いろとりどりに、グラデーション。



アジサイの別名は様々あり、
例えば「花弁が四片ある」という意味から「四片・四葩(よひら)」と呼ばれたそうです。
その他に、「七変化」「八仙花」などの異名もあります。

「七変化」という名の通り、同じ種類のアジサイでも、
花が青色だったり、赤色だったり。
あるいは、上記の写真のように同じ株から咲いているのに花色が違っていたり。

その花色の違いの原因は、(ご存知の方も多いと思いますが)
土壌のpH(酸性度)によるらしいです。

●土壌が酸性の場合
 アルミニウムがイオンとなって土中に溶け出す→アジサイに吸収される→花のアントシアニンと結合→花は青色に。
●土壌が中性やアルカリ性の場合
 アルミニウムが土壌に溶け出さない→アジサイに吸収されない→花は赤色に。

一般に「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」になると言われます。
同じ株でも部分によって花の色が違うのは、
根から送られてくるアルミニウムの量に差があるため。
だから、昨年は青っぽかったのに今年は赤っぽい花が咲いた、となることもあるそうな。

他にも、咲いた花の色が時間の経過によって変化していくのは、
花の中の色素が少しずつ分解されておこる現象で、老化現象の一種らしいです。
老化現象か……うぬぬ、女としては他人事とは思えませぬな(苦笑)。

アジサイの花色は、なぜ変わる?(花ごころ)

このように、花の色が移ろう原因を調べてみると、
「移り気」というあまり嬉しくない花言葉を与えられたアジサイも、
実は繊細というか健気というか、そんな愛しさが湧いてきます。

花の色は 移りにけりな 徒に 我が身世にふる ながめせしまに

小野小町が詠んだこの有名な歌。
「花」は桜で、「ふる」のは春の長雨で、ホントは春の歌なんですが、
なんだか現代のアジサイにも相応しいような、と趣きを感じました。
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