アフタヌーン13年8月号 おお振り感想(2)

月刊アフタヌーン2013年8月号掲載「おおきく振りかぶって」の感想、後編です。

今月の感想前編はこちら→アフタヌーン13年8月号 おお振り感想(1)
過去のおお振り感想はこちら→カテゴリー「おお振り感想」

※野球素人ファンの腐女子によるネタバレ感想です。
セリフなど一部省略しております。
原作を純粋にお好きな方、腐女子の妄想や筆者の文章がお嫌いな方は、
ご不快になる恐れがありますので、以下ご覧にならないでください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、優しくご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします!








●アベミハバッテリーと百枝コーチの3人は、裏グラのベンチで、
撮影したばかりの三橋くんのピッチング動画をタブレットで見ながら分析。
コーチが身ぶり手ぶりを交えつつ指摘した内容を以下にまとめます。
軸がナナメ上を向いている
 ジャイロって程じゃないけど……回転だけ見ればカットボールっぽい。
 でも、カクッとした変化はないから、ナチュラルスライダーの類い?
・少年野球だと、こういう球投げる子は結構いる。
 小さい子は筋力のなさが原因で、下半身が使えてないと上半身がつっこんでくから、この回転になる。
 スライダー回転は球が伸びないし、ワンバンで変な方向へはねるから、早くに直しちゃう。
・ただ、この回転も天性。ちょっと磨けば縦スラをものにできるかも。
・少年野球でこの(三橋のような)回転になっちゃう子は、
 フォームを見ていると(腕を投げ下ろす際)小指から出てくる。
 しかし三橋を見た限り、下半身主導で投げられているし、左腕もちゃんと使えている。
若干手が頭から離れている
 腰が横回転なのかも。
 下半身の力を上半身にうまく伝えるためには、斜めの動きで捻るのが正しい。
 横回転になっている場合、遠心力で手が頭の横にくっつけなくて遠まわりしちゃう。
 その結果、手投げになってスライダー回転がかかってしまう。

コーチの指摘を聞いて、さっそく三橋くんはその場でちょっと腰の捻りを試してみたり。

上記の会話の途中、「スライダー回転」は阿部くんも直されたことがあったそうですよ。
さんざんワンバン投げさせられただけだったそうですが、2塁に球届くようになった、と。
三橋くんは、そういう指導を受けたことは「な…ない…です…と思います」

また「縦スラ」のくだりでこんなやりとりが。
阿部「落ちる球はナックルカーブを練習してて」
コーチ「そらまたえらくむずかしー球だな。またどーして」
三橋「へっ、ふっ、う」←青醒めてドモってる。
阿部「合ってるみたいでよく落ちるんです。コントロールがつかないんスけど」
コーチ(なんか触っちゃいけないトコか?)と考えつつ「そうかい」
↑未だデリケートなアベミハバッテリーの関係性というか、
”名前がカッコイイから”という理由でナックルカーブを練習した、
と言ったら怒られる(?)かも? とキョドる三橋と、
三橋に先回りしてカホゴに説明する阿部、というか、
バッテリー間の独特な力関係を、百枝コーチも初対面で感じ取ったんでしょうか(苦笑)。

●コーチ「今日は投げこみできないだろ。
  オレ毎日は来られないからメルアド教えてくれよ。イロイロ試してみよう」

ということで、百枝コーチはバッティングも見てみるか、とベンチを去っていきました。
阿部(スゲーな。斉徳じゃ投手はみんなあんな指導受けてんのか?)と驚き。
そして隣でうずうずしている三橋くんに、
「大会中だかんな。くれぐれも勝手なことすんじゃねーぞ!」と釘差しも忘れませんw
(↑セリフの吹き出しが、ホントに釘の形になって三橋くんの頭を貫いてますwww)

●ここでちょっと、野球素人による的外れな個人的感想を。
まず、三橋くんの”まっすぐ”の謎が、
特に、阿部くんも指摘していた回転軸について、明らかになりましたね。
「軸が斜め上を向いて」いて、「ジャイロ」というか「カットボール」というか、
「ナチュラルスライダー」の一種のような回転。

秋季地区大の武蔵野第一戦で、秋丸くんが”まっすぐ”を見破った時の感想にも書きましたが、
”まっすぐ”に働く力学が私にはどうにも不可解で、
コメントも頂戴していろいろ考えた結果
恐らく「フォーシームジャイロ」に近い回転軸の球、なのかなぁ? と妄想していました。
ジャイロボールは「縦スラ」の一種とも言われているようですし、
「カットかスライダーの抜けただけの球」「カットボールがシュート回転した球」とプロ投手達は言っているようです。

そして、百枝コーチの見立てによれば、三橋の”まっすぐ”は「ナチュラルスライダー」。
Wikipediaの記述を引用すると、
>フォーシーム・ファストボール(日本の一般的な直球)を投げる際に
>リリースポイントがずれ、スライダーに似た回転がかかったものを指す。


頂戴したコメントには、「いわゆるナチュラルシュートでしょうね」とご意見を下さった方もいらっしゃいました。
ナチュラルシュートとは、
>フォーシーム・ファストボールを投げる際に
>リリースポイントがずれ、シュートに似た回転がかかったもの

「直球がシュート回転して真ん中に入り、痛打された」という言われ方をすることが多く、
直球より伸びがなく、制球が定まらないことが多いので、基本的には失投です。
(なかには、逆手にとって武器にする投手もいる)
シュート回転が、利き腕の方向に変化する(右投げの三橋ならば右に曲がる)のに対し、
スライダー回転は、利き腕の反対方向に変化する(右投げの三橋ならば左に曲がる)球。
なので、練習していない(指導を受けていない)投手が投げる棒球、という意味で、
この方のご意見が最も近かったかもしれないですね。
様々なコメントを下さった方々、とても勉強になりました。どうもありがとうございました!

