大嫌いになったスポーツが、私には3つほどありました。
それは、相撲と、野球と、マラソンです。
大人になって。
大相撲は、一時期は自らテレビにかじりついて取り組みを見るほど大好きになり、
決まり手やら「腕(かいな)を返す」「前褌(まえみつ)を取る」「おっつける」といった相撲用語も解るようになりました。
野球は、スカパーを契約して毎日のように試合を見たり、贔屓のプロ野球チームができたり、
一時期はほぼ全試合を録画保存したり、飛行機に乗ってまで球場に足を運んだりするようになりました。
そして、マラソンもまたしかり。
「走っている選手をずーっと映しているだけで、
画面も変わり映えしないし、選手も苦しそうな表情だし、
マラソン中継の何が楽しいんだろう?」と幼な心に理解不能でしたが、
今では正月三が日に都合が合えば、テレビのチャンネルを駅伝中継に合わせて、
レース展開を手に汗握って見守るようになりました。
子どもの頃食べられなかった食品が好きになったり、
嫌いだったスポーツが好きになったり、
嗜好の変化って、なんとも不思議ですねー(笑)。
てなわけで、ここ数年熱心に見守ってきた箱根駅伝、
今年は記録と記憶に残る劇的なレースでしたね!
◆東洋大が大会新で完全優勝「今後更新されることはない記録」 元東洋大監督の川嶋氏が語る箱根駅伝総括(スポーツナビ1月3日付)
◆東洋大、6区間で区間賞! 圧倒的勝利に柏原「みんなに感謝」=箱根駅伝・東洋大選手コメント(スポーツナビ1月3日付)
10時間51分36秒と大会記録を大幅に更新して、東洋大が総合優勝を飾りました。
しかも、往路、復路、総合、全てにおいて大会新記録の、完全優勝!
6区間で区間賞、うち2区間は区間新記録を樹立。
こんだけ各区間で速かったら、そりゃあぶっちぎりの優勝も当然でしょう。
今年はなんと13校も繰り上げスタートになってしまうほどでした。
襷を繋げなかった各校の表情を見るのは、胸が痛みましたが……。
私の場合、母校が出場しているわけでもなく、これといって応援している大学もなく、
例年ニュートラルな気持ちでレースを見ていますが、
ここ4年ほどは「山の神」柏原竜二選手の走りっぷりに注目して、
ついつい東洋大贔屓な目線だった気がします。
◆自らの記録更新し4年連続区間賞 東洋大・柏原「いつもは普通の大学生」(MSN産経ニュース1月2日付)
◆柏原区間新「福島に比べたら」/箱根駅伝(日刊スポーツ1月2日付)
◆東洋大・柏原に聞く「被災者のために駆け抜けた」…箱根駅伝(スポーツ報知1月4日付)
◆箱根駅伝:いわき出身の東洋大・柏原主将、4年連続区間賞 「勇気づけられた」 /福島(毎日新聞福島版1月3日付)
柏原選手の4年間の”箱根山登り”の記録は、
●1年時:
8人ごぼう抜きで、4分58秒差を逆転し、区間賞。
同郷福島出身の順大・今井正人さん(現トヨタ自動車九州)の区間記録を47秒も更新し、
東洋大初の総合優勝に貢献。鮮烈な箱根デビュー。
●2年時:
4分26秒差の7位で襷を受け取り、6人抜きで首位に立つ。
2位に3分36秒の大差で、区間記録をさらに10秒縮め、2年連続の総合優勝。
●3年時:
故障から不調に陥ったが、それでも区間賞。
東洋大は往路優勝したものの、復路で早大に抜かれ、史上最小21秒差で惜敗し2位でした。
●そして、4年時の今年。
史上8人目(5区では35年ぶり史上2人目)の、4年連続区間賞。
自らが2年前に作った区間記録を29秒も縮め、1時間16分39秒という大記録を樹立。
私は昨年の年末、「箱根駅伝“絆の物語”」という番宣番組を、
偶然入ったラーメン屋さん(笑)で少しだけ見ました。
そこで、柏原選手が福島県いわき市出身だということを初めて知りました。
柏原選手は、東日本大震災の原発事故で多大な被害に苦しんでいる故郷を思い、
