アニメが終わって早や半年が経ちましたが、私の感想文、実はまだ終わっていません……orz
すっっかり遅きに失した感はありますが、宿題を残したままなのも落ちつかないので、
本日は半年ぶりのアニメ2期感想!
第12話「9回」の感想です。
実を言うと、思い入れがありすぎて筆舌に尽くし難かったため、感想が遅くなりました(苦笑)。
約9ヶ月前に書いた原作コミックスの感想でも、
今回の第12話と同じストーリーについて詳しく感想を書いていますので、
ご覧いただければ幸いです。
・おおきく振りかぶって14巻感想(2)(2010年5月1日付)
・おおきく振りかぶって14巻感想(3)(2010年5月2日付)
※野球素人の腐女子によるネタバレ感想です。
腐った妄想を含みますので、お嫌いな方はご注意ください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、ご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします!
●埼玉県大会5回戦、美丞大狭山7-5西浦、
9回表、美丞の先頭打者竹之内くんがヒットで塁に出て、ノーアウトランナー一塁、
というところからAパートが始まります。
美丞ベンチはモモカンのサインを解読しているので、
1番ショート川島くん、楽々とヒット。
石川くんバントで送って1死二・三塁。
ヤノジュンがカーブを打って三遊間を抜き、8点目! 美丞8-5西浦。
得点が入ると歌う美丞大狭山高校校歌がここで流れないのは、
この後のショッキングな得点シーンで効果的BGMにするためかな?
塁上のヤノジュンに美丞ベンチから滝井さんが「てめえ犠打だっつってんだろがよお……」と、
地獄のうねうね電波を飛ばしてますvv 萌える~vv(←え?^^;)
てゆーか、このシーン、アニメだけ見てる人(原作未読の人)には意味不明じゃないかな?
滝井監督が怒ってるのはなんで? 鋭いヒットで1点追加したから別にいーじゃん、と。
ホントはヤノジュンが打席に入った時に「犠打を打て」ってサイン出してたんですよね。
セリフがカットされてしまったので視聴者には解らないけれど。
それに、先程のバントシーンでも、直前の滝井さんのモノローグ
「サイン読んでる状態で打ててカン違いされちゃ先がねェ。緊張感保っとけよ!」
が省略されちゃって残念orz
西浦(モモカン)のサインが完全に読めてて、打とうと思えばどんどん打てる状況なのに、
敢えてバントや犠打をさせ、意図どおりに意識して打って点を取る、という
次の試合を想定した実地訓練をしたいんですよね、滝井監督はきっと。
先(=準々決勝以降)まで見据えた滝井さんの戦略が垣間見えて、好きだったんだけどな~。
●8回裏に必死でとった分の1点が、あっという間に返されて呆然の三橋くん。
「なんかおかしーよ」と野生の勘でw気づく田島くん。
モモカンに呼ばれて西浦ベンチに戻り報告する辺りの、ちょっとテンパッてる田島くんが、
滅多に見られない様子でか~わええ~vv
モモカンが田島くんに配球を組み立てるように指示し、
「三橋くんと協力してね!」「イヤな球には首振るように言いなさい」と言った時の、
阿部さんの顔が”家政婦は見た!”的なサスペンス劇場ちっくな表情でちょっとニヤけましたw
細かいけれど、ベンチからマウンドに戻ってきた田島くんに「お疲れ」と声をかける水谷くんが好きです。
そういう気遣いの言葉を、いつも自然に掛けられる子なんですよねvv
●1死でランナー2人置いて、4番・和田くん。
滝井さんのサインは「好きに打ってよし」。一方、モモカンもサインは出さず。
しかし、和田くんは「次はストライク」「速い変化球」と西浦バッテリーの配球を読みきって、
スリーランホームラン。
この打たれた瞬間に「うわっ!」と振り返る三橋くんの顔と、スタンドに飛び込んだボールを見ると、
体に震えが走ってしまいます。何度見ても。(もはや訓練されている^^;)
4番がHRを打っても当然とばかりに、無表情で微動だにしない滝井監督。
そして、不動で立ち尽くすモモカン。グラウンドの西浦ナイン達は呆然自失。
唯一、ベンチ奥の阿部くんだけが「くっ」と項垂れるのが、リアルで胸が痛みます……。
三橋くんが「じゅういち、たい、ご……」と呟く声も、
「オレ、大丈夫、だよ」と田島くんに言う生気のない声も。
●ところで、アニメ2期の感想で「原作のあのセリフが、あのシーンが削られた」と
小さな不満を零すことの多かったワタクシですが。
なにしろアフタ掲載時→単行本発売時、と同じストーリーについて2度感想を書いているので(苦笑)、
アニメで3度目ともなると、原作とアニメとの相違点や新たに感じたことが感想の中心となってしまい、
ついつい”引き算”で見てしまいがちに。スミマセン。
だがしかーし! この第12話は、原作を超えた……!
