月刊アフタヌーン2012年6月号掲載「おおきく振りかぶって」の感想です。
今回は、第90回「秋季・地区大1回戦4」。

前回の感想はこちら→アフタヌーン12年5月号 おお振り感想(1)
過去のおお振り感想はこちら→カテゴリー「おお振り感想」

※野球ファン歴5年(ニワカ)の腐女子によるネタバレ感想です。
原作を純粋にお好きな方、腐女子の妄想や筆者の文章がお嫌いな方は、
ご不快になる恐れがありますので、ご覧にならないでください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、優しくご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします!








●まずは、最初のページの見開き右ページにお知らせ。
お待たせしました!
最新19巻、6月22日(金)発売決定!!


●さて、本編です。
秋季地区大会1回戦、現在のスコアは武蔵野第一1-1西浦。
4回表、武蔵野第一の攻撃は、先頭バッター4番榛名さん。

阿部(4回、2巡目までは”まっすぐ”は使わずに行く予定だった…が)
とサインを出すと、三橋くんは(お?)と戸惑いつつも頷いて、
(…えと、うなずいちゃたけど、
 ”まっすぐ”は3巡目からってモモカンと決めたけどいいのかな。
 オレの知らないうちに監督と阿部君で決めなおしたのか……?)


1球目は、榛名さんの胸元に内角高めの”まっすぐ”。
(っぶね!!)と体を引いて避けた榛名さんは、捕球した阿部くんを見て、
(今、中腰で構えてたか? 狙わせたんじゃねェだろな。
 いくらウラミ買ってっからって故意死球はねーか。
 内角放るときゃ気ィつけろよ、ミハシ!)
と心の中で思ったりw

2球目も、内角にボール2つはずしてまっすぐ。
(はあ!? 当てるつもりかよ!)と思わずギッと阿部くんを見下ろす榛名さん。
阿部(おめーと違うんだ。2球共よけなくても当たんねーよ。
 だけど向かってくる球はコエーだろ)

2球共ストレートだったので、
榛名(近くて緩い球続けたから次は遠くて速い球、がこいつの信じてる組み立てだろ)
お? 榛名さんから見て、三橋くんのまっすぐは「緩い球」なのですね。
三橋くんの持ち球の中では、”全力のまっすぐ”に次ぐ、速い球なのだけれど。
やっぱり速球派の榛名さんから見ると、120km/hそこそこ(?)のストレートは遅い体感なのかな?

3球目、阿部(読まれてるとしても、打てねェ球はあんだよ!)と、外角にカーブ。
確かにこういう配球されると、頭でわかっていても外角の球は打ち難いですよね~。
体に近い所に抉るように2球続けて投げ込まれて、腰が少し引けていた(足を動かされた)ので、
外の球に踏み込みにくかった(より遠く感じられた)のかもしれないですね。
ブンッと空振った榛名さんを見て、(か、空振った)と思わず顔に出る三橋くんwに、
榛名(ワンストライクで喜んじゃって)←なんかハルミハっぽいww

4球目、(ゆるい球2つは続けない!)と確信していた榛名さんに、
またまた外角に緩いカーブ! 思いっきり空振り。
阿部「プッ」わざと聞こえるように失w笑wしwてwるwwww
顔が真っ赤になって、榛名(演技だ。演技じゃないにしたって気にすんな)と自分に言い聞かせ、
次は、3球続けることはないハズ、でも裏かいてくる? 裏の裏かいてくるとしたら……
とグルグル考えているうちに、三橋くんが変化球を投げて、空振り三振!
阿部くん、立ち上がって「オッケ!」と三橋くんに返球した後、榛名さんにくるっと背を向け、
「クッ」再びちいさく失w笑wwwww
恥ずかしさの余り、カアアと真っ赤になって微かに震える榛名さん(笑)。
なにこのアベハルwwwwwwww
阿部くんが腹黒すぎて(捕手として褒めてますw)ニヤニヤが止まりません(笑)。
この第2打席は、阿部くんの心理戦に軍配が上がったようですねー。

