今月の感想前編はこちら→アフタヌーン13年7月号 おお振り感想(1)
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※野球素人ファンの腐女子によるネタバレ感想です。
原作を純粋にお好きな方、腐女子の妄想や筆者の文章がお嫌いな方は、
ご不快になる恐れがありますので、以下ご覧にならないでください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、優しくご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします!
●感想前編の続きです。
武蔵野第一戦の翌朝。
登校してきた阿部くんを1年7組の教室前で三橋くんが待ち伏せvv
昨夜に引き続き、アベミハバッテリーで”まっすぐ”について話し合いです。
三橋「だからね、オレの回転なんで変なのか、考えよって思ったんだよ」
(借りた)本を半分かもっと少しだけど読んだ、難しくて、ごめん。と三橋くん。
阿部「そいで、回転のわけがわかったらどーすんの?」
三橋「”まっすぐ”とバックスピン、と、どっちも投げられるようになるよ。練習、するよ」
阿部「投げ分けらんねーようなもんだったら?」
三橋「う、う、そんなこと、あるかな?」
阿部くん曰く、
腕の振り方でも、手首の捻り方でも、フォーム自体を直すようなことなら投げ分けはムリ。
それとも、ストレートだけ違うフォームで投げて球種バラすのか?
そしたら、全球種投げ方考えなきゃならない。
それに、今一番楽なフォームで投げているのなら、どっかに負担が来る。
だいたい、三橋は何も特殊な投げ方していないし、握りだって普通にストレートの握り。
阿部「あとどーやって理由見つけんの?」
それに対して、三橋くん曰く、
でも、原因はある。他の原因も考える。
それで直せないようなものなら、その時また考える。
オレは、オレの球はダメだって思ってる。
けど、かわしたり打たせたり三振取ったり、阿部君がいっぱい経験させてくれたから、
だめな球でも阿部君が使ってくれるから、大事にする。肩とか肘も。
阿部「じゃあ、原因究明して投げ分け不可能な類だったら、バックスピンにこだわんのやめんだな」
三橋「――投げ分け、できるかも、し、しれないよ、ね」
阿部「ダメならあきらめる約束がねーんなら、協力する気になれねー。
だっておめーは”まっすぐ”の原因が見つかりゃ、それが何だってバックスピンの練習すんだろ」
三橋くん、唇を噛んで「むっ」。
阿部「オレらあと2年しかねんだぞ。
高校野球なんて1度故障したらほとんど終わりだって、わかってっか?」
三橋「むぐ、むぐ、むぐ」と汗を垂らしながら何やら小声で反論。
阿部「きこえねェ!」
↑デッカイ怒鳴り声に、三橋くんだけでなく廊下の通行人までビクッ!(苦笑)
三橋くんは顔を上げ、まっすぐ阿部くんを見つめて、
「練習、す、するよ! オレ、だって、ちゃんとストレート投げたいんだ! でも故障、しない!」
阿部「故障したくて故障するやつぁいねェよ!」
↑再び怒鳴られ、真っ赤になって身を竦ませる三橋くん。
1年7組の教室から、何事かと野球部員も廊下を覗きます。
水谷「あ」 花井「阿部、と三橋」
千代ちゃんも廊下に面して開いた窓から心配そうな顔。
三橋「う、う、うぐ~~」
目にいっぱい溜めた涙を堪え、両腕でガシガシと顔を擦る様子に、阿部くんも汗。
三橋「じゃあ、あ、阿部君は、さ。オ、オレの球で、優勝できると、思ってるの、ですかっ。
オレは、思わない」 目に涙を浮かべながらも、阿部くんの目を見てハッキリ主張。
花井「何言い争ってんの」と阿部くんに声をかけ、
水谷「みはし、どしたー」
頼れる主将と気配り名人が場を取りなしに来てくれましたよ。
三橋「な、なにも。オレは、なんでも」と慌てて腕で涙を拭い「また、話す、あとで」と水谷くんに。
さらに「阿部君、また、あとで!」と声をかけ、三橋くんはたっと廊下を駆け戻っていきました。
阿部くんは「おー」と返事してから、スタスタと7組教室の中へ。
水谷「何の話?」 阿部「球スジの話」 水谷「球スジって?」 阿部「球のスジだろ」
後ろから話しかける水谷くんを一瞥もせず、そっけない返事で椅子に座る阿部さん^^;。
水谷「ダメだこりゃ」 花井「一呼吸おいてからだな」
席に着いた阿部くんは一人考えます。
故障したことねーやつが故障の前兆に気付くかよ。
あのアホは何かとっかかりがありゃ、きっと取り憑かれたみてーに投げる。
しかし、あの球の仕掛けってホントに何なんだ。
毎日見ててもわかんねんだぞ。ハイスピードカメラでも借りて画像解析すんのか?
