アフタヌーン13年6月号 おお振り感想(2)

すっかり遅くなりましたが、
月刊アフタヌーン2013年6月号掲載「おおきく振りかぶって」の感想、後編です。

今月の感想前編はこちら→アフタヌーン13年6月号 おお振り感想(1)
過去のおお振り感想はこちら→カテゴリー「おお振り感想」


※野球素人ファンの腐女子によるネタバレ感想です。
原作を純粋にお好きな方、腐女子の妄想や筆者の文章がお嫌いな方は、
ご不快になる恐れがありますので、以下ご覧にならないでください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、優しくご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします!








●田島くんと三橋くんの生着替え感想前編に引き続きまだ終わっていませんよ。
三橋「田島君、スゴイな、いろいろわかる」
田島「オレ、スゴクねーし」
まっすぐ前を見たまま固い表情の横顔で呟きます。
田島「体は急にでかくなんねーから、クサってもしょーがないんだ。
  でも、考えちゃうよ。オレにはホームラン打てないのかなって」

三橋「わ、わかる!」コクッと深く頷いてから、「そうだ。オレは相談しなくちゃ!」
田島「おう、相談しろ」
ありがとう、と言い残してバッグを肩に掛け、慌てて阿部くんの元へと走っていった三橋くんは、
「まだ着替えてねーのか!」と阿部さんに言われて、仰け反り気味www(予定調和)
↑みんな練習着に着替え終わってるのに、三橋くんは黒のアンダー着替えたぐらいでソックスも試合用のままw
田島(三橋が榛名になれるわけねェ。オレも花井にはなれない。
  問題はそこじゃないんだ)


いつも元気いっぱいで自信に満ち溢れて天才プレーヤーな田島くんの、
内に秘めたコンプレックスと懊悩が垣間見れて、痺れるほど萌えました……!!
覚えていらっしゃいますか?
かつて三橋くんから「スゴイ」と褒められて、
田島くんと同じように「オレはスゴくねーよ」と固い表情で否定した人がいたことを。
そう、それは崎玉戦(10巻P.167)の、花井梓くん
花井くんはそう答えた後、すうと息を吸って「オレより、田島のほうがスゲーだろ?」と訊き返しました。
田島くんもまた「スゴイ」と言われて、今日の試合で花井くんが打ったHRを引き合いに出しました。
お互いに呼応させるひぐち先生のにくい演出に、くぅぅ~~! と萌え悶絶vvv
田島くんと花井くん、お互いにライバルの優れた部分(自分に足りないもの・目指すもの)を目の当たりにして、
焦って少し自信が揺らいでいるというか、ちょっぴり気持ちがへこんでいるというか。
周囲の人には解らないかもしれないけれど、お互いの胸中では強烈に意識し合うライバル関係。
萌 え る~~~~(ゴロゴロゴロゴロゴロゴr)←※ライバル萌え属性

こっから数十行に渡って、
過去に書いた阿部くん三橋くんのキャラ心理分析と同様に、
コミック10巻とか過去の描写も絡めて、田島くんの心理分析モドキというか、
私の偏った思い込みで 妄 想 大 暴 走 な文章を書き散らかそうかと思いましたが、
冗長だしキモイので(笑)、ここでは割愛しました。
いずれ後日、別立ての記事で書ければ、と思います。


●さあ、お次はアベミハ萌えのターンですよっ姐さん方!
場面変わって夜。阿部家。
阿部「ただいまー」とドアを開けて玄関へ。
三橋「お…じゃま、します…」←緊張で汗ダラw
阿部「おー」と靴を脱ぐ。

なっ……!?
あ、阿部くんが実家にを連れて帰ってキタ━━━━(;*゚∀゚)=3━━━━!!!!
(……あ違うか、バッテリーだから投手は嫁じゃなくて亭主かw)

「いらっしゃい! 今日酢豚なんだけど三橋君大丈夫?」とお義母様がお出迎え。
スブタ、と目を輝かせ紅潮している三橋くんw
阿部「こいつ食えねーもんねーよ。ちっと部屋で話してくる」
こいつとか言わない! と母に言われつつ、
阿部くん、三橋くんを先導して階段を上り、(ギッと階段の鳴る擬音がなんか生々しい……ごくり)
阿部「汚ーけど、お前の部屋ほどじゃないよな」

二人っきりで 隆 也 の 部 屋 へ……(白目)。
―――――そして、暗転……。二人の長い夜が始まる……。(←嘘)

