浦和学院vs済美

昨日甲子園球場で行われた、第85回選抜高校野球大会決勝は、
浦和学院(埼玉)が17-1で済美(愛媛)に勝ち、
創部35年、春夏通じ20度目の挑戦で、初の優勝を飾りました。
埼玉県勢の優勝は1968年以来、45年ぶり!

浦学悲願の初V!猛打爆発で17点圧勝(デイリースポーツ4月4日付)

浦学ナイン、学校関係者、そして埼玉の皆様、おめでとうございます!



「甲子園で勝てない」と言われてきた埼玉県勢の悲願の優勝に、
おお振りの作者ひぐちアサ先生も、さぞやお喜びでしょう!
けれど、漫画の取材で訪れた対戦校にも思い入れがあったかもしれないし、
心中複雑だったかも……?
私も両校どちらも応援していたので、
勝って嬉しい&負けて残念、という複雑な気持ちです。
……それよりなにより、決勝戦を準備万端に録画予約して、
仕事に行って自宅に帰ってきて、さあ見よう♪ とウキウキしながらテレビつけたら、
録画失敗していた時の落胆ときたらもう……orz

気を取り直して。
浦和学院の強力打線は、ホントにハンパなかったですね!
決勝では18安打で全員得点を挙げ、今大会3度目の2桁得点。
4番の高田涼太選手は、準決勝まで3試合連続本塁打!
決勝であと1本HRが出たら、清原さんや松井秀喜さんを抜いてセンバツ記録更新でしたが、
大振りすることなく「繋ぐ野球」に徹する姿勢に感服しました。

浦和学院といえば、「おおきく振りかぶって」の某強豪校のモデル校? と
一部ファンの間で憶測されている学校ですよねw
スポーツ新聞で報じられている記事によれば、
浦学21年ぶり4強の陰に“隔離生活”(東スポ4月1日付)←↓ソースがアレですが^^;
ももクロ見たことなかった!?浦和学院ナイン(東スポ4月4日付)

・レギュラーのほとんどが厳しい規律の下で寮生活。
・寮生は休日以外は外出禁止。
 外出時は校名ロゴが入ったジャージーか制服を着用、学校カバンを持参。
(坊主頭+学校ロゴで、すぐに「浦学の野球部」とバレてしまうらしい)
・朝昼晩、3食の白飯の量が決められている。
 朝650g、昼500g+丼と麺、夜800gが最低量。
・カップ麺、甘いもの、果汁100%以外のジュース、炭酸飲料はダメ。
・夕食後、野球日誌を書き終わると、10分間だけの“ケータイタイム”。
(普段は携帯電話を寮に預けていて、↑この時間だけ家などに連絡OK)
・冬場は1日2000スイングがノルマ。
・部員全員が同じ“野球部だけのクラス”に所属。
1、2年生は一般生徒と校舎も別棟。
授業中、コーチなどが廊下を見回りに来て、寝ていると後で怒られる。
3年生になると一般生徒と同じ棟に。
でも隔離生活で話が合わなくなり、一般生徒とは挨拶程度。女子と話すのもNG。
・食事時のみテレビを見られるが、NHKかスポーツニュースのみ。
・アイドルや流行歌は当然知らないけれど、ももクロの歌だけは全部覚えている。
昨秋から寮の食堂で食事時に毎日、ももクロのCD(※寮職員の趣味)がかけられていたので。
但し、映像を見たことがないのでどんな格好をしているのか知らない。

いやぁ~、高校生活のほとんどすべての時間を野球に捧げているんですね……!
ゴミ拾いのボランティアをしたり、被災地の石巻市に炊き出しに行ったりもしたそうで、
真面目に頑張っている彼らの努力が実を結び、ひのき舞台に立てて本当に良かったなvv


一方、惜しくも準優勝の済美高校は、
9年前のセンバツ初出場初優勝(!)以来、春の甲子園では10戦9勝。
済美の新2年生、”エースで4番”の安楽智大投手は、
名実ともに今大会No.1ピッチャーだったと思います。

初戦の広陵戦で最速152km/hを叩き出し、延長13回232球を投げ、
その後も4戦連続の先発完投で、準々決勝からは3日連続の完投。
決勝戦は6回まででしたが、
5戦でなんと計772球を投げ抜きました!

済美の怪物・安楽3連投772球で力尽く…上甲監督「もう無理するな」(デイリースポーツ4月4日付)
済美・安楽 夏は「3、4連投しても150キロを出したい」(スポニチ4月5日付)

済美高校「エースの5連投」に異議 投手生命絶たれる危険がある(J-CASTニュース4月3日付)

安楽投手の超人的な連投と投球数に、巷で議論が白熱していましたね。
「連投で何百球も投げたら、肩や肘を故障してしまう」
「高校野球は”教育の一環”なのだから、成長途上の球児の体を守れ」
「”エース力投”と美談にするマスコミは問題意識が欠けている」
「問題を長年放置する高野連が怠慢」「指導者の判断力が必要」
「球数制限を導入しろ」「決勝前日に1日休養日を入れろ」「出場選手登録を増やせ」「甲子園は準々決勝あたりからにしろ」
あるいは逆に、「本人が熱望してきた”甲子園”の夢を、他人がとやかく言って制限するな」
「センバツや夏の甲子園は、学業が春休み・夏休み中に行われ、
甲子園球場を使用できる期間がプロとの兼ね合いで限られるし、
遠隔地から応援にかけつける地元ファンを考慮すると、
どうしても大会開催期間が短期になってしまう」
「制限すると、控え投手が少ないチーム(公立校や部員の少ない学校)は勝てなくなって、
私立強豪校ばかりが甲子園に出られるようになってしまう」

私には、どれもこれも頷ける意見で、どうするのがベストなのか、
正直言って自分の中で答えは出せずにいます。
高校球児達の未来ある成長過程の体と、
憧れの甲子園で一秒でも長くプレーして完全燃焼したいと望む心、
心身ともに悔いの残らぬよう、大人達が守ってあげる仕組みが整備されれば、と願います。

漫画のキャラに喩えると眉をひそめる方もおられるでしょうけれど、
3連投で772球を投げ、滅多打ちにあって7失点してもなお続投を志願し、次の回を抑え、
監督から「体を大事にしよう。もう無理するな」と降板を告げられて、泣きじゃくって……。
試合後には「抑えられなかったのは自分の力不足」「夏は3、4連投しても150km/hを出したい」
と語った安楽くんは、
おお振りの三橋廉投手と同じく、マウンドに立ってずっと投げていたい、
まさに「ピッチャーという生き物」なのだろうな、と尊敬の念を抱きました。

浦和学院も済美も、夏にまた甲子園に帰ってきてほしいですね!
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