2011シーズン終了

あなたは、好きなプロスポーツチームはありますか?
もしあるのならば、そのチームが好きな理由は何ですか?
地元に本拠地を置くチームだから?
好きな選手・監督などがいるから?
親などの影響で昔から応援しているから?
強いチームだから? 逆に、弱いチームだから?
プレースタイルが好きだから?


今日Kスタで、東北楽天ゴールデンイーグルスの2011年シーズン最終戦がありました。
楽天5-2ロッテで、有終の美を飾り、ルーキー塩見投手が完投で9勝目。
試合後には、星野監督以下、選手一堂が並んで球場のファンに挨拶のセレモニー。
ホーム最終戦でしたが観客数は14,152人と満員にはならず。

最終的に今季のチームの成績は、66勝71敗7分でパ・リーグ5位でした。

■東北楽天ゴールデンイーグルス 過去7年の成績一覧■
シーズン順位試合勝率得点失点打率本塁打防御率
2005613638971.281504812.255(5位)88本(6位)5.67(6位)
2006613647854.356452651.258(4位)67本(6位)4.30(6位)
2007414467752.472575676.262(3位)111本(3位)4.31(6位)
2008514465763.461627607.272(1位)94本(5位)3.89(3位)
2009214477661.538598609.267(3位)108本(6位)4.01(3位)
2010614462793.440576635.265(6位)95本(5位)3.98(4位)
2011514466717.482432464.245(5位)53本(5位)2.85(3位)



pacific-league2011.jpg

投手成績については、
失点や防御率は過去7年間で最も良い成績となりました。
楽天イーグルスで規定投球回をクリアしたのは、田中投手と塩見投手のみ。
「先発3本柱」の岩隈投手・永井投手の故障による離脱がかなり痛かったな。
「88年生まれ」の田中・塩見でチームの勝ち星の4割を稼いでくれたんですねぇ! ありがたや~。
田中投手は、防御率(1.27)、勝利数(19勝)、勝率(.792)の投手三冠で、
完投試合数(14試合)、完封数(6試合)もリーグトップ。
防御率1.27は、1956年西鉄の稲尾投手(1.06)に次ぐパ・リーグ歴代2位の記録。
果たして沢村賞が獲れるかどうか?
ルーキー塩見投手は、24試合に登板して9勝9敗、4度の完投。
西武・牧田投手(5勝7敗22セーブ)とのパ・リーグ新人王争いに注目です。
シーズン序盤で抑えが安定しなくて、勝てる試合をいくつか落としたのが無念ですが、
投手陣はおおむね良い仕事をしてくれた1年だったんじゃないでしょうか?
やはり、4~5年前から「種をまき、育ててきた」投手陣は力をつけてきたなと感じます。
あと特筆すべきは、中継ぎ・抑えで8勝も挙げた小山投手かしらん(笑)。

一方、打線については、
得点や打率は、過去7年間で最悪の結果に。
今年から導入された「飛ばないボール」と呼ばれた統一球の影響もあるかもしれませんが、
本塁打の少なさ、タイムリー欠乏症が、今年は特に顕著でしたね。
規定打席到達は、聖川選手、高須選手、松井選手の3名、
打率がリーグ20位内に入ったのは、二人だけ。
50打点以上挙げた人はおらず、チームで一番打点を稼いだのは、退団した山崎選手と、松井選手。
本塁打も、チームトップは山崎選手の11本(リーグ13位)。
う~ん……言いたかないですけど、春キャンプで熱心にやっていた「骨盤打法」って…ゲフンゲフン!

チーム盗塁数はリーグ2位の130個と、今年は機動力が良かったですね。
なかでも、聖川選手が盗塁52個でリーグ2位!
開幕時は2軍で、シーズン中盤から1軍定着した内村選手は、390打席で盗塁31個、リーグ4位!


例年どおり、野球素人がざっと今年のイーグルスを振り返ってみましたが、
今年は東日本大震災があって、ぜひとも! 是が非でも!
東北楽天には優勝……は無理でも(弱気w)、CSに進出してほしかった!
2009年秋にこの目で見て、全身が震えるほど体感した、あのKスタの歓喜と感動と興奮を、
もう一度東北の皆さんの前で見せてほしかったです。

今年、私は2度しか球場に足を運べませんでしたが、
嶋選手会長の名言「見せましょう、野球の底力を!」を生で聞いて涙し
無双の強さを誇ったマー君の、今季ワースト7失点を生観戦と、レアな試合が見られました。


さて、シーズンが終わって、今後の楽天イーグルスの予定ですが。

球団創設以来ずっと、本拠地・Kスタ宮城で行われてきた秋季キャンプは、
今年は星野監督の地元・岡山県倉敷市でするそうです。
楽天、秋季キャンプは星野監督のふるさと・倉敷(YOMIURI ONLINE10月14日付)
岡山県知事は定例会見で、「地域の活性化や経済効果も大きい」と期待のコメントを発表。
星野監督は「岡山県内は練習環境が良く、晴れの国といわれ、気象条件にも恵まれている」と言い、
チームの団結力が高まる、野球漬けの生活が送れる、などメリットもあるとのことですが。

