アフタヌーン13年1月号 おお振り感想(2)

月刊アフタヌーン2013年1月号掲載「おおきく振りかぶって」の感想、後編です。

今月の感想前編はこちら→アフタヌーン13年1月号 おお振り感想(1)
過去のおお振り感想はこちら→カテゴリー「おお振り感想」


※野球ファン歴6年(ニワカ)の腐女子によるネタバレ感想です。
セリフなど一部省略している部分もあります。
原作を純粋にお好きな方、腐女子の妄想や筆者の文章がお嫌いな方は、
ご不快になる恐れがありますので、以下ご覧にならないでください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、優しくご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします!








●西浦1点リードで迎えた8回表、武蔵野第一の攻撃中。
2死一塁で、打席には4番の榛名。
モモカンも言うとおり「ここが今日のヤマバ」!

榛名(清水が打った。秋丸の目が正しいのか。――だとしたら、
  そんなもんを自信もって投げんのは、無理だ)

マウンドの三橋くんを見ながら、
榛名(高目きてみろ。スカッと飛ばして、なけなしの自信をフッ飛ばしてやんぜ)
ペロと舌舐めずりして、ハルナサンてば超攻め様顔~~wwww
対する受け子達…ゲフンゲフン! 西浦バッテリーは、
阿部(”まっすぐ”は釣り球として使って変化球打たせる。
  全力投球でなく、角々、丁寧についていこう)
と方針転換。
1球目、外高目シュートを、榛名さん豪快に空振り。

榛名(シュートか。振っちった。まーいーや、ストレートもどきを打つことが目的じゃねェんだ)
阿部(でかいの狙ってんのか。高目は要注意だ)
榛名(高目を待って、低目なら欲ばんねェで転がしてこ。藤巻は打ってんし)
三橋(力じゃ抑えこめない。かわせ!)
2球目、”まっすぐ”に、榛名(もどき!) 待ってましたとばかりのジャストミート!
鋭い打球が三橋くんの頭上を越え、センター泉くんも越えてフェンス際まで届く大きな当たり。
武蔵野ランナー清水くんがホームに帰って、同点!
打った榛名さんは三塁に滑り込み、スリーベースヒット!
榛名(これでもどき2安打だぜ。どーよ!)とマウンドの三橋くんを攻め様顔で見ます。

●西浦投手の決め球”まっすぐ”を攻略して2連続安打。
同点に追いついて「ナイバッチー!!」「まだいくぞ!!」と意気上がる武蔵野側。
その歓声の中、呆然自失でマウンドに立ち尽くす三橋くん。
彼の脳裏に蘇っていたのは、
叶くんの物言いたげな顔。畠くんら三星のチームメイトの憎々しげな冷たい視線。
練習試合のスコアボード(5回表の時点で、三星6-13凌都、三星は毎回失点)。
そして、ベンチ内に集まっている三星メンバー達と、
遠く離れた場所で投球練習(?)中の三橋くんのグラブとボール……。

西広「おつかれ!」
その声で三橋くんがハッと我に返ると、
自分の周囲には西浦内野陣と伝令の西広くん、計6名が集まっていました。
三橋くんはドキドキドキドキと嫌な緊張で鼓動が速まっています。
阿部「打たれたな」
ドキィと身を竦ませ、目を見開く三橋くん。
過去のトラウマを思い出して、「打たれた」ことを責められる、
お前の球は通用しないとなじられる、と脅えたのでしょう。しかし。
阿部「連続でライナー性の当たりされたからにゃ”まっすぐ”の使い方考えなきゃなんねぇ」
「ンク」と小さく唾を飲む三橋くん。
田島「打たせろよ。2死だぜ!」
「そうだよ。三振いらないよ」
栄口「三橋、うしろいるからな!」
パンッとお尻を軽く叩いて励まされ、コクッコクッと頷く三橋くん。
西広「次はうち1番からだ。同点で切ろう!」
(↑打順1番からだとクリーンナップまで回って、また逆転できる! ということ)
そして最後はみんなで「サードランナー!」
西浦7名でじいっと三塁上の榛名さんをガン見www
注目を集めた榛名さんはドキッとして(え。オレの話してたのか!?)と冷や汗(笑)。
↑この「サードランナー」ガン見された相手チーム選手のキョドリがいつ見ても楽しいw

各ポジションへバラバラと戻っていく西浦内野陣。
一人、マウンドに残ったピッチャーは。
三橋(打たれた。オレの”まっすぐ”。
  阿部君がリードいっぱい工夫して、ごまかし続けてくれたけど。
  やっぱりこれが、オレのホントの姿だ。
  オレは、わかってた。
  カントクもみんなも、こういう日が来ることはわかってたはずだ。
  でも、オレがエースだ。勝つ気で投げる!)

うおおお~、カッケ――――!!!
決意を目に宿して、マウンドに佇むその姿。まさしく「エース」!

かたや、ホームベースへと戻ってきた女房役は。
阿部(桐青にも美丞にもなんとか最後まで通用した球だ。
  武蔵野に打たれるとは正直思ってなかった。
  だけど、勝ち上がれば当然同じとことやることだってある。
  遅かれ早かれこういう日は来たんだ。
  こっからが、捕手の見せ場だろ!)