●武蔵野ベンチに戻ってきた榛名さんは、ゴキゲンななめw
無言でメットを外すと、ひょいと受け取る秋丸。
→無言で肘当てを外すと、ホイと受け取る秋丸。
「あいつ性格わりィ!」と怒りながら脛当てを外すと、「タカヤ?」と受け取る秋丸。
→帽子を手渡されて、ようやく気づいた榛名さん(苦笑)。
秋丸くんに身の回りの世話をいつも通りオートマチックにさせちゃって、
(ひょいホイはマジーか。こいつも今はスタメンだ)とちょっと反省w
人の空振り笑って、心理戦ならセコイ、と秋丸くんに愚痴言って、ぶうと膨れる榛名さんが幼くてカワエエw
つーか、またナチュラルに秋丸くんから飲み物のコップ手渡されてるし(苦笑)。
この人達、一連の世話焼き・焼かれが習慣と化して、無意識レベルなのがスゴイわ~^^;。
榛名「負けたくねェな」
秋丸「だろうね」
……えーっと、なんちゅーか、他人事ね^^;。
本人に悪気はなくて、共感を示しているのだろうけど。
そんな秋丸くんを無言で一瞥した榛名さん、「お前といられんのも武蔵野第一(ここ)までだぞ」
真顔でそう言い残し、背を向けてベンチの反対側へ。(でも飲み終えたコップは秋丸に渡してるw)

秋丸くんは考えます。
(そうなのか。プロになるのか。
それがムリでも、大学は強いとこ行くんだな。
一般入試で同じトコ入ったとしても、オレじゃ野球部に入れてもらえないかもしんないなァ。
いや、同じトコつー理由で大学決めちゃマズイだろ。自分の将来考えないと)


そういえば同様に「一緒の大学行けない……」と考え込んでた子が西浦にもいたなぁ~。
かつてのハルアキ痴話喧嘩(笑)では、秋丸くんが武蔵野第一に進学したのは、
「オレを追ってきたのはオメーだろ」「ずーっと子分扱いしといて」と
お互いに相手のせいだと言い張っていましたが、
大学についても、この二人の間ではまず最初の前提として、
「同じところに進学する」という仮定から始まるんですねぇ。
その前提の上で榛名さんは、親のアイジョーに似た感覚で「もうオレの一部みたい」に接する秋丸に、
決別を促している。
秋丸くんも、その決別宣言を客観的に受け止めて、「自分の将来」をふと考えてみます。

(”将来”とかナニソレってかんじだけど。
榛名みたいにやりたいコト ハッキリしてんのって、めずらしいよな?
将来につながることやってんだから、そら一生懸命だろうさ。
3年生達は、楽しそうだったな)


私も”将来”や”やりたいコト”が具体的になかった若者だったので(今もないですが^^;)、
秋丸くんのヘタレな考え方に、なんとなく共感を抱いてしまいます(苦笑)。
将来はプロに、とか、将来につながる、とかの明確な決心がなくたって、
”野球が好きだから”という理由で、野球を続けていたいのは、間違いじゃないと思うんですよね……。
でも、「3年生達」は将来プロを目指してはいなかったけれど「楽しそうだった」。
じゃあ、3年生達と秋丸くんとの違いは、何なのか?
その答えは、ARC戦後に3年生達が秋丸くんに掛けてくれた言葉にあると思うんですが、
その金言が秋丸くんの胸にすとんと落ちる日が来たら、秋丸くんも変革するのかな?

物思いに耽っていた秋丸くんは、目の前をスッと横切っていく榛名さんに、
(普通は、味方の攻撃が2アウトになる頃に次のイニングに備えて肩慣らしをするので)
はっと我に返って、その後を追います。
(清水に2番とられんのは、やだな)

お!  最後にぽそりと零れた何気ない秋丸くんのモノローグ。
これはささやかながらも良い兆候なのでは!?
レギュラー争いの弱肉強食な世界で、真っ先に脱落しそうな(苦笑)、
競争心も闘争心もまるでなさげに見える草食系男子の秋丸くんですが、
正捕手の座を譲りたくない、という気持ちの芽生えは、大きな一歩ですよね!
それは”試合に出たい”からなのか、あるいは”榛名の球を捕れるのは高校まで”だからなのか、
理由は分かりませんが、小さな”欲”が生まれれば、
それが向上心や競争心や一生懸命に繋がっていきますものね。
これは秋丸くんの中で何かが変わる前兆かも?