アニメ化してくれてありがとう! ありがとう! と感動しました。
特に、演出(絵コンテ)が素晴らしい!!
第12話の絵コンテ&演出は監督の水島努氏!
うう~ん、気合い入ってるなぁ~vv さすがは監督!
●演出で感動・その1。
HR打たれた次の打者にフォアボールを与えてしまうシーン。
畳みかけるように次々と投げるボール、合間の声優さん達の焦る声の演技、不穏なBGM、
そして「はい、らない……」と愕然としている三橋くんのアップからは背景が微妙に斜めに曲がって。
(今までは背景の水平方向が歪んだりしたことなかったのに)
三橋くんが感じている不安にシンクロして、見ている側も嫌な胸騒ぎに鼓動が高鳴り始めます。
そして続く、栄口くんのエラーのシーンも、
「捕ってやんなきゃ、ここは、絶対!」という切羽詰まった栄口くんのモノローグからずっと、
三橋が投げる→打者が打つ→ボールが上がる→こっちに落ちてくる、と全部栄口くん視点なんですよね。
三橋くんが「阿部君いないから、キンチョウ……」と考えている間も、
原作漫画とは違い、ロージンを握りしめて小刻みに震える右手が、ずっと画面に映っていて。
この一連の緊迫したシーンを主観アングルで見せてくれるので、
西浦ナインの焦りが全部”自分のこと”のように感じられ、当事者のごとく引き込まれました。
水島監督、上手いなぁ~vvv
●三橋くんが「栄口君も、阿部君いないから? 阿部君の、せいなのか?」というシーンは、
原作漫画だと、ここで三橋くんが自覚した! って感じのコマ割り&セリフ強調で、
私の大好きなシーンだったんですが、アニメは少しだけ違ったアプローチですね。
でもこの後が良いんだこれが! 演出で感動・その2。
三橋「オレの、せいだ」で、三橋くんのアップの瞳に光が灯り、そして、
「ワンナウト――――――ッ!!」
(´;ω;`)ブワッ 涙 腺 決 壊。
この三橋くんの声を聴くたびに、無条件で必ず目がウルウルします。
何度リピートしても必ず。
原作漫画では1ページの1/4コマだったこのシーン、アニメで最っ高の感動をもらえました。
ああ、三橋くんの声を演じるのが代永翼さんでほんとうに良かった……!
そして、アニメの監督が水島監督で良かった……ありがとう!
毎度見るたびに、つくづくそう思います。
その後の「オレが、エースなんだ」も、下から見上げるあおり視点で
マウンドに立った三橋くんの背番号「1」と広い球場、青い大空が映っていて震えが走る……!
●三橋くんの一声で息を吹き返した西浦ナイン。
ファウルボールを必死でアウトにする沖くんの動きがイイ!
二死でバッターは美丞捕手の岳史くん。
彼にとっては覚悟の「(野球人生)最後の打席」。
だから美丞応援団のブラバンも、水島監督とっておきの「ピンクレディーの『サウスポー』前奏付き」です。
いよいよ9回表のクライマックスだ! って雰囲気が満ちていますねぇ!
美丞のチャンスを応援する曲なんだけど、
西浦(と感情移入して見ている視聴者を)鼓舞するような音楽に聞こえますね。
「三橋が大丈夫なら、オレ達はあきらめねェ!」という田島くんのモノローグ、
11-5の絶望的なスコアが一瞬、背後に重く圧し掛かるものの、ふーっと息を吐いて
「オレだって、あきらめない!」と自分で強い気持ちを奮い立たせる三橋くん。
名場面が続きますvv
そして、初めての首振り。
てゆーか三橋くん、マウンドの上でそんなにキョドったらボーク取られかねんぞ(笑)。
良かったね、投球モーション入る前でw
首振った後から、BGMが盛り上がる曲に変わるのがまた堪らんなぁ~vv
三橋くんの渾身のカーブで、岳史くんを見逃し三振!
「ナイピッチ!!」と三橋くんに雪崩れかかってダンゴになる西浦内野陣かわえええvv
一方、岳史くんの「これで野球にケリつけるんだ!」「1回も、振れなかった」というモノローグが、
これで「最後」だったのにと思うとなんとも哀しい……。
●Bパート。
西浦ベンチの奥で阿部くんに「打たれた、よ」と報告する三橋くん萌え~vv
第12話は絵コンテ・演出だけでなく、作画も可愛いっすねvvv
なにしろ作画監督が3名で、作画監督補佐9名、原画31名、第二原画22名って!(唖然)
あ、ありえねぇ……(滝汗)。まさに制作現場も死に物狂いの総・力・戦!
