おおきく振りかぶって20巻感想(2)

「おおきく振りかぶって」第20巻の感想・後編です。
ちなみに、前編はこちら→おおきく振りかぶって20巻感想(1)


20巻の収録内容については、
約2年前の月刊アフタヌーン発売当時に、詳細な感想を書いていますので、
よろしければ下記リンク先もご覧ください。
アフタ10年9月号
アフタ10年10月号
アフタ10年11月号(1)
アフタ10年11月号(2)
アフタ10年12月号
アフタ11年1月号(1)
アフタ11年1月号(2)
アフタ11年2月号(1)
アフタ11年2月号(2)

※野球ファン歴6年(ニワカ)の腐女子によるネタバレ感想です。
原作を純粋にお好きな方、腐女子の妄想や筆者の文章がお嫌いな方は、
ご不快になる恐れがありますので、ご覧にならないでください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、優しくご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします!







●アフタ連載時→単行本化で加筆・修正された箇所
初稿(アフタ連載時)から背景なども細かく丁寧に描かれていたので、
20巻の加筆・修正はこれまでほどは多くないようです。
以下は、いくつか目についた主な修正箇所。

・P.8プレハブ部室に入ってきた西浦との初対面で、
「ち――す!」「ちわっすー」と挨拶していた波里選手達が、
単行本では「おはようございます!」「おはようございます!」と挨拶。
私はいかにも球児らしい「ちーす」「あーっす」「したっ」も好きですが、
この波里のきちんとした挨拶も”文武両道”って感じで好きですvv

・アフタで疑問に思った、練習試合の順番がやっぱり変更になってましたw
桃李が第1・第2試合→第1・第3試合、に。
西浦と泰然が第1・第3試合→第1・第2試合、に。
つまり、
第1試合 西浦vs桃李(桃李vs泰然)
第2試合 西浦vs波里(波里vs泰然)
第3試合 桃李vs波里(桃李vs波里)
※()は泰然グラウンドでのAチームの試合
それにしても、「桃李は第3試合の間に晩メシの準備や!」って、
桃李Bチームは波里と試合中なのに^^;?
そんなに控え選手がいっぱいいるのか。

・桃李の2年生投手・大塚元浩先輩の目が、なぜか黒から白ぬきに。
・桃李野球部のアイドル(違w)男子マネの名前は、
「寿治(としはる)」くんではなく「寿浩(としひろ)」くんに統一。
・「三塁コーチャー」→「三塁ランコー」に。
改めて20巻を通して読むと、
阿部くんてば西広くんに「ランコー!」って注意されすぎ(笑)。
悉く三橋と話している時ばかりww どんだけ一緒にいたいんだw

・P.211「赤石」→「明石」(軟式野球の全国大会の地)にちゃんと修正されてました。(ホッw)
・祥真くんが泣きながら肩冷やしてる背後の机に、プロテインがいっぱい増。
・田島くんのソバカスがなかった部分に描き足し。
・アイシングをしに行った三橋くんの背中(ベルト)に挟んだ帽子が描き足し。
このベルトに帽子を挟んでいる球児の後ろ姿が、個人的に好きですvv


●20巻を通して読んだ感想
20巻の本編内容の感想は、アフタ連載時にほとんど書き尽しています。
冒頭のリンク先にお目を通していただけると幸いです。
以下、1冊通して読んで感じたこと。

・”高校野球激戦区”の強豪校
埼玉県内とはまた違った激しい競争地域にあるチームなので、
それぞれ独特なチームの詳細が見られて、興味深い内容でしたね~。

桃李は、兵庫でベスト4の強豪だけあって、
毎日、気合いの入った声出しやハードな筋トレがあり、
チーム内で情報を伝達し合ったり、ミスをヤジったり、罰が設けられたり。
守備面でも、ワンバウンドで捕球して併殺を狙ったり、
トリックプレーで走者を狭殺したりと、緊張感のある良いチームです。
けれど、あと一歩のところで細かいミスが出たりして(Bチームだからかも?)、
そこが兵庫県大会で優勝から遠ざかっている理由かな~? と感じました。

波里は、頭の良い子が多い”エリート校”な校風が出ていて、
挨拶もきちんと丁寧だし、試合中の声援もとても元気で前向きで、
”優等生”な雰囲気のチームですね。
今回の合同練習4校中、試合に全勝していることからも、
1~2年後に愛媛県代表になる可能性も高いのかな?

