無死一塁で送りバント


今日は久しぶりにスカパー!で楽天イーグルスの試合中継を観戦しました。
爽やかな好天のゴールデンウィーク。
楽天Koboスタジアム宮城のスタンドを360度埋め尽くすクリムゾンレッドの人・人・人。
いやぁ~もぉ~めっっちゃボールパーク日和じゃないですかっ!!!
本日のコボスタはなんと満員御礼!
来場者数は、球団史最高記録を更新する26,331名ですって!
こんな天気の良い日に、こ~んな沢山の楽天ファンの同士達に囲まれて、
アルコール片手に焼き鳥なんか食べながら、
ミニツインバットをパコパコ鳴らしつつ熱い声援を送る……。
なんという至福のひととき!!(うっとり)
今年1年間はイーグルスファンをお休みするつもりの私ですが、
こんな試合風景をテレビで見ちゃうと、やっぱ血沸き肉踊っちゃいますわー。
自宅のテレビ前だというのに、チャンスで「ベニーランドチャンテ」を歌って応援し、
7回裏の攻撃前に見えない風船を上下に振り振りしながらチーム応援歌を声高らかに斉唱しました(笑)。
あの場所にいって、私も一員になりたかった!
ちなみに今日の試合は、楽天6-7西武。
楽天イーグルス5連敗ですってorz
でも、私は0-6で大負けしていた5回途中から見始めましたが、
5回裏に稼頭央さんのスリーランホームラーン!
さらに6回裏に後藤光尊さんのスリーランホームラーン!
と胸のすくよな豪快な1発で1点差まで追い上げる展開を見られて、
なかなか見ごたえありましたよん♪
ところで、気になる本日のタイトルですが。
今日の試合の8回表にこんなシーンがありました。
西武の先頭打者がヒットで出塁し、無死一塁。
そこで、2番・栗山選手が送りバントで、1死二塁。
野球の試合ではよくある光景です。
栗山さんには“好打の選手”というイメージが私にはあって、
送りバントをしている姿を見たことがあまりない気がしたのですが、
(実際、昨日が今季初の犠打。2014年は2本、2013年は1本のみ)
西武は試合終盤にリード1点のみだったので、堅実に追加点を狙いにいったのでしょう。
残念ながら、その後1死一、二塁から4番のメヒアが併殺打に倒れ無得点でしたが。
ところが!
この「無死一塁で送りバント」という野球の定石が、
必ずしも“堅実に点を取る”ことに繋がらない、としたら!?
という面白い記事を見つけました。
◆学びなおしのリスク論「無死1塁で送りバント」という定石とリスク 「なにもしない」という戦術が利益を最大化することも
(7)野球の戦術・戦略(WEDGE Infinity 4月30日)
野球には「セイバーメトリクス」というアメリカで生まれた分析手法があります。
データを統計学的に客観分析し、試合での戦術や球団運営の戦略などを考える手法です。
例えば、ノーアウトで先頭打者が塁に出た、「無死一塁」の場合。
「送りバント」「盗塁」「ヒットエンドラン」「何もしかけず打者に打たせる」
という選択肢から監督は次の一手をとることができますよね。
このうち、日本野球で“定石”の戦術は「送りバント」で1死二塁にすること。
冒頭の今日の試合も例に挙げましたが、
アウトを1つ増やす代わりに、走者を得点圏打率に進めることで、
“堅実に追加点を狙いにいく”戦術と考えられています。
ところが。
セイバーメトリクスの分析で、以下の2つの指標を見てみると。
・「得点期待値」=アウト数と塁上の走者それぞれの状況から、3アウトまでに獲得できるであろう得点
・「得点確率」=1点以上を得点する確率

上記の表(Wikipedia「Linear Weights」より引用)で、
無死一塁での得点期待値はおよそ0.8点。
送りバント後の1死二塁での得点期待値はおよそ0.7点。
つまり、送りバントをすることは、
チャンスで得点を最大化しない恐れもある! ということ。
なお、得点確率はそれほど大きく変わらないので、
1点を得る策としては、「送りバント」と「何もしかけず打者に打たせる」ことに大きな差はない。
(但し、あくまで統計上の“平均的な得点期待値”なので、
次打者の打力が明らかに低ければ、「まずは送りバント」も有効な策)
こうやってセイバーメトリクスで考えてみると、
日本野球の“常識”ともいえる「ノーアウトでランナーが出たら、まずは送りバント」という戦術が、
「勝てる確率の高い手段」という意味では必ずしもベストではない、との結果に。
判で押したように毎度毎度の“定石”とするのではなく、
戦況によっては、送りバントすべきか見直してみるべきなのかもしれないですねぇ。
上記の例の他に、
「無死二塁でヒット、クロスプレイになりそうな際どいタイミングで本塁突入」という
これまた野球の試合でよく見る、血沸き肉躍るプレーは、
実は「ハイリスク・ローリターン」で、勝利へのベストな戦術ではない、
という例も挙げられています。
無死二塁でヒットを打った
→三塁にとどまれば無死一、三塁……得点期待値は約1.7点。
→本塁突入というリスクを冒して、アウトになれば1死一塁……得点期待値は0.5点。
でもこれらの「常識とされているリスクテイクが本当に有効か?」って分析、
目から鱗のように見えて、実は意外と、
野球関係者や野球ファンの間では知られていることだったりしますよね。
セイバーメトリクスに詳しい野球ファンも多いし、
野球素人の私ですら「送りバント」や「本塁突入」について聞いたことあったし、
ましてや球団関係者やプロ野球首脳陣は、既によく知っているはず。
それでも何故リスクを犯してベストではない策をとるのが“定石”のままなのか?