こっちもカッケ――――!!!


●思い返せば、部活初日(原作1巻冒頭)、阿部くん自身がみんなに言ったとおり、
三橋くんの”まっすぐ”は、「慣れれば打てる」球。
けれど、「慣れさせない投球ができる」。
それは、多彩な変化球を驚異の9分割コントロールで投げられる三橋くんの技術があり、
打者の狙いを読み、慣れさせないような組み立てができる阿部くんのリードがあるから。

過去の対戦相手が、三橋くんの”まっすぐ”にどう対応していたかを振り返ると、
三星は、
三橋くんの球をサンザン打っていて、球筋も覚えているが、
完全に三橋をなめていたのと、阿部捕手が狙い球を読んで打たせない配球をしたので、
凡打の山で負け。
しかし、畠くんは”まっすぐ”をホームランにし、叶くんも”まっすぐ”をヒット。
桐青は、
序盤は「カーブが決め球」と考え、カーブ狙いで振っていたが、
捕手の和さんが4回あたりで”まっすぐ”に違和感を覚えた。
7回あたりから西浦バッテリーの組み立てが”まっすぐ”を軸に変わり、
「”まっすぐ”が決め球」と気づいた。
7回の慎吾さんの打席で球筋を調べ、8回から”まっすぐ”に狙いを定めて、
「カーブをカットするつもりで(by和さん)」「予想より上(でミートするby慎吾さん)」
と攻略法を工夫したけれど、時既に遅しで敗れ去った。
崎玉は、
”まっすぐ”の特異性に気づく以前に、リードに翻弄されて敗退。
大地くんのみが最終回に真剣勝負の”まっすぐ”をあわやホームランまで打ち返せた。
美丞大狭山は、
事前に桐青から西浦データを入手して準備万端。
”まっすぐ”はクセ球、投手は首を振らず捕手の言いなり、
だから捕手のリード傾向を分析して「ゆるい変化球を狙う」と戦略を立てた。
阿部捕手の怪我や、モモカンのサイン解析もあり、西浦に勝利。
けれど、”まっすぐ”自体は悉く打ち上げてしまい、
7回に川島公くんがセーフティバントを、
9回に2番川島くんが本日9球目でようやくバントを成功しただけで、
攻略はできていなかった。
桃李は、
三橋くんは5回までの投球だったが、
3回4回に田島くんが「ガンガンまっすぐ勝負」で抑え、
”まっすぐ”に不自然さを感じていたものの、打てた人はいなかった。

こうして見ると、桐青は攻略まであと一歩のところまで至ったけれど、
他チームは、1試合の中では”まっすぐ”を攻略できなかった。
唯一、「打ち慣れている」三星には”まっすぐ”の目くらましは通用しないが、
「内の後の外、変化球の後の速球」「対角線のリード」の制球力+リードで封じ込めた。

今回、武蔵野に初めて1試合の中で”まっすぐ”を見切られ、
西浦バッテリーの大きな武器が効力をなくしてしまいました。
しかし、三星と対戦した時のように、
もう一つの武器=三橋くんの制球力+阿部くんのリードで、
あとアウト4つを取っていくことになりそうですね。
……でも、三星1年生と違い(?)武蔵野1年生は「粒揃い」らしいので、
「対角線のリード」などが上手く効くのかちょっと心配……。

だけど、今こそ頭脳派捕手の腕の見せどころ!
同じ三橋投手でも、田島捕手や花井捕手の時は結構点を取られていたことだし、
ここはひとつ初心に帰って、往年の(原作1~2巻三星戦)…名セリフの数々、
「(三橋が)欲しい!!」
「三橋だってオレと組んだほうがいいハズなんだ!」
「元チームメイト達よりも、オレを選ばせてやるぜ!!」
「オレといればいくらでも気持ちよさを味わわせてやるぞ」
「お前の力を引き出してやれるのは、オレだからな!!」
「勝利の気持ちよさにさからえる投手はいねェんだ!」

を再び口走る勢いでもって(笑)、他の捕手との差を見せつけちゃってくださいよ!
「こいつはこれからどんな打者にも勝てる投手になるよ」
部活初日のこの宣言を、有言実行するチャンスだよっ、阿部くん!