実は私、2007年の秋に仙台まで行って、秋季キャンプを2日間見学したことがあります。
球場スタンドが無料開放され、地元ファンが100人弱ほど来て、練習を見守ったり声援を送ったり。
私もただひたすら選手達の地道な練習風景を見ていただけですが、
日がな一日ずーっと居ても全然飽きなかったな。楽しかった。
練習後に臨時でサイン会があったりもして、ファンとしては選手を尚一層身近に感じられました。
……東日本大震災で東北の景気や心が落ち込んでいる今年こそは、
仙台のKスタ宮城で秋季キャンプをやってほしかったなぁ……。

来季のコーチ人事もちらほらと。
楽天打撃強化 大久保氏と田代氏招へい 4コーチ退団(スポニチ10月20日付)
楽天・星野監督、東北ファンに出直し誓う(サンスポ10月20日付)
元西武コーチ・大久保氏、請求放棄で訴訟終了へ(YOMIURI ONLINE10月19日付)
打撃強化のため、長距離砲の育成に定評のあるお二人を招聘するようです。
元西武2軍打撃コーチの大久保博元(デーブ大久保)氏を1軍打撃コーチに、
元横浜1軍監督代行の田代富雄氏を2軍打撃コーチに。

デーブ大久保氏は、西武・菊池雄星投手への暴行で昨年7月に西武を解雇され、
処分を不服と提訴して裁判で係争中でしたが、19日に東京地裁に請求を放棄する書面を提出。
大久保氏の代理人「プロ野球界復帰にあたり、重大な支障となることから、訴訟継続を断念した」
西武側「今回の放棄は、大久保氏が当球団の主張を全面的に認めたものと考えている」

楽天球団幹部曰く、「打撃部門の強化と育成システムを確立するため、コーチの招聘や入れ替えを行った」
星野監督曰く、「頭の中では、もう青写真を描いている。
ドラフトもトレードも外国人も楽しみにしておいてください」


あの……私は、人様へのネガティブな発言はなるべくしたくないです。
人それぞれ、長所も短所もあるし、どんな人にも尊敬すべき点が必ずあります。
私が好きじゃない・苦手な人でも、誰かが大好きで大ファンだった場合、
私の何気ない言葉が、その方を傷つけ不快にする場合もある。
だから、ネガティブなことは書くべきではないと、自重してきました。
それでも、どうか今日だけ、私の極めて個人的な感想を書くことをお許しください。
星野監督について、昨年までは好きでも嫌いでもない、というのが私の本心でしたが、
楽天球団の監督就任以降、言動を拝見するにつけ、苦手意識が増してきています。

仙さん“怒”「こんな選手しかおらんのか」(サンスポ5月24日付)
試合後の緊急ミーティングで「昨日も今日も同じような試合をしやがって!」と一喝、
「ホント、こんな選手しかおらんのか。恥ずかしいわ」
「おまえら全員クビや! オフにどうなるか覚悟しとけ!」と怒鳴り散らした。

星野監督薄ら笑い「クビになってから初めて分かる」(スポニチ6月24日付)
試合後コメントで、薄ら笑いながら「クビになってから初めて分かるんや」。

楽天 選手は首脳陣に、首脳陣は選手に不満タラタラ(日刊ゲンダイ6月8日付)
星野監督「正直者はバカを見る世界。裏表があっていい。うちの選手は表ばっかりだからアカン。
わざと空振りして、タイミング合わないふりして、その球を待っとるとかやらないと」
つまり、楽天が貧打に苦しむのは、素直で真っすぐすぎる選手に原因がある。
仁村作戦コーチ「楽天に来てから、選手というより子供を育てているような感覚。
自分の子供でも1人育てるのに苦労するのに、うちには何人いるんだ、子供が。
いい加減、大人になってもらわないと」
「渡辺直人が横浜にトレードされたとき、嶋とか鉄平とか草野が泣いたでしょう。
アレも、僕らからすれば考えられないこと。間違った仲間意識というか、友達じゃないんだから……」
一方、ある若手選手は「感情だけでああいうこと(クビ)言うのってどうなんですかね」と眉を顰めていた。

楽天選手「勝てば監督の采配のお陰で負ければ選手のせい…」(NEWSポストセブン6月15日付)
6月5日のヤクルト戦で、今季初先発の片山投手が4回裏にヤクルトに連打を浴びたが、
星野監督はそれでも続投させ、結果、パ・リーグタイの1イニング10被安打で10失点。
これが球団内外で「見せしめ」と顰蹙を買った。
星野監督は「こんな選手しかおらんのか」「オフを覚悟しとけよ」という禁句を平気で口にする。
選手達は「勝てば自分の采配のおかげで、負ければ選手のせいなんだろ」
「星野さんは自分が連れてきた選手ばかりを可愛がり、生え抜きには冷たい」と漏らしている。

おきて破り!?星野監督 甲子園虎党の猛ゲキ期待(スポニチ6月18日付)
「(阪神ファンの)痛烈なヤジは(監督よりも)選手に(多く)くるな。
ウチの選手はそういうのに慣れていない。あの雰囲気を、楽しめるくらいにならないといけない」
阪神ファンへのメッセージ「もしうちが負けとったら選手をヤジってくれ。
“星野がかわいそうだ”とか“監督を助けてやれ”とかな」

