現役引退を表明しました。
◆中日山崎44歳男の美学 きょう引退会見(日刊スポーツ7月29日付)
◆中日・山崎が引退会見「27年もできたのは誇り」(サンスポ7月29日付)
いつか来る日、とは覚悟してはいましたが、
大きなショックに打ちのめされ、空虚な寂寥感で胸がいっぱいです。
◆男・山崎武司の存在感 ~球団立ち上げ、震災、涙の退団、そして…~(スポーツコメンテーター山村宏樹氏のコラム7月29日付)
↑この山村宏樹さん(昨年現役を引退した、元楽天イーグルスの投手。山崎選手と7年間チームメイト)の記事を読んで、
淋しくて、哀しくて、
涙がボロボロ溢れて止まらなくなってしまいました。
2011年秋に山崎さんが楽天イーグルスを退団した時と同じように。
山崎武司選手は、今季39試合に出場して打率2.55、ホームランはなし。
7月27日に今季2度目の2軍降格が決まり、
「この時期に1軍登録を抹消されるということがどういう意味を含んでいるか、
長く野球をやっているから分かっている」
と戦力外候補であることを受け止め、今季限りでの現役引退を決意したそうです。
山崎選手は、愛知・愛工大名電高出身。
1987年にドラフト2位で中日に入団。
1996年に初の本塁打王(39本塁打)を獲得。
2003年にオリックス、2005年に楽天に移籍し、
2007年に本塁打王(43本塁打)と打点王(108打点)の2冠に輝きました。
2011年から古巣の中日に復帰。
通算成績は2237試合出場、打率2.57、403本塁打、1204打点。
ベストナイン3度受賞。オールスター6度出場。
今年の5月17日、Kスタで行われた楽天vs中日戦では、
プロ野球史上最年長の逆転サヨナラヒットを打ちました!
◆中日山崎サヨナラ打は44歳6カ月最年長(日刊スポーツ5月18日付)
その試合後、山崎さんは仙台の楽天ファンに対して、
「恩返し、少しはできたかなと。
楽天ファンの人は『バカヤロー』と言っているかもしれないけど、
恩返しするためにも『元気だよ』とアピールできたかな。
明日東北の人も『山崎が打ったんだ』と新聞見て思ってくれたらいいね」
そして、サヨナラヒットを打った相手である、元チームメイトの青山投手には、
「楽天の成績は毎日チェックしてるよ」
「あいつ、星野監督に怒られなきゃいいけどな」
◆竜・山崎、青山に気遣い「怒られなきゃいいけど」(サンスポ5月18日付)
今回、引退決意を球団側に伝えた話し合いの場では、「個人的な要望」も語ったそうです。
「中日は本能でやっている若手が多い。
データのシステムを若い選手が活用できるようにと。
オレも本能でやっていたけど、(楽天の)野村監督に考えてやることを教えてもらって、
それから打てるようになった」
今日の引退会見の場では、
「体は元気だし、何年も野球をやりたい気持ちはあるけれど、
交流戦以降、2軍に落ちれば決心しないといけないと思っていた」
「27年も現役生活ができたのは誇り。
目標だった野村監督に、これ(年数)だけは並ぶことができた」
と嬉しそうに笑ったそうです。
◆【中日】「打ってる姿を見て何かを吸収して」…山崎に聞く(スポーツ報知7月29日付)
◆山崎が現役引退を表明=27年「野村さんに並べた」―プロ野球・中日(時事通信7月29日付)
ノムさんは、山崎さんから事前に電話で
「辞めることにしました。お世話になりました」と報告を受けていたそうで、
はなむけの言葉を贈りました。
「山崎ほどの選手なら、自分が決断することだから」
「(現役生活27年が、自分と同じで)縁があるな。
タイトルを取って、オリックスと楽天でクビになって……。
いい経験も嫌な経験をしたから、いい指導者になるだろうな」
◆竜・山崎が現役引退 ノムさん「いい指導者になる」(サンスポ7月29日付)
山崎さんは、毀誉褒貶相半ばする方だと思います。
彼のことを大好きなファンもいれば、大嫌いなアンチもいるでしょう。
山崎さんは義理堅く温情に厚いけれど、退場が多く血気盛んで後輩を殴って指導したり。
頼れるホームランバッターだけど、チャンスで併殺や三振も多かったり。
昔は感性だけで打っていて首脳陣と揉めたりしたけれど、
配球を読むことを知ってから素直に耳を傾け、チームのため憎まれ役を買ったり。
まさに自他ともに認める「ジャイアン」みたいな人。
そんな豪放磊落に見えて、繊細で温情派な山崎さんが、私は大好きでした。
今まで見たホームランの中で最も好きなのが、
山崎さんの打っていた、滞空時間の長い美しい弧を描く「アーチ」のようなホームラン。
もっともっとあのホームランを見たかったなぁ。
そして、2009年10月17日のCS第1ステージ第2戦、5回裏。
勝利を確実にしたあの3ランホームランの美しい軌跡を生で見られたことは、
私にとって忘れられない一生の宝物であり、野球ファン人生で一番幸せな日でした。
2008年のファン感謝祭で、おっきな手に握手してもらったことも幸甚な思い出です。
山崎さん、27年間ほんとうにお疲れ様でした。
そして、楽天イーグルスに来てくださって、チームと地元を愛してくださって、
心からありがとうございました。
ああ、困ったなぁ。涙が滲んできちゃう。
冒頭の山村宏樹さんも、コラムを書きながら「涙が出てきた」と2度も書いています。
それにしても、山村さんのコラムはあったかいなぁ。
プロ野球人生の始まりから誰よりも辛い目にあってきた苦労の人なのに、
元チームメイト達を語る全ての文章が、人柄を褒め、温かく応援するポジティブな言葉に満ちている。
現役時代も大好きだったけれど、改めて尊敬の念を抱きました。
さて、公式戦は9月まで続き、
さらに10月にはCS(クライマックスシリーズ)と日本シリーズがあります。
中日ドラゴンズは現在セ・リーグ4位で、Aクラス入りを目指して激戦中。
山崎選手も現役最後の最後までチームの一戦力として、
「まずは自力で1軍に戻れるよう、ファームで頑張る」
とチームの勝利に貢献できるよう最善を尽くす思いは強いようです。
◆中日・山崎引退へ:恩師・野村楽天監督と出会い変わる(毎日jp7月28日付)
>山崎にはかなえたい夢が残っている。
>「日本シリーズに出たい」。
>中日でリーグ優勝した1999年は故障で出場できなかった。
>ラストシーズンは、最後まであきらめずに戦う。
愚かな夢かもしれませんが、
今年10月、肌寒いKスタ、楽天vs中日の日本シリーズ、という最高の舞台で、
打席に立って東北のファンの大歓声を受ける山崎武司さんが見られたら。
そんな夢想を描いて、楽しみに待っています。
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