その理由を示す、上記サイトの最後のほうの文章が興味深かったです。
例えば、「無死一塁」の場合。
もし「何もしかけずに打者にただ単に打たせ」て点が入らないと、
「この監督は策をとらない人だ」と観戦者に思われる傾向がある。
一方、送りバントをして点が入らなければ、
「策をとっての結果だからしかたない」と思われがち。
また例えば、「無死二塁」の場合。
もし「走者が三塁にとどまる」と、
「おい、とまっちゃうのかよ」と観戦者は思う。
一方、本塁に突入させてアウトになっても、
「まあ、しょうがないか」となる。
>当然と思われてきたことをしないで失敗が起きたとき、
>人は「なんで当たり前のことをしないのか」と考えてしまう。
>そのバイアスは思いのほか大きそうだ。
>人は、自分の選択が正しいということを前提に物事を捉えようとしがちです。
人間の心理に関心をもつ私としては、
非常に興味深い心の動きだなぁ、とおもしろく読みました。
統計学的には最善策じゃないと明確になっていても、
人間の感情ってデータや論理だけで納得できるとは限らないですもんねー。
最後に徒然に思ったこと。
……リアル野球に野球漫画の話題を絡めて恐縮ですが、
私の好きな「おおきく振りかぶって」の西浦高校は、
とにかくバントを多用するチームです。
選手が全員高校1年生で、まだ打力が低いからやむを得ない、のかもしれませんが、
「モモカンはバント好きすぎだよなぁ……」と素人の私ですら呆れることも^^;。
一方、埼玉県No.2の強豪校・千朶高校は、
“積極的な攻めの野球”で、夏大会県予選準決勝まで1つのバントもなし。
それを見た6年前は、「マジデスカ!?」と驚きました。
あまりに高校野球離れしているので。
でも、セイバーメトリクスで考えると、
千朶の須永監督は極めて合理的な戦略をとっていると言えるかも。
ま、県屈指の千朶の強力打線あってこその強硬策なのかもしれませんが。
それでもやっぱり、もしも西浦がいつもイケイケドンドンで送りバントを1つもしなかったら……
「攻め方が雑だなぁ~、もっと丁寧に打者を進塁させて、手堅く攻めないと勝てないよ!」
な~んて生意気なことを私は思ったりするかも(苦笑)。
結局、「結果論」に過ぎないんですけどね。
人間心理って、ホントおもしろいなぁ~!
