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人間の強さと弱さ
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被災地泥棒、亡き息子思う夫婦…人間の「弱さ」「強さ」知る(MSN産経ニュース4月15日付)
世の中には、いろいろな考え方をしている、いろいろ人がいるのだと
東日本大震災のニュースに触れて、つくづく考えさせられました。
「人間の強さ」と「人間の弱さ」を。

被災地で横転した車からガソリンを抜き取る自称ボランティアの人。
大切な人を亡くして苦しい避難生活にあっても「話を聞いてくれてありがとう」と気遣う老夫婦。
コンビニに置かれた義援金募金箱を盗む人。
防災無線で「6メートルの津波が来ます。早く高台に避難してください」と呼び掛け続け、津波に流された女性町職員。
義援金の偽街頭募金や振り込め詐欺、被災地での補修詐欺、震災や放射性物質をネタにした悪徳商法に精を出す人々。
中国人研修生20名を全員高台へ無事に避難させ、自分は津波の犠牲となった水産加工会社の専務。
不要不急のガソリンや水や食料品を買い占める被災地以外の人々。
避難所より救援物資が不足し、ライフラインも復旧しないまま、近所で物を分け合い助け合う自宅避難民の人々。
「せっかく遠くから来たのに、自分がやりたい分野はないのか」と声を荒らげる自称ボランティアの人。
自分達のローカルコミュニティを活かして積極的に救援活動する元暴走族やギャルママ達。
興味本位で写真を撮るため被災地を訪れ、渋滞の一因となる人々。
避難所で1ヶ月間毎日ちゃんこ鍋の炊き出しを続けた解雇された元親方。
「津波は天罰。津波をうまく利用して我欲を洗い落とす必要がある」と発言する都知事。
ニュースを在日外国人向けに英訳して「落ち付け、冷静になれ」とYouTubeで訴える外人タレント。

福島県民であることを理由に飲食店への入店・ホテル宿泊・ガソリンスタンド利用を断わる人々。
「避難者と同じ風呂に入りたくない」という理由で、福島の宿の予約をキャンセルする客。
「福島の人はだめ」と診察を断る医者。
福島ナンバーの車を見て、「福島県民は来るな」と言う人々。
福島の子を「放射能がついている」といじめる避難先の学校の子。
福島県からの転入者に放射線スクリーニング証明書を出させようとする某市職員。
福島県からの瓦礫を処理すると協力を申し出た市長に、2500件以上の苦情が殺到する某市民。
(※但し、最後の1例だけは、単なる「NIMBY」の問題ではなく、
放射線汚染廃棄物の基準値や処理方法がきちんと決まっていない、という別の問題があります)
(※NIMBY=Not In My Back Yardの略。その施設が必要なのは解るが自分の裏庭にはあって欲しくない)

政府、原発事故の避難者を差別しないよう呼びかけ(AFPBB News4月19日付)
原発避難者が受けている差別まとめ(NEVERまとめ)
福島市の方からのメール(「Chikirinの日記」様4月19日付)

「放射線がうつる」と福島から来た子をいじめた子は、
「福島県民はお断り」と拒絶した大人達は、
知っているのでしょうか?
「日本は小さな島国。もう既に放射能に汚染されている」
と世界の人々から誤解されているということを。
自分達が”福島県民”に対して抱いている謂われなき偏見や差別を、
自分もまた”日本人”として受ける立場だということを。

「放射線」という目に見えない恐怖が、得体のしれない不安と誤解を呼び起こし、
情報不足・理解不足のために、偏見と風評被害を生み出している、と各紙が論じています。
この理不尽な差別をなくすには、正しい知識と情報に基づく冷静な対応が一人一人に求められます。

被災者支援 福島を四重苦にするな(東京新聞4月18日付)
>前川和彦・東京大学名誉教授
>「原発周辺からの避難者は被ばくを受けたわけでもなく、汚染も否定されている人たち。
>差別される理由が全く理解できない」


