4月25日発売の月刊アフタヌーン2013年6月号掲載、
「おおきく振りかぶって」第99回「まっすぐ」の感想です。

前回の感想はこちら→アフタヌーン13年4月号 おお振り感想(1)
過去のおお振り感想はこちら→カテゴリー「おお振り感想」


※野球素人ファンの腐女子によるネタバレ感想です。
やや辛口感想です。
原作を純粋にお好きな方、腐女子の妄想や筆者の文章がお嫌いな方は、
ご不快になる恐れがありますので、以下ご覧にならないでください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、優しくご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします!










●1ページ目欄外アオリ「モモカンの説教は、いつものように絶好調! 勝ったのに!?」
ということで、西浦ナインは球場外の通路(?)でさっそく試合の反省会。
(スタンド席の下の空間というか、天井と横はコンクリートで、半分外になっている所。
試合前に榛名さんが大河先輩に悩み相談wしていたのと同様の場所)

モモカンは腰に手を当て仁王立ちで目を閉じながら、
腹の底から溜息を吐くように「今日はホンットに、打てなかったね――――え!」
「まともなヒットが5本!
得点も、1点はホームランで、5得点中3点が相手のエラーがらみ!
こちらはノーエラーだったけど。
バッテリーには反省する点があったね!」

三橋&阿部「…はい!」
さらにモモカンは、神妙な顔で立っている西浦ナイン達に、
「今日の試合は”好投手に勝った”ではなく、
”3点もらわなきゃ勝てなかった試合”ととらえるべきだよ。
あの捕手が夏まであのままでいるなんて考えないように! すなわち、
今のままじゃ次はないよ!」

西浦ナイン「――――はい!」

ナインに配るお茶を用意しつつ、近くで聞いていたお母さんズは、
西広母?「監督さん、かっこいー…」
巣山母「ねぇ」
阿部母「すごいよねぇ」
花井母「あった~~梓のホームラン♡♡」
↑しゃがみ込んでビデオ(田島くんが言っていた、多分バックネット裏で撮影していたもの)を確認中w

先月号の感想で、私は個人的な試合総括として、
>西浦は榛名投手から7安打と、思ったより打てた気がします♪
>が、(中略)「榛名の豪速球を攻略したぜー!」と胸を張って言える人は未だいないかな……?

と書きましたが、さすがモモカンさんは甘くないですねぇ。
確かに、「3点もらわなきゃ勝てなかった試合」だったと思います。
ただのモブだろうと思っていた武蔵野1年生達が、いきなり驚くほど「ツブぞろい」だったし。
三橋くんの”まっすぐ”も見切られて、連打を浴びたし。
相手チームに弱点(秋丸捕手)がなかったら、負けていた可能性大かも。

けれど、あの豪速球の榛名から、散発とはいえ7安打って、
1年生チームにしてはなかなか健闘したと思ったんだけどな……。
ちなみに、県内屈指のスラッガーを擁する強豪校で3年生中心チームの春日部市立は、
夏大準々決勝で榛名投手(8回1/3)からヒット3本でした。
それに加えて、今日の試合で榛名さんは四死球を3つほど出したから、
西浦はのべ10人ぐらい出塁したはずで、しかも秋丸捕手が送球ダメダメで、
モモカンも試合前に「その不安、的中させてあげようね……!」と弱点秋丸を突こうとほくそ笑んでいた。
なのに、わずか5得点。効率が悪い。
……数字から見るに、采配にも多少問題があったんじゃないかなぁ……?
とプロ野球かぶれの私は一瞬思っちゃいましたすみませんすみませんほんますみません!

なんとなく、この試合はモモカンが「仕掛ける」「采配を振るう」シーンがあまり印象になかったような。
三星戦は、西浦の各選手の技量や特徴を見る試合だったからいいとして、
桐青戦は、相手監督との読み合いに勝って裏をかいたし。
崎玉戦は、4番敬遠+コールド勝ちという戦略に沿って攻め、同時に花井くんにプレッシャーもかけてたし。
美丞大狭山戦は、予想外のハプニングにも、その都度すばやく対応していたし。
関西の桃李戦も、明確な目的(控え捕手の育成や打順組み替えの検証)があったし。
でも、この武蔵野第一戦のモモカンの采配で印象に残っているのは、
ランナーが出たら定番どおり二盗やバント(待球も含め)のサインと、
「三盗はさすがに確率が低い」から、打てのサイン。(が、田島と阿部は無視して三盗)
(↑個人的意見ですが、榛名は左投手で三塁に背を向ける+秋丸の送球なら、三盗もイケたような…)
あとは、アベミハバッテリーに内角攻め禁止! と怒ったことぐらいかな。
もっともっと足で掻き回すのかな~と思っていたのに、意外とそうでもなかった気が。