楽天、星野監督続投決定も4位転落(サンスポ9月7日付)
「見放すわけにはいかんやろ」と受諾し、続投が決定した。

上記に挙げたのは、どれもこれも胡散臭い週刊誌・スポーツ紙(スミマセン^^;)がソースなので、
記事の内容も眉唾モノで、話半分に見ておくべきでしょう。
それでも、やはり星野監督の試合後インタビューなどを拝見していると、
「このチームはダメな選手ばかり、お前らクビにしてやる! と選手を責め、
自分は名将で、仕方なくダメチームに付き合ってやっている」というスタンスを感じてしまいます。
そしてきっと数年後には、「マサヒロはわしが育てた」と仰っているでしょうね、間違いなく。


話は変わりますが、つい先日、本屋でこの本を偶然見つけて、読んできました。
野村の見立て わたしが見抜いた意外な長所・短所野村の見立て わたしが見抜いた意外な長所・短所
(2011/06/18)
野村 克也

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「全12球団、選手・監督・フロントの超“激辛”通信簿!」
「史上初! 名将が見立てる12球団『近未来予想図』」

というアオリ文句の本で、目次は以下のとおり。
ルーキーの見立て ~斎藤佑樹がプロで成功するために必要なもの
捕手の見立て ~私が城島健司を酷評した理由
監督の見立て ~星野仙一は楽天で成功できるのか
新戦力の見立て ~なぜ巨人は毎年外国人獲得に失敗するのか
打撃陣の見立て ~私の現役時代と重なる、T-岡田の大不振
投手陣の見立て ~攝津正の配置転換は、先発陣に刺激を与える
フロント、コーチング・スタッフの見立て ~「10年先」を見据えるヤクルトの優秀な編成陣
球界の見立て ~プロ野球の近未来を考える


冷静なプロの目による分析と個人的感情論が混在していて(笑)、
とても楽しく興味深く読めました。もちろん楽天のページは全て熟読(笑)。
上記の目次の項目ごとに、全12球団について詳細に語っておられます。
2009年まで毎晩ニュースで見ることのできた「ノムさんのボヤキ」を、
自分の贔屓球団について語ってくれている、といった印象なので、
贔屓チームのある方は、一度お読みになるとおもしろいかと思います。

この中で、特に私の印象に残っているのは、
「今の各球団のフロントにはチームの長期的ビジョンがない。
目先の勝利に囚われて、すぐに監督を替える。選手を他から獲ってくる。
それだと、監督も勝ち優先になり、選手を育成できない。
だから今の12球団はどこも似たようなプレースタイルばかりで、面白くない。
今後、プロ野球がどうなっていくか心配だ」
「楽天イーグルスの監督として、私も星野も『このチームは弱い』と言った。
そこは同じ。だがその後が違う。
私は『弱いから、考えて野球するんだ、無形の力を育てるんだ、弱者の兵法を極めるんだ』と言った。
星野は『弱いから、ダメな選手をクビにする、トレードや外人助っ人で戦力補強する』と言う。
そこが決定的に違う」

この本を読んで、ああ、そうか。と、すとんと胸に落ちました。
「ドラフトもトレードも外国人も楽しみにしておいてください」という星野監督の言葉をお聞きしても、
私が少しもワクワクできない理由は、これなんだな、と。

冒頭の問いに戻りますが、あなたが「とあるスポーツチームのファン」である理由は何ですか?
私の場合、「東北楽天ゴールデンイーグルス」というチームが好きになったきっかけは、
田中将大くんという好きな選手が入団したことでした。
しかし、2007年の試合をほとんど全て見ているうちに、1~2ヶ月でチーム自体が好きになりました。
球界再編騒動で、近鉄バッファローズがなくなり、オリックスと合併した結果、
分配トレードで、いわば「いらない選手達」が集められてできた「寄せ集め軍団」。
社会人野球や独立リーグで長年野球をしていた、話題にならない地味な選手達も多く入団してきました。
1つ勝つのも難しくて、創設初年度は97敗。
それでも、弱くたって、下手だって、おじさんだって、体が小さくたって、
諦めずに頑張って、頭を使って、自分の役割に徹して、チームで一つの方向を目指して戦えば、
「ゾンビ打線」になったり「ノムニーニョ打線」になったりして、強いチームに勝つことができる。
「柔よく剛を制す」じゃないけれど、弱者なりに強者を打ち負かす戦術がある。
そんな姿にワクワク興奮と感動をもらって、夢中で毎試合見ていたのです。

プロ野球チームがファンに与えるべき一番の報酬は、勝利を見せること。
なので、成績の悪い選手や高額年棒の高齢選手を切って、
トレードや外国人で戦力補強して、勝てる選手をどんどん入れるのは、
球団フロントとして、監督として、正しい方針なのだろうと思います。
私のような視点でプロ野球チームを応援しているのは、間違っているのかもしれません。

おそらく私が、「球団が想定している来季のファンの構想」から外れているんだな、と思います。
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