「こんな時に走っていていいのか?」と悩んだそうです。
生来、「目立つことが大嫌い」な性格なのに、
「注目されて陸上をやりたくない時期もあった。僕が言ったことが大げさに書かれたり……」
3年時にタイムが伸びずスランプに陥ったり、
箱根駅伝で他選手を抜いた時に睨みつけたのなんだのとネットでバッシングされたりと、
苦悩も多い4年間だったようですね。
しかし、昨年11月20日に行われた故郷の「ふくしま駅伝」で、
「帰ってきてくれてありがとう」「箱根でも頑張って」と沿道からたくさん声援をもらい、
「影響力のある人間にしかできないことがある」と激励されたそうです。
それ以来、自分が走り続けることで福島の復興につながるのであれば、と決意し、
さらに、目立つことが大嫌いながら、顔が知られている自分だからこそ、と
敢えて積極的に街頭に立って募金活動を行っていたようです。
スポーツ新聞各紙にあった、レース前日までの柏原選手の弁。
「自分が今まで見てきた光景が大きく変わっていたことにショックを受けた。
被災地ではいまだに不自由な暮らしをしているところもある。
箱根を見て、少しでもワクワクしてもらえたら。1分1秒でも熱中してもらいたい」
「僕にできるのはしっかり走ること。
それを見て『ウワッ』『やった!』と思ってくれたらすごくうれしい。
自分のためじゃなく、みんなのために頑張ろうと思った」
「僕に出来ることは微々たるものかもしれませんが、
東北の地、故郷の地に元気を与えられる走りをしていきたい」
5区の区間新記録で、往路優勝のテープを切った後の柏原選手の弁。
「みんながトップでつないでくれてうれしかったです。涙が出そうでした」
「僕が苦しいのはたった1時間ちょっと。
(震災で苦しむ)福島の人たちに比べたら全然きつくなかったです」
「これまでは期待されることが嫌でした。
でも、福島に帰った時に自然体で接してくれる人が多くて、
この人たちのために自分ができることは、しっかり走ることしかないだろう、と思った。
少しでも、自分の走りを見て、やったぞ! って思ってもらえれば、僕はすごくうれしい」
私は福島出身ではありませんが、ちょっと涙目になり感動しました。
これまでの煩悶を最後の年に昇華させて、力強い走りを見せてくれた柏原選手、
そして、柏原選手一人に頼らず、個々の選手が快走をした東洋大チームに、
心から拍手を送ります! 優勝、おめでとうございました!
柏原選手は、今春の大学卒業後は富士通に入社予定で、陸上を続けるそうです。
「山だけの選手といわれたくない。マラソンで世界を目指したい。
皆さんに感動を与えられるランナーになりたい」
今後の活躍も期待しています!
と・こ・ろ・で。
◆「AKB48に興味ない」 箱根駅伝の英雄の発言、ネットで賛否両論!?(婚活ニュース1月5日付)
な、なんだって――――――!!?
生粋のアニメヲタクで、声優の花澤香菜さんが4年間ブレずに大好きで、
「走れるオタク」として有名な柏原さんに、そんな質問しちゃアカンよ。
(とゆーか、大学駅伝ランナーは、アニオタ・声オタが多いことで定評ありますw)
東洋大の箱根ランナー10名中7名がAKB好きなんだから、
他のメンバーに質問を振ってくれないと日テレちゃんwww
◆「山の神」柏原竜二は声優の花澤香菜ファン スポーツ紙が写真入りで紹介しネットで騒動に(J-CASTニュース1月3日付)
柏原さんのTwitterを拝見したところ、「山の神」だろーと区間新記録だろーと、
ブレずに、ナチュラルに、オタクな呟きが日々綴られていて、
同じ漫画・アニメオタクの端くれとして、私も胸熱でした……!
兄貴、これからもまっすぐに駆けていってください……! ついていきます!(←体力的には無理w)
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