でも晩御飯はご馳走になっていくんだから、結構長居はするみたい?
阿部くんと「相談」するって言うから、てっきり学校で、だと思ってましたわ。
武蔵野第一との対戦は9時プレイボールだったし、学校へ戻ったのは昼頃だろうし。
夜練終わってから「相談」するにしても、三橋家のほうがずっと近いのに、
敢えて遠いほうの阿部家へ連れ込む…連れて帰るって、
「相談」という好機を有効活用する頭脳派阿部さんのしたたかな策略、そこにシビれる! あこがれるゥ!←

●自室へ入り、ライトをつけ、バッグを置き、窓を開ける阿部くん。
……の背後で、部屋の入口に突っ立ったまま固まってる三橋くん。
阿部「? えーと、入れよ?」
阿部「カバンおろして」→三橋、はっとしてカバンをその場(開けたドアの前)に置く。
阿部「座れ」→三橋、ストッとその場に正座www
阿部「…まーいーや」

三橋くん、部屋に一歩入った場所にドアを開けたまま、こじんまりと正座かよwww
いつでも逃げ出せるよう避難経路を確保し、そこに陣取る作戦ね?
きっと本能が身の危険を察知し警鐘を鳴らしたんですねわかります(違)。

ちなみに、今月号から読み取れる範囲で、阿部くんの部屋の間取りは、
ドアを開けた正面にベランダへ出られる大きな履き出し窓、左の壁にも腰高窓。
右の壁は一面扉がついていて、恐らく作りつけの壁面収納。
履き出し窓の右横(部屋の右奥隅)に学習机。壁には丸いアナログ時計。時刻は21:32頃。
左の壁側にベッド。ベッドと入口ドアの間に黒枠&白引き出しの5段チェスト。その上に四角い目覚まし時計。
そんでもって、学習机の前にある椅子に阿部くんは座ってるワケですが、
この椅子がまた社長椅子かっつーぐらいご立派な作りでwww
黒くてごつくて、座面は厚いし、肘掛けは付いているし、背もたれも頭部まであるし。
その社長椅子に座った阿部くんが、部屋の入口に正座で縮こまってる三橋くんに語ってる様は、
尊大な社長と叱られてる平社員みたい^^;。

●ここから本題の「相談」。
榛名さんから試合終了時に「バックスピン練習しろ。ぜってー損しねェ」と言われたことについて、
バッテリーで話し合いです。
ここから3ページに渡る阿部くんの長ゼリフをまとめると、
・バックスピンと言っても、そもそも完全なバックスピン投げる投手なんてほとんどいない。
 オーバースローの投手が教本通りに投げても、
 投げる時は腕を内回りにねじりながらナナメ方向に振りおろすわけだから、
 普通に考えればシュート回転する。スリークオーターならなおさら。
 三橋や榛名の言う”ストレート”は要するに回転じゃない。
 メジャーでは、キレイなバックスピンより”動く球”が多数派。
 キレーなフォームでキレーな回転を投げたがるのは日本人の気質もあるかも。
 だから”バックスピン”はちょっと置いといて。
・”ストレート”が投手にとって大事なのは、1番速い…というか1番力を込めやすい球だからだと思う。
 三橋の”まっすぐ”は”バックスピン”ではないが、そういう意味でアレが三橋の”ストレート”。
 投球は組み立てだから、球種増やすつもりで
 ”まっすぐ”より”バックスピン”に近い球を練習するのはいいと思う。
 でもそれを決め球にするのはムリだ。
・ボールの質は、速さ・回転数・回転軸で決まる。
 その数値が、平均からどれだけハズレてるかが、オレの考える打ちにくさの肝(きも)。
 三橋の”まっすぐ”は回転軸がこの”平均”からはずれているんだと思う。
 バックスピンに近づけるということは”平均”に近づけること。
 オレからしたら、マイナスでしかない。

落ち着いた口調で、居丈高になることなく、懇々と諭す阿部くん。
おお~、だいぶ自制心がついたというか大人になったねぇvv
一通り聞き終えた三橋くんは、正座の膝に両手をついて深く俯いたまま、
「………でも。オレ…打たれた。榛名さんと、2番の人…5球目で…まっすぐ」
さらに小声で「バ…、バ…」←バックスピン投げたい、と言いたいらしい?
阿部「~~っ。榛名に言われたからってなんなんだよ!
  せっかく他のヤツと違う回転の球投げられんのに!!」

