昨日の、夏の甲子園大会2日目第3試合、
1回戦の桐光学園(神奈川)vs今治西(愛媛)で、
桐光学園2年生左腕の松井裕樹投手が、春夏通じて甲子園新記録となる、
1試合22奪三振、10連続奪三振を記録しました!

9イニング27個のアウトのうち22個が三振……!
すごすぎる……!!!



桐光学園・松井、江川超え!聖地新22K!しかも10連続…夏の甲子園(スポーツ報知8月10日付)
「手元で消えた」…桐光・松井 縦スライダー10連続!22K (スポニチ8月10日付)

これまでの夏の大会記録は19奪三振(過去に5人が記録)、
春のセンバツでも21奪三振が最多記録。
かたや、連続三振は、86年前の8者連続が最多記録。
どちらも塗り替えるすんばらしい奪三振ショーでした!


今治西戦後の松井投手のインタビュー。
「初回から全力でいきました。
直球もスライダーもまとまっていて、きょうはいけそうだな、と思った。
調子自体が良かったので、ストレートで押していった。
(22奪三振は)できすぎ。
今日は良かったが、歴史に恥じないようにこれからも勝っていきたい」



敗北を喫した今治西は、愛媛県で甲子園出場最多の強豪校。
なので、そのチームと対戦しての「22奪三振」と聞いた時は、
ええっ!? と驚嘆しました。

今治西の選手達が言うには、松井投手のピッチングは、
「まっすぐかと思って振りにいったら、ボールが消えていった」
「高めのボール球かと思ったらワンバウンドだった」
今治西の捕手は「自分だったらあのスライダーは捕れないと思う」。

初戦の対戦相手に決まってから、”松井対策”はしていたそうで、
打撃練習で通常より3m近くから左投手に投げさせたり、
決め球のスライダーを捨てて直球狙い、とチーム方針を決めたり。
今日の試合途中から、バットを短く持ってコンパクトに振ったけれど、
なかなか当たらなかった、とのこと。

今治西、脱帽!桐光・松井のスライダー「ボールが消えた」…夏の甲子園(スポーツ報知8月10日付)


松井投手のピッチングの何がすごいのか?
実際の試合を見れなかった私は、スポーツ新聞記事などから特徴を探ってみました。

松井投手は、中学3年時にシニアで日本一を経験し、
高校1年時は下半身が弱かったけれど、
走り込みと20球1セットの計200球の投げ込みで一冬鍛えたそうです。
2年時の今大会では、“神奈川のドクターK”と呼ばれ、
神奈川大会で全46回1/3を投げて68奪三振(奪三振率13.21)、
県大会決勝の桐蔭学園戦でも15奪三振を記録。

身長は174cmと上背は大きくない。
ストレートは最速140km/h台後半。
最大の武器は120km/h台前半のスライダー。
縦に大きく変化し、高めのボールゾーン付近から地面に着くほどの落差がある。
試合後半には2種類のスライダーを投げ分けた。
中学時代の変化球はカーブだけだったが、速い変化球を習得しようと、
高校入学後の昨年6月から、腕の振りや握りなど試行錯誤して自己流で身につけた。
腕の振りがいいので、打者から見てストレートとスライダーの区別がしづらい。
ついストレートのつもりで振りに行くと、途中でボールが消えるような感覚。

ほほう~!
自己流で磨き上げた「消える魔球」のスライダーか。
そういえば、2005~2006年の田中将大投手も、
「振りに行ったらボールが消えていた」と対戦相手に評されてたなぁ。
松井投手擁する桐光学園がどこまで勝ち進むのか?
そして、今大会中に何個Kを並べるのか?
今後が楽しみですね~vv


その他、松井投手について書かれた興味深い記事を以下に貼っておきます。
“まるで劇画”桐光学園・松井が驚異的なペースで三振を奪える理由(スポーツナビ8月16日付)
足遅く逆立ちもできない神奈川の「ドクターK」(YOMIURI ONLINE8月17日付)
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