どっちにしろ投球練習してくれる人が欲しーな。
オヤジの知り合いあたるか。榛名も見てた富沢さんとか林さん。モモカンにも聞いてみて……。
●ここでちょっと個人的な感想。
5年前、単行本9巻までの三橋くんの心理分析モドキを書いた際、
三橋くんの感情表現には「怒」がまったく見られず、
>誰かに怒りを抱く、という感情が欠落している(?)ようです。
と私は思いました。
さらに、単行本10巻で、
「三橋イジメてんなよ!」と花井くんに食ってかかった田島くんに、
「イジメられてないっ!!」と怒鳴った三橋くんを見て、私はじーんと嬉しくなり、
>「怒り」は、この人になら怒りをぶつけても関係は壊れない、受け入れてもらえる、
>という安心感が深層心理になかったら、なかなか表現できない感情だと思うんです。
>(関係がぶち壊しになっても全然構わない、という相手は別として)
>怒りが欠如している=他人に甘えたり、遠慮なく感情を爆発したりできない、
>窮屈でいびつな精神状態、じゃないでしょうか。
>だから、三橋くんが阿部くんや西浦の皆に、素直に「怒り」を表現できるようになった時こそ、
>「仲間」として自分がここで受け入れられている、と本当に安心している証になるんじゃないかな
(中略)
>……いつか、阿部くんにも「怒り」を表現できるようになったら、いいなあ。
とも書きました。
なので、今月号のアベミハ痴話喧嘩wは、感無量で 萌 え ま し た……!
もちろん、今回の三橋くんの感情は「怒」というわけではないですが、
怒っている人を相手に、引き下がらずに言いたいことをキッパリ意見できるって、スゴイ成長です。
ほんの2ヶ月前、夏大の美丞戦前までの三橋くんだったら、
阿部くんに怒鳴られたら即萎縮したり、怒ってるのかな? と心の裏を読もうとしたりして、
「阿部君に嫌われたらオレはもうダメになる」と異様に恐れていました。
でも今の三橋くんは、涙が込み上げてきても、面と向かってハッキリ自己主張できるまでに。
三橋くんの涙を見るのは、かなり久しぶり(もしかしたら、美丞戦で負けた直後以来?)でしたが、
気弱だとか泣き虫だとかいうより、なんだか強くなったなぁ、と母心が湧きましたw
かたや阿部くんも、ガミガミ怒鳴るだけで成長していない^^;? ように一見見えますが、
怪我をして試合を見守るしかできなかった苦い実体験があるからこそ、
そして「あと2年しかねェ」とタイムリミットを痛感しているからこそ、
投球に熱心になりすぎて無理をしかねない三橋くんを心底案じているのでしょうね。
初期の頃からどんなにコミュニケーションが上手く通じなくても、
今も意見のすれ違いがあるように見えても、
お互いに相手を信頼していて、相手のことを思っているという底の部分にブレはない。
ええバッテリーやぁ~……!
●お昼。西浦高校の食堂らしき場所に、野球部員達が集まってきました。
カフェテリアみたいなオサレな新しい建物だけど、こんな場所あったんだ?
