「走れメロス」は走っていなかった!? 中学生が「メロスの全力を検証」した結果が見事に徒歩(ねとらぼ2月6日付)

このネット記事を見つけて、爆笑すると同時に感心しましたw

「メロスの全力を検証」という中学2年生による研究で、
「算数・数学の自由研究」作品コンクールで中学校の部最優秀賞に入賞したものです。

太宰治の名作「走れメロス」の記述を頼りに、主人公メロスの平均移動速度を算出。
その結果、「メロスはまったく全力で走っていない」という考察に辿り着いたそうな(笑)。



日本人なら誰でも知っている名著「走れメロス」、
今更あらすじを書くのも憚られますが、敢えて簡単におさらいすると、
メロス、人心不信で殺しまくる王様にキレる。

メロス、捕まる。死刑決定。
でも妹の結婚式に出たいから死刑は3日間だけ待ってと頼む。
必ず約束を守って帰ってくるから、親友を身代わりに置いていく、
3日後帰ってこなかったら代わりに処刑してちょ、と勝手に提案。

メロス、10里の道のりを夜通し走って戻り、妹の結婚式に出席。

メロス、3日目の朝に故郷を出発し、街まで10里の道のりを戻る。
途中で大雨で氾濫した川を泳いだり、山賊に襲われたり、疲れて倒れたり、波瀾万丈。

メロス、最後の力を振り絞って走り、落日直前に、死刑執行されそうな親友のもとに帰還。
お互いに殴って殴られ抱き合って涙し、夕日をバックに熱い友情シーン。
王様も心を入れ替え、仲間になりたいと申し出て、最後は3人で感動のフィナーレ。

で、中2の少年による「メロスの全力を検証」の概要を見てみると、
●往路●(街→故郷)
出発:「初夏、満天の星」→0時と仮定
到着:「日は既に高く昇って」「村人たちは野に出て仕事を始めていた」→午前10時と仮定
10里の距離を時間で割った平均速度は……3.9km/h
↑歩 い て ま すwww

●復路●(故郷→街)
出発:「薄明のころ」目覚めて「悠々と身支度」をして出発
到着:日没ギリギリにゴールである刑場に突入
イタリア南端(北緯38度付近)の夏至の日の出がだいたい午前4時、日の入がだいたい午後7時と仮定。
激流の川渡り、山賊との戦い、ちょっと気絶など、アクシデントによるタイムロスも勘案。
その結果、
野や森を進んだ往路前半は2.7km/h
死力を振りしぼって爆走したラストスパートは5.3km/h
(※参考資料 フルマラソンの一般男性の平均時速は9km/h)
う ん。早 歩 き だ ね!!!

研究文の中で、中2の彼が、
「『走れメロス』というタイトルは、『走れよメロス』のほうが合っているなと思いました」
と純粋な感想をしたためているそうで、腹抱えてワロタwwwww
そして、その目の付けどころと好奇心と瑞々しい感性に尊敬の念を抱きました。


そういえば、「走れメロス」繋がりで、
2年半前にTwitterで流行った名作改変ネタを思い出しました(笑)。

まず、「走れメロス」の原文の書き出しがこちら。
メロスは激怒した。
必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。
メロスには政治がわからぬ。
メロスは、村の牧人である。
笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

青空文庫「走れメロス」より)

この名作が世に出て凡そ70年の時を経た後、
Twitterで、ある才人が改変した秀作がこちら。
メロスは鬼ギレした。
必ず、かのマジでヤバイ王を除かなければならぬと決意した。
メロスには政治がマジイミフ。
メロスは、村の若者である。
激アツな笛を吹き、キュン死にするほど可愛い羊と遊んで暮して来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍にマジパナいほどあげぽよであった。


いまだに何度読んでも「キュン死に」と「あげぽよ」で吹き出してしまうwwwww

古典を改変したネタツイートまとめ 「今は昔、ツイッターといふものありけり…」(NAVERまとめ2011年10月5日付)
↑この中で、「メロスは鬼ギレした」の後に挙げられている「残れメロス」(残業を命じられたメロス篇)も
個人的に抱腹絶倒しましたwww あまりにも身に覚えがありすぎてorz

「小難しい古典文学」と敬遠せずに、こうやって親しみとともに名作を読み返すのもまた善き哉♪
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