工藤公康投手の始球式

4月7日西武ドームで行われた西武vsソフトバンク戦で
昨年12月に現役引退した工藤公康氏が始球式の投手を務めました。

捕手は2歳年下の西武・渡辺監督が務め、
打席には1歳年上のソフトバンクの秋山監督が立ち、
”西武黄金期”を支えた3人がグラウンドに集結。
往年の西武ファンには感無量のシーンだったことでしょう!

4・7は“工藤デー”始球式は西武黄金期メンバー3人で(スポニチ3月27日付)
“男の友情”によって実現する工藤公康の花道(スポーツナビ4月2日付)
工藤氏が引退セレモニー 西武黄金時代の3人集結(サンスポ4月7日付)
工藤公康氏 引退式 秋山、渡辺監督もひと役「この2球団は大事な球団」(スポニチ4月7日付)



もう現役を引退された野球選手なので、「工藤氏」と表記すべきなんでしょうけれど、
どうしても「工藤投手」と言いたくなってしまいます。
野村克也氏を、今でも「野村監督」と呼びたくなるようにw
それだけ長い期間――実働29年間も、プロ野球選手として活躍した方ですから。

私は数年前まで大の野球嫌いだったため、
工藤投手の全盛期のご活躍もこの目で見たことはなく、よくは知りません。
そんな野球音痴な私でも、「工藤公康」という名前を聞けば、
ああ、あのすごいピッチャーの人、とわかったほど、
広く名の知れた、球史に残る選手だったと思います。

工藤投手は、プロ野球実働29年間の最長記録をはじめ、
様々な”最年長記録”を塗り替えた、通算224勝の大エースですが、
2010年に戦力外通告を受けた後、球団からのオファーがなく1年間の浪人期間を経て、
昨年12月9日に、ご自身のブログで引退を発表しました。
年齢的にも故障続きではありましたが、最終的に左肩の痛みがひかなかったそうです。
浪人期間中にブログでの引退発表だったため、引退会見もセレモニーもなく、
淋しがっていたファンも大勢いたのではないかと思います。

今回の工藤投手の始球式&引退セレモニーは、
西武・渡辺(ナベQ)監督の強い意向で実施されることになったそうですよ。
「工藤さんは西武に貢献してくださった人だし、そういうチャンスがあればいいなと思った。
ひとつのプロ野球界の歴史が終わったので、けじめとして、最後の勇姿という形でマウンドに立ってほしい。
心待ちにしているファンも多いと思う。
かける言葉? 俺は引退試合のセレモニーをやったことがないから、
『どんな感じでした?』って聞こうかな(笑)」


背番号47にちなんで4月7日の始球式、と決まり、
西武ドームでは、限定Tシャツや記念写真などの「工藤公康メモリアルグッズ」が販売され、
「工藤家の食卓」という限定弁当も復刻発売されたとか。

工藤投手が始球式で放ったゆるい大きなカーブはワンバウンドしたそうで、
「マウンドから届かなかったのは初めて」とご本人の弁。
左肩の故障はかなり重いのでしょうね……なんだか切ないです。

工藤投手は、若い頃は連日朝まで飲んで二日酔いでマウンドに上がるなど、
不摂生な生活で体を酷使した結果、プロ6年目頃に重度の肝機能障害に陥ったとか。
結婚を機に、体質改善、生活節制に励み、
体に無理のないピッチングフォームや、トレーニング、アフターケアなど、
人一倍熱心に勉強し、実践してきたようです。
でも、お酒も煙草もコーヒーもたくさん召しあがるそうなんですが(汗)。
「29年も現役でできたのは、すごくいろんな勉強をしていたからだろうね」
とナベQ監督が舌を巻いていたそうです。

【工藤公康のQ&Aコラム】田中将大投手が200勝するためには(工藤公康公式サイト2011年10月3日付)

このコラムの中で、工藤さんはマー君について、
心技体どの面でも足りないところは別にない、
勝てない苦労やケガの経験などから学び、前向きに長く野球を続けられる人だろう、
と評していますが、
若い野球選手全てに対する親身なアドバイスが、特に印象的でした。
要約すると、以下のような論旨です。
30歳、35歳、40歳になってもピッチャーを続けるためには?
怪我や故障をする前に、体のメカニズムを学んでほしい。
筋力によるピッチングよりも、
リズム、バランス、タイミング、体の軸を中心としたピッチングを身につけてほしい。
疲労を早く取り除き、ストレッチやマッサージでケアしてほしい。
最も大変なのは30歳を過ぎてから。
30歳を過ぎたから、それなりの球と配球で、ではなく、
若い頃と変わらない投手スタイルを維持していく、という
強い精神力と練習量を継続することが大切。
身近な目標でも、長いスパンでの目標でもいいから、
その時、自分自身がどうありたいか? を常にイメージして、
何をすべきか? を自分で考え、知らない事は学び、人に聞く!

ご自身の度重なる故障と、それを克服して29年間もプロ野球で活躍した、
その経験に裏打ちされた、強いメッセージだなぁと思います。
なにより、この方は野球がホントに大好きで、
若い選手達に「できるだけ長く野球を続けてほしい」と真摯に思ってるんだろうな、と感じました。


工藤投手の最後の花道を飾ろうとうする、
西武ナベQ監督&ソフトバンク秋山監督の男気に、じーんとしていたワケですが、
もう一つ、今シーズンは「スカパー!e2」のCMでも、
男の友情にきゅんきゅんさせられております(笑)。

清原和博と桑田真澄がCM初共演「照れくさかった」- スカパー! 新CM発表会(マイナビニュース3月27日付)

「KKコンビ」こと、元プロ野球選手の清原和博さんと桑田真澄さんが、
球場のダグアウトで並んで座り、野球について語り合う。
このTVCMをご覧になった方も多いことでしょう。
スカパー!e2のホームページでは、WEB限定ムービーを含むTVCM集が見られますよ♪

スカパー:動画ライブラリー

お二人が再会するのは、実に4年ぶり。
清原さんの現役最後の年、桑田さんが打撃練習投手を務めたあの日以来だそうです。
上記のWEB限定ムービーに「メイキング」もありますが、
ダグアウトにそれぞれ別の入り口から入ってきて握手を交わす、CMでも見られるあの瞬間まで、
CMスタッフはお二人が一度も顔を合わせないように演出して、
なんとカメラ前で4年ぶりの再会! だったそうですよ。
こちらのお二人も、出会ってから29年。
お互いの間には、酸いも甘いも紆余曲折あったと思いますが、
今は二人で並んで座って、穏やかに微笑みを浮かべながら、野球について語り合える。
なんて素敵なことでしょう!
4年前の日記にも書きましたが、
男の人って、いいなぁ~! いくつになっても野球少年って、いいなぁ~!
……つまり、一言で言い表わすならば、「萌えました!」(再びスミマセン・苦笑)
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