいろいろ列挙はしていますが、
乳がんの明確な原因は特定できないし、確実な予防法もありません。
ならば、「なぜ?」と過去を探るよりも、
この乳がんという病気になったことを、
「なんのために?」「どのように?」と意味付けして、
これからの人生を有意義に生きていく思考が必要なのかな、と思っています。
その「私が乳がんになった意味付け」の一つが、
体験者として他の方に乳がん検診をオススメすること、なのだろうと思います。
最後に、乳がん情報サイトを見ていて、目にとまった文章を。
>通常の女性はブラジャーには配慮しても、
>乳がんのセルフチェックや自分の乳房自体に気を配るのは少人数。
>たとえ乳がんの増加を心配しても、
>依然として自分には関係のないものとして乳房には注意を払わない。
>これまでまともに自分の乳房を念入りに触ったことがないと平然と言う女性が多い。
>乳がんが「見つかる事」が恐い事なのではなく、「知らないまま」が恐い事。
私は、乳がんになったこと、切ることよりも、
見つからないまま、知らないまま、今も漫然と過ごしていたら……と想像すると、
背筋が寒くなります。
どうか皆様も乳がん検診に行ってくださいね。
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