人への風評被害 心ない仕打ち恥ずかしい(MSN産経ニュース4月21日付)
>文部科学省のデータによれば、福島市内の最近の放射線量は毎時1.9マイクロシーベルトで、
>この1カ月間ずっと野外で生活したとしても胃のX線集団検診2回分でしかない。
>胃検診の受診者を危険だといって避ける人はいないだろう。


社説:人への風評被害 差別的な行為はやめよ(秋田魁新報4月21日付)
>福島県は原発事故の発生直後から県内各地でスクリーニングを実施しており、
>これまで延べ10万人以上が検査を受けたが、健康への影響が心配されるケースは皆無だという。
>まして放射性物質は病原菌ではないため、人から人へ感染するなどあり得ないことだ。


「原発」避難者 偏見の芽は早く摘まねば 東日本大震災(西日本新聞4月21日付)
>いずれも情報不足や理解不足が招いた偏見による差別である。
>なくすためには放射性物質に対する不安と誤解を解き、速やかに偏見の芽を摘む必要がある。
>それには、的確で迅速な情報提供と、正しい知識を分かりやすく説明することが欠かせない。
(中略)
>「原発」避難者に対する偏見や差別がこれ以上続くようでは、
>唯一の被爆国として、私たちは何を学んできたのか、ということになる。


【東日本大震災】原発避難者に 「フクシマ差別」(SANKEI EXPRESS4月20日付)
>なぜ、こうした差別や偏見が起きるのか。
>臨床心理士の矢幡洋氏は
>「人間は不安な心理に陥ると、不安の対象が過剰に一般化してしまう傾向がある。
>例えば、福島産の一部の野菜から放射性物質が検出されると、
>福島全体が危険だという錯覚に陥ってしまう」と指摘する。
>いわれのない誤解を解くには、正しい情報に接することが有効だという。
>新潟青陵大学の碓井真史教授(社会心理学)は
>「あるグループに所属しているだけで、マイナスイメージを持つ偏見の問題が起きている」との見方を示す。
>今後の対応については、「健康に被害がでるような被曝(ひばく)は確認されていないし、
>避難者から別の人への被曝が、科学的にあり得ないということをきちんと説明することが大事だ。
科学者からの正確な情報と、社会的な力を持っている人たちの断固とした意見表明が求められている」と話している。


そして、被災地を実際に訪れて救援活動をするでもなく、
遠く離れた自宅で情報を見ては、ただ胸を痛め涙を流し、
物知り顔で”人間”を語るだけの、この私。

被災者の立場に立って思いやる言動ができるのか。
正しい情報を得て、冷静に判断し対応できるのか。
非常時にあって、その人間の本質が見えてくるのだな、と感じます。
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(非公開コメント受付中)

5/18に拍手からコメントを下さったH様
過去記事にもお目を通していただき光栄です。

>人間は弱いし強い
>誰からも言われず自発的に活動している子供たち
>見ているだけで心が和むとともにわが身をふりかえる
そうですね…。
避難所にいた方が「新燃岳のほうから野菜を送っていただいて有り難い。
噴火のニュースを見ても自分は募金もしなかったのに。申し訳ない」と話していました。
遊ぶ金欲しさにコンビニの店頭で面白半分に募金箱を盗む少年少女も、
もしも自分が被災地にいたら、懸命にボランティアに励んでいたのかもしれません。
「被災地のために何か自分のできることを」という気持ちは持っていても、
自分の生活を守る買い占めは、また別問題としてやってしまう人も多い。
人間は、強くもあるし、弱くもある。
その時、その場所、その環境によって、
まったく違った言動になるのかもしれないですね。

緑茶から基準値を超える放射性セシウムが検出されたニュースにも、胸を痛めました。
お茶に限らず、農作物、海産物、家畜……
長い年月をかけて丹精込めて育てたものや、苦労して得たものが、
「廃棄物」のように扱われるのは断腸の思い、筆舌に尽くしがたい悔しさでしょう。
しかも適切な基準値や、明確な対策がないのもまた、
将来の希望が見えず、心労も倍増だろうと思います。
人災で振り回されている方達が、1日でも早く穏やかな日々を過ごせることを切に願います。

いつも考えさせられる奥の深いコメントをどうもありがとうございます。
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