全力プレーをありがとう!

昨日行われた、センバツ甲子園大会6日目の1回戦最後の対戦。
震災の被災地・宮城県から出場した東北高校が、大垣日大と対戦し、7-0で敗退しました。
だけど、最初から最後まで精一杯の全力プレーで、勇気と感動をもらえました!
両チームとも最高のプレーを、どうもありがとう!



大垣日大(岐阜)は昨春のセンバツでベスト4の強豪校。
昨日の試合でも、先発全員安打で計17安打7得点と打線が爆発。
左腕エース葛西くんは10奪三振、4安打完封でした。
一方、東北のエース上村くんは、昨秋の明治神宮大会で最速136km/hでしたが、
この試合ではほとんどが120km/h台中盤。
東北打線も、5点を追う3回にあわやホームランの当たりがあったものの、
ツーベースヒットと訂正されて、結局「幻の2ラン」に……。
(この誤審がなければタイムリーヒットとなってランナーがホームに帰っていたと思うので、
ホントは7-1だったかもしれませんが…)
結局、東北高校は1点も取れず、完膚なきまでの完敗。
テレビ観戦しながら、東北高校を応援していたので、
試合終了時には、テレビの前で思わず涙してしまいました。

「被災地に元気を与えるために東北が勝ったほうがいい」「大垣日大、空気読め」
と思う人も、もしかしたらいるかもしれませんね……。

初戦の相手・大垣日大がエール「東北、頑張れ!」…さあ、センバツ開幕(スポーツ報知3月23日付)
>大垣日大関係者によると、同校には抽選会後、「負けろ」などといった中傷の電話などが相次いだ。
>一方の東北にもセンバツ出場を批判する声が届いている。


こういうことを、この日本の非常時に、わざわざ学校に電話して言う大人達って、
いったいどうしたいのでしょう……。どうなれば、満足なのでしょう?
大垣日大が手を抜いてわざと負ければ、被災者が励まされると?
東北高校が被災地の学校なのに出場するのは不謹慎で、出場辞退すれば被災者の気が休まると?
「お涙頂戴の筋書きがあるドラマ」ではないんです。現実なんです。
被災地が今直面している試練も。球児達が戦っている甲子園の試合も。
本気で一生懸命にプレーしている球児の姿こそが、
観ている人達に、困難を乗り越えようという勇気を与えるんじゃないかと思います。

私は、同情とか手加減とかせず、全力で戦った大垣日大に、心から拍手を贈りたいです!
そして大差をつけられても最後の最後まで全力プレーを貫いた東北に、ありがとうと言いたい。

畑が先頭打者弾!大垣日大「礼儀」全員の17安打(スポニチ3月29日付)
あきらめてたまるか!東北の気迫に日本中が拍手…センバツ第6日(スポーツ報知3月29日付)
こみ上げてきた「ありがとう」 大垣日大、本塁前交わす言葉(asahi.com3月29日付)

大垣日大の名将・阪口慶三監督は、22日開会式リハーサル後に東北の五十嵐監督と堅く握手し、
「こういう状況で何も言えないくらいつらいです。
こうなったら感動を呼ぶ最高のゲームをしましょう」と言ったそうです。
さらに、「ぜひこのボールを使って下さい」と、
新品の硬式球5ダースを「頑張れ東北」と書かれたのしがついた段ボール箱に入れてプレゼントし、
「頑張ろうね、頑張ろうね」と東北の選手達を温かく激励したそうです。

坂口監督は、試合前から
「全力で必死にプレーすることが東北高校に対する礼儀」と仰っていて、
大垣日大ナインもその言葉通り、全力でプレーをしていました。
先頭打者ホームランを打った畑くんも、
「やりづらさは全然なかった。(被災地にある)東北は大変だけど、
相手に応えるためにも精いっぱいのプレーをするのが礼儀だと思った」
とインタビューに答えていました。

試合後の整列では、挨拶をした後で両ナインが歩み寄り、握手をして言葉を交わしました。約2分間も。
東北ナインは「ありがとう」「決勝まで行けよ」と声をかけたそうです。

阪口監督は、東北高校に「魂と迫力を感じた。教えてもらったことを次に生かしたい」と敬意を示し、
試合後は五十嵐監督に「これをご縁に練習試合ができたら…。よろしくお願いします」と頭を下げたとか。

東北の主将でエースで4番の上村くんは
「大垣日大が全力で戦ってくれたことがうれしかった。
胸を張って帰りたい。一から練習してもう一度、夏に戻ってくる」と力強く前を向きました。
大垣日大主将の小財くんは「自分たちもあんな風になりたい」と言いました。

7点差をつけられても、最後の最後までベンチも大きな声を出し、
グラウンドでも常に全力疾走して、諦めずに戦い抜いた東北ナイン。
そして、気合いの入った速球をズバズバ投げ込んでいた葛西くんや、
甘い球を見逃さずにどんどん攻めて、本気で戦っていた大垣日大ナイン。
両チームの姿に、心が熱くなりました。どうもありがとうございます!


この試合の直後の第2試合は2回戦で、九州国際大付4-2日本文理でした。

九州国際大付「東北のために優勝したい」8強入り…センバツ第6日(スポーツ報知3月29日付)

東北高校をかつて指揮した九国大の若生監督は、
アップ中の室内練習場で、第1試合をテレビで見つめ、
「やっぱり気になるよ。東北の分まで(頑張ろう)という気持ちはあった」
さらに、三塁側ベンチで敗退した東北・五十嵐監督と我妻コーチから
「頑張ってください」と言葉をかけられ、
「自分たちが借りを返すつもりだった」と仰っていました。
九国大の球児達も、「親近感がある。東北のために優勝したい」「監督の故郷のために頑張りたい」
と試合後インタビューで答えていました。

「被災地を励ますために」と言って試合に臨んでもらえるのは、とてもありがたいです。
でも、被災地に関係のない学校の球児達も、
どうか自分のためにも、憧れの甲子園で、全力プレーをしてほしいです!
ただ一生懸命なその姿が、元気をなくした今の日本人を勇気づけてくれると思うので。
どの高校が優勝するのか楽しみです♪
関連記事

1 comments

非公開コメント

0 trackbacks

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)