今日は、夏の甲子園の決勝戦!
第93回全国高校野球選手権大会は、
日大三(西東京)が11-0光星学院(青森)で、10年ぶり2度目の優勝を飾りました。
おめでとうございます!
日大三高の強力打線が、決勝戦でもHR2本を含む13安打と大爆発しましたねぇ!
6戦連続二桁安打は、史上4校目の快挙だそうですよ。
投げては、6試合全てに登板したエース吉永投手が、
決勝戦でも散発5安打完封で甲子園優勝投手になりました。
一方、負けて準優勝となった光星学院は、
エース秋田投手が準決勝までわずか1失点の好投、
野手陣のエラーも少ない堅守のチームでした。
決勝戦では、序盤までは僅差のゲームになるかと思われたけれど、
3回裏にランナー2人を溜めてHRを打たれたあの1球から、ペースを乱してしまった感が……。
野手もエラー3つ……。
ここまでの大差で雌雄を決するとは思っていませんでしたが、
「特別な年に、悲願の白河越えを!」という沢山の期待の声が、
重いプレッシャーになってしまったのかなぁ。
「白河の関越え」とは、甲子園で東北地方の高校が優勝して優勝旗を持ち帰ること。
90年を超える長い高校野球の歴史の中で、東北の高校が甲子園で優勝したことは、
春夏通してまだ1度もないのです。
北海道の駒大苫小牧が2004、2005年の夏に2連覇したので、
優勝旗は「白河の関」の上空をひとっ飛びして、「津軽海峡越え」を先に達成しました。
東北にある高校野球部、いえ、多くの東北人にとって「白河の関越え」は悲願。
過去に夏は5度、春は2度、東北の高校が甲子園で決勝戦に進み、「白河越え」のチャンスがありました。
●1915年、夏(第1回大会)
秋田中(秋田)が京都二中(京都)に延長13回1-2でサヨナラ負け。
↓半世紀後
●1969年、夏
エース太田幸司を擁する三沢高校(青森)が、松山商(愛媛)と高校球史に残る死闘の末、
延長18回引き分け再試合の末に2-4で敗北。
●1971年、夏
「小さな大投手」田村隆寿を擁する磐城高校(福島)が、0-1で桐蔭学園(神奈川)に惜敗。
●1989年、夏
大越基を擁する仙台育英高校(宮城)が、帝京高校(東東京)に延長の末、0-2で惜敗。
●2001年、春のセンバツ
芳賀崇を擁する仙台育英高校(宮城)が、常総学院(茨城)に6-7で惜敗。
●2003年、夏
ダルビッシュ(現日本ハム)を擁した東北高校(宮城)が、木内監督率いる常総学院(茨城)に逆転負け。
●2009年、春
菊池雄星(現西武)を擁する花巻東高校が、今村猛(現広島)の清峰高校(長崎)に0-1で惜敗。
◆太田幸司もダルもあと一歩で涙…悲願の「白河越え」なるか(スポニチ8月19日付)
◆東北勢初Vへあと1勝!光星「特別な夏」に決める(スポニチ8月20日付)
私は今と違って、幼い頃から野球が大っ嫌いで、夏の高校野球中継もまったく興味がなく、
「チャンネル権を奪われて、見たいテレビ番組が見られない」と不満に思っていたぐらいですが、
そんな私ですら、「県の代表校は負けたけれど、東北の高校はまだ勝ち残っている」という言葉を聞くと、
「おお! 頑張れ」と内心応援していました(笑)。
東北人の多くが、「まずは自県の代表校を応援→敗退したら、他の東北代表校を応援」しているんじゃないかな?
ちなみに、「白河の関越え」という言葉を差別用語と感じ、不快感を抱く方もおられるそうです。
白河の関は、5世紀頃に東北の先住民「蝦夷」が南下してこないよう防ぐ砦として大和王朝側が設置したものであり、
白河の関より以北は、未開の野蛮の地と見なされ卑下されてきたから、という理由のようです。
私は、某お酒会社会長さんの「東北熊襲発言」で未だに微かな遺恨が残っている程度には、根っからの東北人ですが(苦笑)、
「白河の関」「白河越え」という言葉には、差別の意図はないと思うので、
それを嫌うのはナイーブ過ぎるのではないか、と個人的に思っています。
けれど、東北人には多かれ少なかれ、「我々は卑下されている」という中央へのコンプレックスと、
同郷の者同士の連帯感や頑固なプライドがあるように感じます。
だからこそ「東北には、かつて1度も優勝旗が渡ったことはない」という”野球後進地”のレッテルを
一刻も早く剥がしたい、という「白河越え」への悲願が根強くあるのかもしれないですねぇ。
残念ながら、難所「白河の関」は今年もまた越えられなかったけれど、
東日本大震災のあった特別な年に、決勝戦まで勝ち進んでくれた光星学院には拍手を送りたいです。
◆青森・三沢高OB太田幸司氏「被災地に勇気を与えた光星学院の健闘」(MSN産経ニュース8月20日付)
最後に、今年の夏の甲子園を振り返って。
今年は、延長戦が8つ、サヨナラ勝ちが6つ、という緊迫した試合が多かったですね!
外野からの好返球に痺れた試合も多かったなぁ~♪
節電対策として、試合時間が早まったり、決勝戦も9時半試合開始だったりと、
様々な変更があって、それに対応する球児達や応援団、観客、周辺地域の皆さんは大変だったようで。
◆初の午前決勝、例年と違った夏甲子園(産経新聞8月20日付)
それでも、今年の決勝戦を見ながら、昨年の決勝戦を思い出すと、
ゆだるほどの灼熱地獄で喘いでいる球児達を見ずにすんで良かったなぁ、と私は思います。
やっぱり午前中の涼しい時間に野球をしたほうが、本来の実力も悔いなく発揮できますよね!
白熱した好ゲームが多かったのも、「暑さで自滅」という要素が少しだけ取り除かれたからかも?
球児達があんな炎天下で連日試合をして、体を壊したり将来的に何かあっては……と思うので、
私の個人的意見としては、今後も今年のように涼しい時間帯に試合をしてほしいなぁ。
新聞各紙の今大会まとめ記事。
◆延長、サヨナラ…スリリングな試合多く 第93回大会振り返って(MSN産経ニュース8月20日付)
◆夏の高校野球:クロスプレー、劇的な逆転…今大会の名勝負(毎日jp8月20日付)
今年の夏の甲子園は、残念ながらあまりテレビ観戦できなかった日が多かったけれど、
今年もたくさんのドキドキと感動を貰えました!
甲子園に出場した49校に、そして全国4014校の全ての球児達に、
お疲れ様でした! ありがとう!!
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