それと、「榛名の球を打てない」のは試合前からある程度予想できたことだと思うんですよ。
榛名は県下に名立たる豪速球投手で、140km/h台後半の球を投げる。
対して、西浦ナインはまだ体も成長過程で筋力が少ない。
学校にあるピッチングマシーンは最速140km/hしか出ず、
速球に慣れる練習といっても、バッピが至近距離から投げるぐらいしかできない。
あとは球児達の自発的な練習(久喜のバッセンに行く)に頼るのみ?
じゃあ、今の西浦の実力ではなかなか打てない榛名をどうやって攻略するのか?
例えば、高目の球は捨てろ、とか、ファーストストライクまでは見ろ、とか、スライダーを狙え、とか。
チーム全体で意思統一して打席に立つ、みたいな指示やアドバイスを、モモカンは与えたのかな?
バッティングは全て各打者任せだったのかしら?

難攻不落の壁(榛名)と穴(秋丸)を併せもつこの対戦相手こそ、
監督の手腕の見せどころな試合になるかと期待していたので、なんだかちょっぴり物足りない……。
ま、モモカンが勝っても厳しい叱責をしたのは、
あと2年しかないのに、甲子園優勝を目指すチームが、
全国でB+ランク(ARC監督談)の榛名を打てない今のままじゃ話にならない、
危機感を持ってさらに練習しないと! とハッパをかけたかったのでしょうね。

ところで、花井きく江さんっ!!
梓の初HRビデオを私にもダビングしてくださいっ!!!

●反省会が終わり、その場でユニフォームから練習着に着替える西浦ナイン。
生 着 替 え キタ――――!!(はいはい通報通報)
いくら屋根の下とはいえ、外から丸見えだよ出血大サービスだよおとっつぁん!←
栄口・花井・泉が「回 浅いほうが打ちやすかった」「最終回一番速かったんじゃね?」と話しながら生着替え
さらに、田島・三橋、阿部・水谷・沖でまとまって生着替え中vv
田島「バッテリーの反省する点てなんだ?」
三橋「あの、榛名さんに、コースが…」
田島「4回のアレか!」「榛名よけてたもんなァ」
三橋くんはビクーッと竦んで、「ね、らって、ないよ!」
しかし、田島くん曰く、
コントロールミスじゃなくあのコースは、狙ってんのと同じやばさ。
当てるつもりじゃなかったと言っても通用しない。もうやったらダメ。
阿部はけっこう勝てばいいってとこがある。それはダメ!
野球のルールはがんじがらめで細かいけど、穴はある。
穴を突くのはいいけど、勝ちだけを目指して穴こじ開けるようなのはダメ。
正々堂々の基準も(時代によって)変化するんだろうけど、
バレなきゃいいとかケガさせるのはダメ。野球が面白くなくなる。
田島「阿部が行き過ぎたら、お前が判断して止めなきゃだぞ!」
三橋「オ、そ、うん、そーだった。オレが、だ!」

●田島くん、生着替えの4ページで5度も「ダメ」を言ってますねぇ。
かなり強く苦言を呈したいようです。
田島くんの主張に、私も概ね同意です。
……最初の2行(コントロールミスじゃなく~通用しない)を除いては。
勝利至上主義になって、”ルールに書かれていないから”と怪我させることも厭わないプレーをするのは、
ダメ! と私も思います。
特に、未来のある若い高校球児が後遺症の残るような怪我をしないよう未然に防ぐべき。

リアル高校野球で記憶に新しいところだと、今年(2013年)春のセンバツは、
9回最後のアウトが「守備妨害」を宣告されゲームセットとなった試合が2つありました。
1つは、史上初の3季連続優勝を目指した強豪校が、本塁クロスプレーで捕手に体当たりし、
守備妨害を宣告されてアウトとなり敗退。
センバツ:幕切れは守備妨害 3連覇目指した大阪桐蔭(毎日新聞3月30日付)
もう1つは、準決勝戦9回1死一塁で、一塁走者がスライディングで二塁手の体勢を崩し、併殺を防いだことが
守備妨害とみなされアウト2つで試合終了。
守備妨害で敦賀気比監督に厳重注意/センバツ(サンスポ4月2日付)
どちらのプレーも、プロ野球ではよく見かけるシーンです。
外国人助っ人のプロレス並みの激しい体当たりで吹っ飛ばされ、数ヶ月治療した捕手もいます。
2009年WBCで、二塁への厳しいスライディングでゲッツー崩しをしたシーンもありました。
しかし、アマ内規には「危険防止ラフプレー禁止ルール」があり、
攻撃側の選手が落球させよう触塁しようとして、故意に体当たりしたり乱暴に接触することを禁じています。
……実は、この内規が加えられたきっかけは、昨夏の高校生国際大会で、
大阪桐蔭の捕手が本塁クロスプレーでアメリカの選手にタックルされ負傷したことから。
大阪桐蔭「森ルール」偉業幻に/センバツ(日刊スポーツ3月31日付)
いずれにせよ、球児達が「勝てばいい」「バレなきゃいい」という考えに走らないよう、
自分も相手も怪我しないプレーをするのは大切だと思います。
それを改めて伝えたくて、ひぐち先生はモモカンだけでなく田島くんにも長々としゃべらせたのかも。