それぞれの県でトップクラスのチームだけあって、
練習内容も密度が濃いし、意識も高いし、
西浦とのレベルの差を見せつけられた、という気がします。
それに、今回の合同練習に参加して、
先輩達から経験に裏打ちされた様々なアドバイスを貰えたのも、
先輩のいない西浦にとっては、非常に大きな収穫だったと思います。
「あと2年しかない」高校野球の貴重な時間、
これから西浦野球部はますます充実した練習に励むことができるでしょう。

・田島くんの捕手の資質
走攻守全てに秀でた”野球の申し子”田島悠一郎。
特殊な専門職である捕手も、最初から「イキナリある程度こなせちゃ」いました。
本人も「捕手に目覚めそう」とワクワクしていたけれど、
20巻を読んで私が感じたのは「う~ん、田島くんは捕手向きの性格じゃないかも」。
モモカンから、三橋の球がどのくらい通用するか確かめる配球を、と言われて、
まずは、どのボールカウントで打者が手を出すか?

「思惑通りカウント進むわけねーよな」
「もっと打者のことを考えなきゃ」と反省。

と思いきや、「1回やってみたかったんだ」と「ガンガンまっすぐ勝負」(苦笑)。

「強豪校は対応が早い」と変化球も交えることに。

5回で早くも三橋のピッチングに桃李が対応し始め、「終盤のピンチみたい」に。
「三橋の球は安易にストライク取りにいっちゃダメだ」
「ボール球でも打たれる」
打者のタイプ・調子・狙い読んで、その裏をかいた配球しないと。

田島くんのリードの根拠は、天才田島様の”打者目線”で、
「やってみたい」を優先させた、行き当たりばったりな配球でした。
目の良い田島くんなら球も「見えてる」し、「どんな球でも打てる」。
凡人の打者視点がいまいち解らないのかもしれません。
今打席に立っている打者を分析・観察して、狙い球を探らないと。
とはいえ、今回は三橋の球がどのくらい通用するか試行錯誤していたので、
田島くんに「今のリードがオレの実力と思うなよ!」と怒られそうですが^^;。

田島くんよりもっと捕手向きじゃないのが、花井くん(笑)。
同じコース・球種を続けられなかったり、「リードに幅がない」と貶されても素直に頷いたり(苦笑)。
いろんな面でもっとズルさが欲しい、と監督に思われる程w
だがそこがいい!(笑)

というか、改めて三橋くんは扱いの難しい投手なんだなーと再確認しました。
球威がない、コントロールは抜群、まっすぐが特殊、という特徴を最大限活かすには、
阿部くんのような、配球オタクで「性格悪い(by和さん)」捕手がやっぱ合ってるんですね~vv

・てなわけで、アベミハでは、
「投手としてじゃなくても」のフラッシュバックの落雷に打たれ、
「阿部君に、投げなきゃ…!」恋に目覚めて駆け出す三橋くんに萌え
フェンス越しにタジミハ仲良しバッテリーを見つめて欲求不満を募らせ、
隙あらば三橋の傍に居ようとして「ランコー!」と注意される阿部くんに萌えて
ハナタジでは、
花井くんを「ジト――ン」と据わった目で睨む田島くんに萌えた(笑)、
萌えどころ満載の20巻でした♪

ラストの2ページは、やはり何度読み返しても胸が切なくなりますね。
高校野球も、このチームも、永遠には続かない。
どんなに楽しく幸せな時間でも、いつか必ず終わりが来る。
その有限の期間を、悔いの残らぬように、自分の可能性めいっぱいまで使ってみる。
「おお振り」作中の彼らにはそうあって欲しいですし、
私もそうありたいものだな、と身につまされた20巻でした。
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