11巻P.139の三橋くんのモノローグにあった「学食」ってことよね。
西浦高校、公立だけど設備整ってるなぁ。
トレーに食器を乗せて運んでいる人(花井や栄口)もいれば、
弁当を持ち込んでいる人(三橋や水谷)も。
阿部くんがおらず、三橋くんがキョロキョロ見回して花井くんに尋ねると、
花井「来るつってたけど。お前ら朝のは何だったんだ?」
三橋「あ、の、え。ハ、ハルナさんが、オレのこと。バ、バックスピンが、練習。阿部君は心配して…、オレ」
要領を得ない話に「…………」と冷や汗の花井と水谷www
三橋「オレ、信頼、されてないんだ…、だからオレ。ごはん食べるよ!」
↑落ち込んだような表情が、一転して明るい顔にww
今朝、三橋母が「ごめんねェ簡単で」と謝っていた朝食と同じ品揃えのデッカイお弁当(笑)。
花井「ま、腹へってっと考え下向くからな。食うか」
ということで、「うまそう!」「いただきます!」はカフェテリアでも通常運行vv
その掛け声の合間に、栄口「何の話?」 田島「なんかボッパツしてるらしい」
巣山「阿部と三橋?」 泉「みてーよ」
朝から晩まで一緒で、さらにお昼まで集まって、野球部仲良しで和むわぁあ~vvv
ちなみに皆の服装ですが、
花井は少し腕まくりしたYシャツの上に縦線の入った半袖サマーニット、頭にニット(?)キャップ。
(↑まだ9月だけど暑くないのかしら? 生地にもよるけど……)
水谷は胸に大きく「P」とロゴの入ったTシャツ。
(↑Pって一体何の意味なんだろう……? レフトなのにピッチャーも狙ってるとか?・笑)
田島・栄口・巣山は無地のTシャツ。(左胸ポケットがコマによってあったりなかったりw)
泉は左胸にポケットのあるYシャツ。(←色は不明w)
そして……沖くんと西広くんは、この場にいません……(T-T)
……1年3組は何か用事があって来られないんすかね……orz
「うまそう!」「いただきます!」の音頭とってるのは恐らく花井くんよね?
公共の場での羞恥プレイにも「オレはもう慣れたぜ」なのかな?(笑)
●その頃阿部くんは、バイト(レストラン「カスト」)昼休憩中のモモカンに、電話で相談中。
モモカンってファミレスの店員もしてるのか……!
もっと体力勝負で時給の高いバイトばっかりやってるんだろうと思ってましたw
阿部「なんとか三橋にバレないように見てもらうことできないスかね」
モモカンは、私達が毎日これだけ近くで見ていてもわからないんだから、三橋君に内緒は無理。
前にも言ったけど、私は、今の三橋君のままで勝ち上がるのは難しいと思ってる。
投手コーチは心当たりがあるから聞いてみる。
(阿部と三橋の)二人でよく話し合って、両方が納得する道を探してみて。
三橋君相手が大変なのは承知してるから、こじれそうならまた相談して。とのこと。
●場面は再びカフェテリア。
完食して幸せな顔でお弁当を閉じる三橋くんの背後に、阿部くんがやって来ました。
阿部くんがチラ、と野球部員達を見ると、皆じっとこちらを見つめて興味津々ww 花井くんは汗w
阿部「………メシおわったよな。行くか」
三橋「うんっ」 「お、お先に…?」
泉「おー」 水谷「行っちゃった」 花井「そりゃなァ」
栄口「聞かれたくない話でもあんのかな」 田島「ないだろ」
●阿部さん、三橋と二人きりを画策し
阿部「モモカンに聞いたら投手コーチ頼めそうな人いるっつってた」
三橋「おお、オレの、か! スゴイ!」
そして、三橋くんは考えたことを阿部くんに話します。
「…えーと、なんか話飛んだぞ。どっか途中はしょってねェ? いや、もっかい説明してくれっか?」