……だけど私、どうも腑に落ちないところがあるのです。
それが、田島くんの主張の最初の2行。
「コントロールミスじゃなくあのコースは、狙ってんのと同じやばさ」
……アフタ本誌の感想でも書きましたが、私の目にはそんなヤバいコースには見えなくて……。
ストライクゾーンから内角へボール2つ分外したコース、ですよね?
よけなくても当たらない球、ですよね?
それに、問題の2球のコマを見直しても、榛名さんの腰はちょっと引けてるけれど、
「狙ってんのと同じやばさ」「当てるつもりじゃなかったつっても通用しない」ほど危険なコースには、
私にはどうしても見えないんです……しくしくorz
21巻に収録する際、加筆修正でこのコマはもっと際どいコースに変わるかな……?
と期待していたんですが、そのままのようですね。

アフタ感想にも書きましたが、三橋くんのような球が速くない制球重視の投手は、
外角ばかりに投げていると、踏み込まれて打たれちゃう恐れも。
内角を突いて打者の体を一度起こし、外角を遠く感じさせたり、変化球への対応を遅らせたりという、
「内角攻め」は三橋くんタイプの投手の”生命線”だと私は思っていました。
内角を効果的に攻められないと、投球の幅が狭まり、勝ち進むのは難しいだろう、と。

また今年のセンバツについてですが、死球の多い大会だったな、という印象があります。
硬球が当たればめっちゃ痛いし、骨折の危険もあるので、死球はないほうがいいです、当然。
けれど、死球を出した投手達が「当たってもいい」「勝てばいい」と思って投げているようには、
私には見えなかったんですよね……。
好打者に打たれまいと、少しでも厳しいコースを攻めようとして手元が狂ったり、
緊張かプレッシャーか、コントロールが定まらなかったり。
積極的に打者の内角を攻めたことで、死球になってしまうこともありますよね。
目立った内角攻め 残念だった守備妨害 今大会総括 センバツ(産経新聞 4月3日付)

「速い球使いたい」「球筋追いにくいように」と内角の厳しいコースを突くのは、
自分の持ち球と技術を最大限生かそうとして攻めた結果だと思うんだけどな……。
それも「狙ってんのと同じやばさ」で、悪いことなのかなぁ……?
……って、この私の考え方自体が「内角攻め信仰」に毒されていて、
目先の勝利よりも怪我させないプレーが最優先! という本筋から外れてしまっているのかもorz

今回はなんかちょっと辛口な感想になってしまったな……。
ひぐち先生に反論するつもりはないんですよ~。
過去に、ひぐち先生の描かれたことに疑問を掲げた(冗談ツッコミw)ところ、
「リトル」は誤植? 「ボーイズ」の設定再変更かな?w とか)
「自分ageのために他人sage原作者sage」と辛辣に叩かれたことがあるので(T_T)、
ご不快になられた方がいらっしゃいましたら、どうかお許しを。

●田島くんの話の内容も重要でしたが、
輪をかけて重要なのが、生着替え中のポーズ!!!!
タジミハで会話しながらどんどん服を脱いでいくワケですが、
トランクス姿で↓コレとまったくおんなじポーズを……!!!(←おいwwwww)

嘘だと思うなら、是非とも今月号のアフタヌーンをご自分の目でご覧くださいっ!!
田島様も超絶美脚写真集を出しちゃえばいいよのそーよそーよ!!


あ、田島と三橋の生着替え(もうダマレ)はまだあと2ページ残ってます。
この2ページの田島くんの独白がワタシ的にはハナタジ萌えの嵐だったので、
日を改めて、後編の感想で書きます♪
あと、今月号のアフタ後半は、アベミハ萌えの嵐だったので、
こっちも張り切って書きますね!


続きの感想はこちらです→アフタヌーン13年6月号 おお振り感想(2)
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