現地4日(日本時間5日)、トロントで行われたブルージェイズvsヤンキース戦に
田中将大投手が先発し、メジャーデビュー!
7回を97球で、6安打無四球3失点(自責2)、8奪三振で、
MLB初登板で、初勝利を挙げました。

田中将、メジャー初登板初勝利!【全球ダイジェスト】(無料動画GyaO!4月5日付)

マー君は、日米通算100勝を達成!
レギュラーシーズンでは2012年8月26日から負けておらず、
日米合わせて29連勝に。

まずは上々の滑り出し、ですね♪



マー君の記念すべきメジャーデビュー第1球目は、予告通り、
93マイル(約150km/h)ストレートでストライク。
伸びのあるいいストレートだわvv

……と見る間に、3球目の変化球をカブレラ選手にガツンと打たれて、
いきなり先頭打者ホームランの洗礼。
おおう……orz
さすがメジャーのバッターは破壊力が段違いだ……。

2回にも連打と味方のエラーとタイムリーで2点を失い、
早くも3失点……。
今日はスプリットが随分多いなぁ、
メジャーのパワーヒッター相手だと、やっぱり直球勝負よりもかわす組み立てになっちゃうのかな?
う~ん、この球数だと、5回ぐらいに100球到達して降板かしら……?

3回のピンチを凌いだ後、ヤンキースベンチの中の映像が映ったら、
なにやらマー君が通訳さんを介してマッキャン捕手と打ち合わせている様子が。

すると4回以降は、これまでと組み立てが変わって、
速い球(ツーシームやカットボール)が主体に。

試合後にマッキャン捕手曰く、
「直球で“ロケート”していこうと言ったんだ。直球を動かしていこうと。
ツーシームを使っていったんだよ」


結局、試合が終わってみれば、
クオリティスタート(先発投手が6イニング以上を投げ自責点3以内に抑えたこと)。
メジャー初登板で、さっそく1勝目をあげました♪

試合後のマー君のコメント。
「序盤はバタバタしてリズムをつかめなかった。
変化球が多すぎた。速球をどんどん増やして組み立てて、ゲームに入っていけた。
今まで自分が野球人生で積み重ねてきた経験があったから持ちこたえられた。
まだ1試合終わっただけ。
どんどんいいピッチングしていけるようにするので応援よろしくお願いします」

マー君初勝利「うれしいです」/一問一答(日刊スポーツ4月5日付)


実は私、メジャーリーグの公式戦をテレビ観戦したのは初めてなんですが、
日本の野球とは違った独特のザワザワ感に球場全体が包まれていて、
なんだか私のほうが緊張しましたw
そういや、7年前の今頃は、
初登板から約1ヶ月程、マー君になかなか初白星がつかなくて、
毎週テレビの前で正座して手に汗握って、ハラハラ・ソワソワ・ドキドキしてたっけ。
あの不安と期待で落ち着かない感じを、6~7年ぶりに今日味わって、
なんだか懐かしかったです(笑)。

それにしても、今日の投球内容を振り返ると、
日本でのプロ7年間でよく見せてもらった“マー君らしいピッチング”でしたね。
・立ち上がりは不安定。
・尻上がりに調子を上げていく。
・ヒットは打たれるけれど致命傷は防ぐ、粘りの投球。
・試合中にその日最も良い球種を把握し、それを軸に立て直せる。
そもそも、公式戦24勝0敗という驚異的な成績を残した昨年も、
春先から夏にかけては、「今日のマー君、調子悪かったなぁ」と感じる日も多くあって、
必ずしも“圧倒的な力でねじ伏せる、手も足も出ないピッチング”ではないんですよね。

それでも“負けない”のは、先日も書きましたが、
マー君の「適応能力」「修正能力」が特に優れているからなのでしょう。
今日のメジャー初登板でも、ヤンキースの監督やマスコミが異口同音にその点を褒めています。
同僚の黒田投手も、
「立ち上がりは、誰でも力が入るものです。
でも、しっかりと修正しましたね。
この世界でやっていくために、一番大事なことがそれなんですよ」


耐え抜いて初勝利を手に=田中将、修正能力を証明―米大リーグ(時事通信4月5日付)
大リーグ:田中初舞台 抜群観察力で投球組み立てを修正(毎日jp4月5日付)
ヤンキース田中将大を勝たせた修正力(THE PAGE 4月5日付)
直球、変化球、それともコントロール? ヤンキース田中将大が自負する才能とは何か(Full-count4月6日付)

上記の記事でも紹介されていますが、
昨年のマツダオールスターゲームで、マー君が実況席に呼ばれて語っていた際、
自身が「自信のある項目」として「嗅覚」を挙げ、自己採点で満点をつけていました。
上記記事では、
マー君は「マウンド上で今一番、何をやってはいけないかを冷静に考えることのできるピッチャー」であり、
「投手として最も優れている部分は、ストレートや変化球、コントロールではなく、
ピンチの芽を自分自身でかぎ分け、相手の弱点を知る『嗅覚』なのかもしれない」

とまとめています。

私も先日の日記で、
>闘志を前に出す戦いぶりやストレートの球威や変化球のコントロールが秀でていると言われるけれど、
>マー君の最大の武器って、環境への柔軟な適応能力、試合中での調整力、冷静な観察力じゃないかな

と書きましたが、
野球人生の約半分、小学1年生から高校2年生頃までの10~11年間は、
「キャッチャー」だった賜物なのかもしれないですね。
“グラウンド上の監督”とも言われ、“扇の要”として配球を組み立て野手に指示を出すキャッチャーは、
球場全体を見渡し、試合の流れを冷静かつ俯瞰的に見る目が培われると思うので。

とにかく、マー君がマー君らしく「嗅覚」を働かせ、「適応能力」を発揮してピッチングをしてくれれば、
MLBでも勝ったり負けたりするだろうけれど、大崩れすることはあまりなく、
期待に応える活躍が見られるんじゃないかな? と感じた、
そんなメジャー初登板、初勝利でした♪
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