百枝コーチは「ナチュラルスライダー」という呼称で説明しましたが、
「ナチュラルスライダー」という球種はない、と説明するサイト様もあります。
なぜなら、そもそもストレートは外から内の直線の軌道で投げ込むので、
ボール1~2個分、普通の人より内に入った(スライダー回転した)ところで、
普通のストレートとあまり大差はない。
「マッスラ」や「カットファストボール」等の名称で呼ばれる場合が多く、
「ナチュラルスライダー」という呼び方はあまりしないようです。
(この場面では、意図せずスライダー回転がかかっている、という意味でこう呼んでいるのでしょう)

で、ナチュラルシュートしている原因は、腰が横回転しているからではないか? とのこと。
ならば、三橋くんは腰の回転を正しく斜めの動きで捻るように練習すれば、
回転軸が正しくなって、バックスピンを投げられるようになる、ということかな?

ということは、”まっすぐ”とバックスピンの投げ分けって無理なんじゃないかな?
と野球素人の私は思ったのですが……。

例えば、ボールの握りが、中指と人差し指の間が中心から右へズレている場合、
あるいは、正しい握りでも、ボールを離す時に中指に力が入ってしまう場合にも、
ナチュラルスライダーになることもあるらしいです。
しかし、ボールの握りや離す瞬間の力加減など、指先の変更ではなく、
フォームの根幹である腰の回転を矯正してしまったら、
もう”まっすぐ”を投げていた当時の、腰が横回転する投げ方はできないんじゃないかしら?
たとえ腰の回転をうまく使い分け、”まっすぐ”とバックスピンを投げ分けられたとしても、
そんな大きなパーツ(腰の動き)の違いは、打者に簡単に見分けられそうな気がします。
それこそ、先月号で阿部くんが「ストレートだけ違うフォームで投げ」るなんて無理、と言ったように。

ということは、三橋くんがバックスピンを習得して、いずれ130km/h台後半を投げられるようになっても、
阿部くんが危惧したように「”平均”に近づけること」になり、
「打ちにくさの肝(きも)」を備えた”まっすぐ”も失って、
結果、「マイナスでしかない」ってことになるのでは?
三橋くんも「”まっすぐ”もなくなったらダメなんだよ、と思う」と言ってたはずだけど。
百枝コーチの優れた眼識に感嘆し、”まっすぐ”の原理が判明して、
なんだかスッキリした感じになっているけれど、
アベミハが揉めていた「投げ分け」問題については、イマイチ解決していないような……。
腰の回転の矯正って「投げ分け不可能な類」なんじゃないかなぁ?
漫画でもなけりゃ現実ではあり得ないですよね。
……って、漫画でしたね^^;。
そもそも、9分割コントロール(しかも直球も変化球も)も、1日でワインドアップにフォーム改造も、
現実じゃアリエナイものすごいチートなので、投げ分けも可能かも。
それに、三橋の”まっすぐ”だけでは甲子園優勝は無理、と
アベミハもモモカンも意見一致していたことだし、
ここはバックスピンを習得する方向へ一直線、ですかね。


●話が脱線してスミマセン。本編感想の続きに戻ります。
ト書きで「バックスピンの練習もこなしつつ、
大会日程は順調に進み、西浦は2回戦に勝利。
組み合わせの良さもあり、3回戦も突破して、秋季県大会へと進んだ!」

ということで1ページ半で、秋季大会南部地区予選の2試合、終~了~
2回戦か3回戦かは分かりませんが、試合のスコアボードが描かれたコマを見ると、
対戦相手は戸田商で、西浦4-2戸田商。
西浦が1回表に3点先取し、5回表に1点追加。5回裏に2点取られたものの、そのまま逃げ切り。

秋季埼玉県大会南部地区抽選会(21巻冒頭)の感想に、
リアル埼玉県秋季大会の日程を書いたことがありましたが、
秋季地区大会(東西南北の4地区に分かれる)は、過去10年遡ってみても、
2回戦までしかないんだけどな……?
だから、あと1試合だけ地区大会が描かれて、それから県大会に進むんだと思い込んでました私。
ま、漫画なのでリアルの地区大会と同じとは限らない、か。

参考までに、リアル埼玉高校野球の今年(2013年)の日程は、
9月6日~13日:秋季南部地区予選(2回戦まで)
9月17日:秋季県大会組み合わせ抽選会
9月21日~10月6日:秋季大県大会(5回戦まで)
(※9/29~10/2は国体期間中のため休止。県営大宮、市営大宮、上尾市民、越谷市民の4球場)
10月26日~30日:秋季関東大会(茨城県)

●今月のラストページは、
9月某日、スポーツ研修センター。
約半月程前、南部地区の抽選会が行われた場所に、
東西南北各地区予選を勝ち上がった40チームの代表が集い、
改めて抽選が行われる。

ということで、シガポ部長・花井主将・栄口副主将の3名がやって来ています。
抽選会場に集まってきている周囲のごつい選手達を見ながら、
花井(地区大の抽選会とは、なんかこう……重量感が違うな)

最後の欄外アオリは、「夏大はベスト16まで行った。
でも、見たことがない、強そうな奴らがまだこんなにゴロゴロいる!」


次回、花井キャプテンの呪われたクジ運は、いったいどんな対戦チームを引き当てるのか!?
またもや県下に名を馳せる強豪校か!? はたまた初登場のダークホースか!?
私も精進潔斎して神仏に祈りを捧げつつ、
固唾を飲んで梓のやらかしを見守りたいと思います……!(笑)
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