阿部さん着火!(笑) やっぱ気ィ短い性格は一朝一夕には治らないかw
しかし、怒鳴り声にビビって青褪める三橋くんを見て、「………っ」と思い直し、
阿部「ちっと待ってろ」とスマホを取り出しました。
↑おおっ!? いつの間にスマホに乗り換えたの?(笑)
どこかへ電話を掛けて、しばらく耳に当てていたものの「出ねェし」
阿部「榛名に真意を聞いてやるよ。どーゆーつもりでバックスピンとか言ってんのかさ」
↑ええっ!? ハルナさんに電話したの? アベハル?vv
普段から電話での交流とかしてるのかしら?
……日頃の阿部さんの”はがない”っぷりと、マイペースっぷりから推察するに、
榛名さんがシニアを引退した阿部くん中2の夏以来、久々に連絡取ったよーな気もする^^;。

●タイミング良く、階段の下から美佐枝ママが「タカー、ごはんできたよー、どうするのー」
その声に表情が一変して明るくなった三橋くんを見て、
やや呆れ顔で阿部「メシ食うか」 三橋「うんっ」

―――――そして、暗転……。二人の長い夜が(ry ←いーかげんに妄想と現実を区別しろ。

●翌朝。阿部家。
机に置かれた充電中のスマホがピリリリリ、と鳴ってます。
朝のラジオ体操をしている父の後ろ姿、朝食のパンを食べるシュンちゃんvv
そしてご飯支度中の美佐枝ママが「タカー、電話! 榛名くんみたいー」
洗面所から慌てて飛び出してくる隆也くん。
阿部「もしもし」
榛名「おう、なんか用?」←榛名さんは登校中のようです。
阿部「昨日ウチの投手に、バックスピンがどーのって言ったんスよね」
榛名「あー…言った。ストレート変だから」
阿部「変だとなんかいけないんスか。バックスピン信仰やめてくださいよ」
榛名「そんなことで電話してきたンかよ」
阿部「なんか他の意味あんなら聞きたかったんスけど、ないみたいなんでもーいーです」
榛名「だってあの球じゃ通用しねーもん。
  力が分散してる。あいつもっと速い球投げれんのに」

阿部「……速いつったってタカが知れてんでしょ」←驚いたような顔。
榛名、ぶはっと笑って「ひでーな。
  150出なくても130後半出りゃおもしれー投手になんじゃねーのって思っただけだよ。
  オメーに言ったんじゃねーし。あいつに自分で電話させろよ、カホゴ」

プーップーッ……

==おおきく振りかぶって 第99回おわり==

とゆーことで、いかにも榛名さんらしい捨てゼリフ+ガチャ切りで今月号は終了でっす☆
最後の「カホゴ」に、ですよね~? と相槌打って笑ってしまったww
ラストページの欄外アオリは、
「自分より他人のほうが三橋の価値をわかっていた? 阿部と三橋のバッテリーの前途はなかなか険しい」

●以下、私の個人的な感想です。
まず、三橋くんの”まっすぐ”に関しては、阿部くんの意見にほとんど賛同でした。
綺麗なバックスピンに拘る必要はない。
”打ちにくい球”っていうのは、”バックスピンの多い球、速い球”に限らず、
”打者のタイミングを崩す球”もその一つ。
三橋くんにしか投げられない特殊な回転軸の”まっすぐ”は、個性であり特殊技能のはず。
とかく、人はステレオタイプな”理想像”に囚われ、崇めがちだけれど、
(例えば、豪速球投手が良い、HRバッターが良い、など)
ないものねだりな理想像を目指して、誰も彼もが方向性の間違った努力をやみくもにするより、
自分にしかできないこと、自分だけの強みに自信をもって、
もっと自分の長所を伸ばすように磨きをかけた方がいい。

数多ある野球漫画の中で、私がこのおお振りに魅かれた大きな理由も、ここにあったように思います。
”投手なのに球が遅い、自信もなく卑屈。それでも、視点を変え、長所を生かせば、勝てるんだ”
という意外性がもたらすカタルシス。
リアル人生で「こうなれたらいいのになぁ」と理想を仰ぎ、
それと現実の自分との乖離に落胆することは多々あります。
それでも、自分にできる何かを見つけて、その道を信じて努力すれば、
道はいつか開けるのかもしれない、と勇気づけられるような気がしました。
三橋は榛名になれない。田島も花井にはなれない。
問題はそこじゃない。って、つまり、自分なりの長所を活かすってことじゃないのかな、と。

それともう一つ。
三橋くんはもともと”ストレート”だと思って自己流で”まっすぐ”を投げていたので、
正しいバックスピンのストレートを習得してしまうと、
今までの”まっすぐ”の投げ方に影響を及ぼしてしまい、
投げられなくなる、あるいは、球質(予想より落ちない)が変わってしまうのでは?
という不安も私は感じていました。
ちょっとしたフォームや腕の振りを変えただけで、
投手がスランプに陥ったりすることも意外とありますもんね。
(とはいえ、三橋くんはワインドアップもすぐモノにしたので心配無用かな^^;?)
だから、阿部くんの主張に私は賛成でした。