●そうこうしているうちに、武蔵野第一の5番、6番も凡退して、3アウトチェンジ。
(しゃ! 榛名おさえときゃ、あた何とかなる!)と満足げな阿部くん達が西浦ベンチに帰るや否や、
モモカンから「阿部君! 三橋君!」と厳しい声で呼ばれます。
「榛名君への1球目2球目、どういうことなのか説明して!」
速い球使いたくて、”まっすぐ”の球筋追いにくいように2球とも内角にボール2つ分外しました、
と説明する阿部くんに対して、
モモカン「高目にボール2つはずしたら、よけなきゃ当たるでしょう!」
  「もう一度やったらポジション変えるからね!」

阿部くんより、横に並んだ三橋くんが真っ青w
そんな三橋くんに対しても、モモカンは
「どんなサインもらったとしても実際投げたのはあなただよ。
あの球が榛名君に当たっていたら、あなたが責任を負うんだよ!」
「自分が榛名君にケガさせたかもしれないってこと、ちゃんと想像しなさい!」

三橋くんは固まって顔面蒼白。

おお~、モモカンがこんなに怒るとはちょっと意外でした。
好打者に対して内角を攻めるのは、なかなか良い配球だと私は思ってたもので^^;。
打たれるのを恐れて弱気なコースばかりに投げていたら、踏み込まれて打たれちゃうし、
内角を攻めて体を一度起こしておけば、変化球への対応が遅れたり、外角が遠く感じたりするようになるし。
リアルの高校野球でも、よく見かける上手い配球ですし、
プロ野球だと、ノムさんも内角を突けない投手をよく怒ってたっけw
というか、速い球がない投手は、内角攻めを効果的に使えないと勝つのが厳しいですよね……。
私の素人目で見る限り、今回の榛名さんへの内角攻めも、
そんなに大きく仰け反ったりしていないし、深く内角を抉るようなエグイ球でもないし、
なにより三橋くんは制球が良いから万が一にも当たらないし、危険な感じには見えなかったものでw
だけど、モモカンは美丞大狭山戦で、ランナーの走路を塞いでベースを守った阿部くんを叱り、
「ケガより1点」という考え方を私は決して肯定しない、と断言していましたものね。
目先の勝利よりも、敵味方どちらの選手も怪我させないプレーを徹底させているのは、
素晴らしい指導者だなぁ、と改めて思います。
なにより、榛名さんは投手だし、武蔵野第一は部員が9名ギリギリしかいないし、
万万一、デッドボールになってしまったら、
そこで試合終了ですよ(@安西先生)ってことになりかねないので、モモカンはきつく怒ったのかも。

●と、西浦ベンチでお説教が繰り広げられている間に。
キインッと金属音が響き渡って、センター前ヒット!
打った!? と驚くアベミハ・モモカン。
「ナイバッチー!!」と声援を送る西浦ナイン。
巣山(おし! 打ったぜ!)

ええええええええええええええ!!?
巣山尚治、一世一代の大活躍シーンを、
見 逃 し た ……!?orz
てゆーか、難攻不落の榛名から打った、チーム2本目の貴重なヒットなのに、
巣山くんらしいとゆーかなんとゆーか、密やか過ぎる地味な見せ場……(T◇T)
み、見せてほしかった……! 巣山くんがどんな球を、どんな風に打ったのかorz

そーいえば、ノムさんが楽天の監督していた頃にも、
自分で代打を出しておきながら、トイレに行って、
その間に代打がサヨナラタイムリー打って、ベンチ帰ってきたら皆お祭り騒ぎで、
試合後インタビューでノムさん曰く「まさか打つとは思わなかった」←wwwwwww
てなこともあったな~と懐かしく思い出しました(笑)。

西浦側の応援席では、3人だけの応援団、花井母・阿部母・巣山母が大喜び♪
「おうちでもかんばってる」尚治くんを褒めた後、
花井母「うちのも一応がんばってるけどさァ、なんか性格的に優しすぎるってかさ、
 私に似ちゃったのよねェ」

阿部母「あら! もうちょっと似れば良かったのに!」

きく江さん……確かに梓は優しすぎるところがあるけど、
その発言にはツッコませていただきたい!(笑)
そして、タカヤの血は美佐枝さん譲りだったかwww


てなわけで、ノーアウト一塁で、4番田島様の出番ですよ!
続きの感想は、また後日。


感想後編はこちらです→アフタヌーン12年6月号 おお振り感想(2)
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