NHK大河ドラマ「平清盛」

1月8日から、今年のNHK大河ドラマ「平清盛」が始まりました。

初回視聴率が、大河ドラマ歴代ワースト3位の17.3%だとか、
NHK「平清盛」、初回視聴率が歴代ワースト3 「惨敗」は昨夏から決まっていた!(J-CASTニュース1月10日付)

兵庫県の井戸敏三知事が「画面が汚い」「チャンネルを回す気にならない」「視聴率が悪いと、観光も影響を受ける」「NHKに申し入れたい」と批判したりだとか、
大河ドラマ「平清盛」:兵庫県知事が酷評「画面が汚い」(毎日jp1月10日付)

その兵庫県庁に300件超の意見(多くは、知事発言への批判)が電話やメールで殺到したりだとか、
立場わきまえろ…「平清盛」酷評知事に批判殺到(YOMIURI ONLINE1月11日付)

初っ端から、なんだか不穏なニュースで賑わっていてビックリ。
私はといえば、昨年末に偶然、NHKの番組予告を見て、
「わ! 今度の大河ドラマはおもしろそう♪ 見よっかな?」
とすごく興味がそそられたけんだけどなぁ。

今日、第1話の再放送を見て、改めて「今年の大河はおもしろそう」という思いを強くしました。



第1話の中で、特に私の印象に残ったのは、
吹石一恵さん演じる清盛の母「舞子」。
泥にまみれて汚れていても、目が強く煌めき、ものすごく美しく魅力的で、
我が子を守る強い”母親”だと、目で演じていた気がします。
伊東四郎さん演じる「白河法皇」(清盛の本当の父)も、
不気味で老獪で、権力の象徴という感じが滲み出ていて、
コミカルな役もたくさんやる方なのに、スゴイな~。
「平忠盛」(清盛の養父)役の中井貴一さんは言わずもがなの演技だったし。

それと、主人公・清盛の少年期を演じた子役の子、
どっかで見たような……? と思って、後で調べたら、
お笑いコンビ「まえだまえだ」の前田旺志郎くんだった!
お兄ちゃんの前田航基くんと両者揃って、今回の大河ドラマに出演していたんですね!
弟・旺志郎くんが平清盛(松山ケンイチさん)の少年時代で、
兄・航基くんが海賊・兎丸(加藤浩次さん)の少年時代。

二人で激しい取っ組み合いをするシーンもあって、なんか微笑ましかったw
旺志郎くん「いっつも家でやってること(兄弟喧嘩)を、
 あんなとこ(時代劇の収録現場)でやれて面白かったし、
 不思議な感じがしました」
航基くん「最初はフワフワした感じで、緊張とはまた違うモヤモヤした感じやったんですけど、
 やってみると弟やから思いっきり突き飛ばしまくれるし(笑)
 遠慮がなかったんですごくやりやすかったです」
ちょwwwww 手加減してあげてww

第1回の見どころとして旺志郎くんが挙げていたのが、
義母(和久井映見さん)に叱られ頬を叩かれるシーン。
「撮影前に『ごめんね、1発だけだからね』と優しく言っていたので、
痛くないように叩かれるのかなぁと思っていたら、本番でめっちゃ強く叩かれた。
なんで?ってホンマにびっくりしているので、ぜひ観てください」
『平清盛』出演のまえだまえだ・旺志郎 「この顔が“松ケン”になるか心配」(oricon2011年12月22日付)

確かに、素でビックリした顔してたかもwww
自然な演技で上手いな~とか思って見てたけど(笑)。


兵庫県知事さんのおっしゃった通り、「煌びやかな平安京」というイメージとは違って、
都からちょっと離れた場所は、汚くて煩雑で埃っぽくてボロボロで、
直視するのが不快になるような、薄汚れた画作りだったかもしれません。
でもむしろ私は、小説「羅生門」のモデルとなった「今昔物語集」の描写を連想して、
おお、これこそ平安末期の庶民の生活! よくぞ”大河ドラマ”でこう描いてくれました!
となんだか嬉しくなりました。
花の都の南端にある羅城門ですら、餓死した死体がいくつも打ち捨てられ、
その死体から髪を抜いて金に換えようとする老婆、
その老婆から身ぐるみ剥いでいく男。と物語で語られているように、
絢爛豪華だった平安時代の末期、飢饉や天変地異や腐敗政治で世はおおいに乱れ、
庶民は皆「生きていく」ことに必死で、綺麗事やら、見た目の「キレイさ」などなかったはず。
薄汚れて這いつくばっていても、目だけは爛々と光り、生への執着に漲っている。
そういう混沌で殺伐とした時代背景の中で、
「平清盛」という人間が、徐々に成り上がってゆき、
最後には支配階層の頂点に立って、「武士による政治」の礎を築くんだな。
そう感じさせるリアリティが、背景や衣装にあるように感じました。

平安末期の歌謡集「梁塵秘抄」にある今様「遊びをせんとや生まれけむ」が、
とても印象深いメロディで子守り歌として歌われているのも素敵でした。


新しい大河ドラマ「平清盛」第1話が、歴代ワースト3位の視聴率だった理由について、
>「龍馬伝」を除き、ここ何年か続いた、
>姫たちが歴史を変える原動力となる荒唐無稽の“スイーツ大河”に慣れた視聴者層には、
>骨太のキャスト、演出はいささか荷が重たかろう。

と解説している記事もありました。
テレビチェック】大河「平清盛」…視聴率“低迷”の真相(zakzak1月15日付)

……昨年の「荒唐無稽の“スイーツ大河”」やら、
2009年の「”愛”の意味を履き違えた脚本家による戦国イケメンパラダイス大河」やら
見せられるぐらいならば、骨太大河、大歓迎ですわ!!!
(↑2009年大河にものすごーく期待していたので裏切られた恨みは深いらしい…^^;)
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