●けれど、投手である榛名さんの目から見ると、
力が分散してる、130km/h後半は投げられるようになる、と見えたわけですね!?
同じく、投手経験がありそう(?)なモモカンも、
体幹が弱い、全力投球していない、とGW合宿で指摘していました。
そして阿部くんに「コントロールと変化球だけで何回戦まで行けるの?
”オレがリードしてやれば”? 阿部君は捕手をわかってないね」とも言っていた。

……ひょっとしてこの流れからいくと、ひぐち先生は、
三橋がバックスピンの投げ方を習得することで、力の分散がなくなり、
もっと速い球(130km/h台)も投げられるようになる、
そして、”まっすぐ”と”ストレート”との投げ分けもでき、新しい球種が一つ増える、
という展開にするおつもりなのかな?

三橋くんの”まっすぐ”を今後どう使っていくのか? バックスピンを練習するのか?
この問題は、実は阿部くんに対する試金石なのかもしれません。
過去の阿部くんのキャラ心理考察で、私はこう書いたことがありました。
>「頑張っているのに認めてもらえなかった」三橋くんに今までの自分の姿を重ねて、
>もらい泣きするほど感情が昂ぶり、強い共感を抱き、
>こいつの努力を、実力を周囲に認めさせてやる。そのためにオレは尽くす、と心に誓います。
(中略)
>阿部くん本人に自覚はないけど、三橋くんを自分の分身、あるいは自分の一部のように感じていて、
>「認めて欲しい」「褒めて欲しい」欲求を、自分の分まで含めて満たしてやりたいんでしょう。
(中略)
>「三橋のために」と阿部くん本人は思ってるかもしれないけど、
>実は無意識に「自分自身のため」の要素が大きいのかも。
>つまり「他者愛」よりも「自己愛」の方が強いような気がします、今の段階では。
>(まぁ、15歳ならそれが普通か)


あれから4ヶ月を経た今、三橋は捕手として自分を厚く信頼してくれていて、
武蔵野戦でスムーズに意思疎通したり、首を振ったりできるようになり、
バッテリー関係は良くなってきている。
そんな中、榛名が自分と反する意見である「バックスピン」を勧め、三橋もやりたがっている。
自分よりも他人のほうが三橋の真価を見抜き、より良いアドバイスをしてやれるのかもしれない。

この状況で、ほんとうに「三橋のため」を思って、自分と反する意見を受け入れられるのか?
「オレがリードしてやれば」ではなく、三橋自身の可能性をもっと拓く方向へ後押ししてあげられるか?
……っていう、自己愛から他者愛への選択を阿部くんは試されてるんですかねぇ、もしかして?
そもそも、バックスピンが三橋くんにとって吉と出るか凶と出るか、まだ分かりませんが^^;。

●と言いつつ、今の阿部くんも相当「三橋のため」を考えてくれるようになったなぁ、
と彼の成長にワタクシ嬉し泣きしております。
当初の阿部くんだったら「お前にバックスピンは必要ねェんだよ。まっすぐを投げてりゃいーんだ!
オレのリードでホントのエースにしてやるんだから」とか頭ごなしに言っていたでしょうね。

でも、バッテリーでじっくり話し合おうと、わざわざ練習後に家まで連れてきて、
三橋くんが分かるように自分の考えを言葉を尽くして説明して、
さらに思わずハルナへの嫉妬で感情的になりかけても、すぐに自制して、
三橋に納得してもらうために「榛名に真意を聞いてやる」と電話まで掛ける。
投手想いのイイ女房役だよぉお~~(T◇T)! 三橋くん、愛されてんねぇ!


ということで、今回からサブタイトルが「まっすぐ」となりましたが、
アベミハバッテリーがこの球にどう向き合っていくのか? が、
今後しばらくストーリーの軸になりそうですね。


次号は連載100回記念ですよ♪
アフタ巻末の次号予告には、
連載100回達成! 表紙&特集記事つき!!
最新単行本第21巻、絶賛発売中!
そして次号は連載100回!
西浦高校野球部の軌跡を振り返る特集記事や、読者の質問にひぐちさんが答えるコーナーも!」

漫画掲載ページのラストにも、
「次回表紙&連載100回記念お祭りをこぢんまりやります!!」
との告知がありますよ。
来月号のアフタヌーンも必ず購入せねば♪
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