と途中で阿部くんに言われつつ(苦笑)、三橋くんが語ったことをまとめると、
・速さはやっぱ武器だから欲しい。阿部君も速い球あったらいいよね?(阿部も同意)
・榛名さんみたいな球、投げられない。だから”まっすぐ”もなくなったらダメなんだよ、と思う。
・球種の多さも武器。(阿部がずっと言っている「組み立てでどうにでもできる」ということ)
・だから、筋トレする。
阿部「つまり、フォーム改造する必要あるようなコトだったら、バックスピンあきらめる?」
三橋「うん。故障したら、お、おわりだ」
それを聞いて、阿部くんは今朝の榛名との会話を伝えます。
阿部「今の回転じゃ力が分散してっから、キレーな回転覚えりゃもっと速い球投げられんだろってさ」
「そんなん言われて、あきらめられるわけねーよなァ」
三橋くんは顔を真っ赤にして、しばし考え込んだ後、
三橋「でも、阿部君が、一番オレのこと、考えてくれてるんだ」
阿部さん、1コマ目:ビックリ顔→2コマ目:汗ダラダラ→3コマ目:真っ赤っ赤に照れて顔を横にww
ハイッ! 陥落しましたぁ~~♪♪ 楽勝すぐるwww
三橋くんの捕手タラシ術の本領発揮!! ホンマこわいお人やでぇ~……!!
阿部「もしフォーム改造しなきゃなんねェ場合は、
お前、オレとかモモカンが見てるとこでだけ練習してくれっか。
お前のこと信用してねんだと思わないでくれよ?
自分ではわかんねェからみんな故障すんだよ。それが怖え」
三橋「バックスピン、い、いいの!?」
阿部「お前の球、今のままでいいとはオレも思わない。
高校野球は1回勝負だから。ある程度までは行けると今でも思ってっけど。
もっと、ずっと上まで行くためには」
至近距離で向かい合って熱く語り合う二人……!
●三橋・モモカン・阿部、3人とも、
「三橋の”まっすぐ”では甲子園優勝は難しい」という点で意見は一致していたようです。
その上で阿部くんは、フォーム改造→無理が生じて故障、だけはどうしても避けたいので、
バックスピンの習得に反対だった。
三橋くんは、「ハルナさんみたいに速い球投げたい」からバックスピン、という無謀な憧れではなく、
甲子園優勝のためには、速さという別の武器も必要、
だから、投げ分けられるようにしたい、と望んでいる。
ピッチャーならば「こうやって投げたら、もっと速い球投げられるよ?」と言われれば、
それを試してもっと速く投げたい! と思うのが、本能みたいな欲求だろうと思います。
それでも、三橋くんは「阿部君が、一番オレのこと、考えてくれてる」から、
フォーム改造が必要で故障の恐れがあるのならばバックスピンは諦める、とまで言ってくれた。
こりゃ阿部さんも今夜はニヤニヤ思い出し萌え笑いが止まらなくて眠れないでしょうね^^!☆
てなわけで、怒りっぽい阿部さんの「カカア天下」のように表面上は見えるけれど、
実は阿部さんを掌の上で自在に転がす三橋さんの「亭主関白」バッテリーと改めて判明です(笑)。
●今月号ラストはモモカン。
レストランカストでスマホから電話をしています。
「あ、もしもし。仕事中にごめんね。ちょっと大変かもしれないお願いがあるんだけど」
さあて、モモカンが電話をかけた「投球コーチ」ってどんな人なのかしら!?
この口調だと、昔の友達か知り合い?
もしや西浦軟式野球部に過去に在籍したことのあるOBとか!?
そして、三橋くんの”まっすぐ”の仕掛けとは?
”まっすぐ”とバックスピンの投げ分けは果たして可能なのかどうか?
新展開で今後が気になりますね~vv
次号に乞うご期待!
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