●一方の三橋くん。
榛名さんが”まっすぐ”をジャストミートして前打者に続く連打を浴びせたのは、
相手投手を精神的に打ちのめす、これ以上なく効果的な攻め方。
ピッチャーが自分の「決め球」を続けてクリーンヒットされれば、
自信を粉砕されて、そこからガタガタ崩れても不思議ではない。大ピンチです。
例えば、榛名さんが春日部市立戦10回裏(原作17巻)に、
航先輩にサイッコーのホームランを打たれた時も、捕手の町田さんは
「お前の決め球を、オレが高橋に打たせてしまったんだ」と激しく悔み、
「お前が投げてて負けるわけねーと思ってる」と
榛名さんの自尊心をきっもちよーくする言葉(笑)でフォローしていましたねw

ましてや三橋くんの決め球”まっすぐ”は、ただの遅いクセ球。
「そんなもんを自信もって投げんのは、無理だ」という榛名さんの言葉どおり、
三橋くん自身も、三星にいた頃は”まっすぐ”=打たれる球、と思っていたし、
桐青戦9回裏(原作8巻)では勝利へのプレッシャーで、
「阿部君は、オレのまっすぐがどれだけ打たれてきたか知らない」
「もう打たれる!」「まっすぐは怖い…っ」と、
絶対君主(笑)阿部くんのサインに頷くことを初めて躊躇した程でした。

だけど今の三橋くんは、「どーよ!」とほくそ笑む榛名さんの意図に反し、
「怖い」「打たれる」と脅えてもいないし、自信をフッ飛ばされてもいません。
”まっすぐ”は特別な魔球ではなく、「慣れれば打てる球」だと、
三橋くん自身もわかっていたし、監督もみんなもわかっていたから。
そして、”まっすぐ”を打たれても、三星のチームメイト達のような憎悪の視線はなく、
西浦のバックみんなで三橋を助けよう、盛り立てようとしてくれているから。
今月号、マウンド上で三星時代を思い出すところから「オレがエースだ」までの6ページは、
胸がじ――んと熱くなるものがありました。

これまで三橋くんは、相手チームに打ち込まれて崩れそうになった場面が4度ありました。
三星戦では「オレのせいでチームが負ける」
「だけど投げなくちゃ! ここは投げる人間の立つ場所なんだから!」、
桐青戦では「怖い」けど「ここを誰にもゆずりたくない!」
「オレがこのまま投げてたら、みんなも負ける。それでもマウンド降りたくない」
と「マウンド譲ったら自分が居なくなっちゃう」という強迫観念で、踏ん張っていました。
美丞戦では「オレがみんなを落ちつかせられる。オレが大丈夫ならみんなが大丈夫」
「オレが、エースなんだ!」と初めてエースの自覚で前向きに立ち直りました。
そして4度目の今回は、「オレがエースだ。勝つ気で投げる!
決め球を攻略された直後だろうが、相手があのハルナサン率いる強敵だろうが、
「勝つ!」と強い矜持をもって堂々とマウンドに立っている。
これぞ「エースの品格」!(byノムさんw)
三橋くんはホントに心が強いなぁ。恐らくおお振り界最強のハートじゃないかな?w
エースに最も必要なものって、豪速球やキレのある変化球やコントロールやスタミナetc.以上に、
挫けない心の強さ、勝利への執着心、チームを引っ張る気迫、なのかもしれないなぁ……と感じた次第。


●ウダウダ長くなりましたが、さあ、8回表、2死三塁で5番藤巻。
藤巻(ここで逆転しておきたい。何が来ても打つ!)
藤巻くんは前の打席で、内角低目足元に外したボール球のスライダーを、
無理矢理すくってツーベースヒットにし、そこから1点に繋がりました。
中学時代はエースで4番だったし(今も控え投手)、見かけによらず足も速い。
そして、バント失敗した永井くん達とは違って、
秋丸先輩の解説した三橋の”まっすぐ”のカラクリを充分に理解しています。

最後のページの欄外アオリは、
「これがオレのホントの姿」だとしても、反省も後悔も、試合が終わってから。今は全力で投げるだけ!」
ラストのコマの次号予告的な短いアオリは、
「試合終了まで、アウト4つ。まずは前打席ヒットの藤巻を抑え込むぞ!」
ここで藤巻くんがヒットを打って、西浦はついに点差をひっくり返されてしまうのか!?
それとも阿部と三橋のバッテリーが藤巻を抑えるのか!?
次号、乞うご期待!

●で、以下、私の独断と偏見に満ちた何の根拠もない今後の展開予想~(笑)。
・この8回表は、同点のまま終わるんじゃないかなー?
・あとアウト4つ。その間に、
 阿部くんのサインに初めて首を振る三橋くんの姿が見られそうなヨカーン?
・8回裏、田島様のご活躍で西浦が得点するよーな気がする……とお告げが!(←誰から^^;?)
・さらに8回裏、花井の三振or凡退でスリーアウトになるよーな(ry(←予定調和w)
・そして、この試合の最後の打者は、秋丸くんなんじゃないかしらん?
 美丞戦の最後の打者だった西広くんのように、
 秋丸くんは己の実力不足に悔しさを噛み締めながら敗退するんじゃないかな?
 その悔しさから、心を入れ替えて秋冬春と練習に打ち込み、
 そして、来年夏大で再び西浦とあいまみえる……とか、どーですかお客さん!?(誰)
さて、これら何の根拠もない無責任予想のうち、いくつ当たるのやら?(苦笑)
当たるも八卦、当たらぬも八卦w
そしてそして、もうあと1~2イニングしか残っていないから望み薄だろうけれど、
水谷くんとか泉くんとか巣山くんとか栄口くんとか沖くんとか西広くんとか
もっと、で、出番、を……っ!(T-T)
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