データを統計学的に客観分析し、試合での戦術や球団運営の戦略などを考える手法です。
例えば、ノーアウトで先頭打者が塁に出た、「無死一塁」の場合。
「送りバント」「盗塁」「ヒットエンドラン」「何もしかけず打者に打たせる」
という選択肢から監督は次の一手をとることができますよね。
このうち、日本野球で“定石”の戦術は「送りバント」で1死二塁にすること。
冒頭の今日の試合も例に挙げましたが、
アウトを1つ増やす代わりに、走者を得点圏打率に進めることで、
“堅実に追加点を狙いにいく”戦術と考えられています。
ところが。
セイバーメトリクスの分析で、以下の2つの指標を見てみると。
・「得点期待値」=アウト数と塁上の走者それぞれの状況から、3アウトまでに獲得できるであろう得点
・「得点確率」=1点以上を得点する確率

上記の表(Wikipedia「Linear Weights」より引用)で、
無死一塁での得点期待値はおよそ0.8点。
送りバント後の1死二塁での得点期待値はおよそ0.7点。
つまり、送りバントをすることは、
チャンスで得点を最大化しない恐れもある! ということ。
なお、得点確率はそれほど大きく変わらないので、
1点を得る策としては、「送りバント」と「何もしかけず打者に打たせる」ことに大きな差はない。
(但し、あくまで統計上の“平均的な得点期待値”なので、
次打者の打力が明らかに低ければ、「まずは送りバント」も有効な策)
こうやってセイバーメトリクスで考えてみると、
日本野球の“常識”ともいえる「ノーアウトでランナーが出たら、まずは送りバント」という戦術が、
「勝てる確率の高い手段」という意味では必ずしもベストではない、との結果に。
判で押したように毎度毎度の“定石”とするのではなく、
戦況によっては、送りバントすべきか見直してみるべきなのかもしれないですねぇ。
上記の例の他に、
「無死二塁でヒット、クロスプレイになりそうな際どいタイミングで本塁突入」という
これまた野球の試合でよく見る、血沸き肉躍るプレーは、
実は「ハイリスク・ローリターン」で、勝利へのベストな戦術ではない、
という例も挙げられています。
無死二塁でヒットを打った
→三塁にとどまれば無死一、三塁……得点期待値は約1.7点。
→本塁突入というリスクを冒して、アウトになれば1死一塁……得点期待値は0.5点。
でもこれらの「常識とされているリスクテイクが本当に有効か?」って分析、
目から鱗のように見えて、実は意外と、
野球関係者や野球ファンの間では知られていることだったりしますよね。
セイバーメトリクスに詳しい野球ファンも多いし、
野球素人の私ですら「送りバント」や「本塁突入」について聞いたことあったし、
ましてや球団関係者やプロ野球首脳陣は、既によく知っているはず。
それでも何故リスクを犯してベストではない策をとるのが“定石”のままなのか?
その理由を示す、上記サイトの最後のほうの文章が興味深かったです。
例えば、「無死一塁」の場合。
もし「何もしかけずに打者にただ単に打たせ」て点が入らないと、
「この監督は策をとらない人だ」と観戦者に思われる傾向がある。
一方、送りバントをして点が入らなければ、
「策をとっての結果だからしかたない」と思われがち。
また例えば、「無死二塁」の場合。
もし「走者が三塁にとどまる」と、
「おい、とまっちゃうのかよ」と観戦者は思う。
一方、本塁に突入させてアウトになっても、
「まあ、しょうがないか」となる。
>当然と思われてきたことをしないで失敗が起きたとき、
>人は「なんで当たり前のことをしないのか」と考えてしまう。
>そのバイアスは思いのほか大きそうだ。
>人は、自分の選択が正しいということを前提に物事を捉えようとしがちです。
人間の心理に関心をもつ私としては、
非常に興味深い心の動きだなぁ、とおもしろく読みました。
統計学的には最善策じゃないと明確になっていても、
人間の感情ってデータや論理だけで納得できるとは限らないですもんねー。
最後に徒然に思ったこと。
……リアル野球に野球漫画の話題を絡めて恐縮ですが、
私の好きな「おおきく振りかぶって」の西浦高校は、
とにかくバントを多用するチームです。
選手が全員高校1年生で、まだ打力が低いからやむを得ない、のかもしれませんが、
「モモカンはバント好きすぎだよなぁ……」と素人の私ですら呆れることも^^;。
一方、埼玉県No.2の強豪校・千朶高校は、
“積極的な攻めの野球”で、夏大会県予選準決勝まで1つのバントもなし。
それを見た6年前は、「マジデスカ!?」と驚きました。
あまりに高校野球離れしているので。
でも、セイバーメトリクスで考えると、
千朶の須永監督は極めて合理的な戦略をとっていると言えるかも。
ま、県屈指の千朶の強力打線あってこその強硬策なのかもしれませんが。
それでもやっぱり、もしも西浦がいつもイケイケドンドンで送りバントを1つもしなかったら……
「攻め方が雑だなぁ~、もっと丁寧に打者を進塁させて、手堅く攻めないと勝てないよ!」
な~んて生意気なことを私は思ったりするかも(苦笑)。
結局、「結果論」に過ぎないんですけどね。
人間心理って、ホントおもしろいなぁ~!
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