西浦ナインはベンチ前で円陣組んで声出し!
このシーンはいつも気持ちが高揚します♪
花井「きゃつぞ!!」←勝つぞ、が気合い入りすぎてKISHOW的巻き舌になってるww
スタンドのハマちゃんも気合いの入った応援!
「今日一番おっきい声をお願いします!」←ます、が裏返ってる辺りが臨場感あるなあvv
●トップバッター巣山くんは初球のストレートをセンター前!
ハマちゃん達応援団も、巣山くんも、一塁コーチャー栄口くんも、鬼気迫るいい顔してる!
さあ! お待ちかねの「宝石みたいでやんなっちゃう♪」な田島様!!
「さっこい!」が生き生きしててカッコイーvv
ここで来ました、演出で感動・その3!
田島くんの打った球が三塁線際に落ちて、後ろに引いていくカメラの方へ転がってくる!
「巣山、行ける!」という三塁コーチャー泉くんの合図で、三塁を蹴ってホームへ走る巣山くん!!
な に こ の 疾 走 感!!
以前も書きましたが、走る巣山くんと背景の両方を同時に動かしていて、
すぐ目の前を駆けていくような臨場感と迫力!!
カメラアングルがグラウンドスレスレの低い位置からずっと巣山くんを捉えてて、
途中でコーチャーの泉くんの脚の間から見えたりして、
最後はカメラがクレーンで上に引き上げられるようにして、上からの俯瞰でホームインを見つめる。
なんかまるで映画を見ているみたい……!
こういうアニメ技法をなんて言うのか知らないのですが、作画にものっすごい手間かかりますよね!
某巨大掲示板でも賞賛の声しきりだったようですよ。(↓まとめブログ)
◆【作画スレ】おお振り第12話、水島監督総力戦の神回だったな!【水島努】(「ワゴンの神様」様2010年6月18日付)
す、すごいなぁ……このシーンは見る度にぞくぞくと興奮!
西浦スタンドで景気づけの水を観客にぶっかける梅原くんのシーンもリアルでイイ♪
まだ行けそう! 西浦きっと逆転できるよ! という前向きな気分になってきますねvv
●しかーし、”ここぞのチャンスに弱い男”花井が予想通りの3球三振……orz
だがそれでこそ梓!←
てゆーか、花井くんが打席入る前の、二塁上での田島くんのモノローグ、
「花井打てよ! もう1点入れればこいつらの顔色変えられるぞ!」
なんで省略しちゃったのよぉおおお~(T◇T) とてもとても萌える……だけでなく、
1点取られたぐらいじゃ平気な美丞ナインに悔しそうな田島くんがいい味出していたのに。
●1死二塁で、バッター沖くん。「オレが打たなきゃ、次は……」
ネクストで青褪めている西広くんが痛々しい……。
ヒットエンドランで三塁へ走る田島くんのシーンも、
カメラアングルが田島くんの足をなめつつ遠くにピッチャーやバッターが見えてメッチャ凝ってる!
沖くんの打球を、軽く跳んでステップ踏んで処理するヤノジュンの動きもリアルvv
そしてヘッスラ沖くんがアウトになるシーンは、アップや主観じゃなく、引いたカメラで客観的に。
にくい演出だなぁvv
●2死三塁。あとアウト1つで試合終了。とうとう西広くんの打席……。
西広くん、唇がわなわな震えている……(T-T)
私の涙腺も盛大にスイッチオーン!
BGMがレクイエムみたいに重苦しい前奏から、血沸き肉躍る盛り上がりに。
奇跡が起きるか!? と視聴者の緊張と拍動を煽る音楽ですね……!
必死の形相で腹から声を出して声援を送るベンチの三橋、花井、巣山。
声を嗄らして「にっしひろ!」コールを続ける西浦スタンド。
岳史くんが淡々と構えるミットは、3球全部ど真ん中……。
西広役の木村さんの演技がもう、ね……ボロボロ号泣・゚・(つД`)・゚・
このシーンは原作を読み返しては泣き、アニメを見直しては泣き。いつも100%涙目。
どんだけおお振りに涙搾りとられてんだアタシ^^;。
水島監督が仰ってましたが、西広くんが三振して試合が終わる衝撃的瞬間は
敢えて「無人カメラ」にして、遠くから全体を見渡す第三者の視点で淡々と見せていましたね。
このクライマックスへの感情の盛り上がりと、負けた瞬間にぷつんと糸が切れるような鎮静。
メリハリの効いた演出がこれ以上なく効果的だなぁ! 演出で感動・その4♪
●この後のシーンは……もう……言葉にならないや。
西浦応援団のスタンド前に整列した西浦ナイン。
彼らをスタンド席から見下ろすカメラアングルが、自分もそこで応援していたような気持ちに。
泣き崩れる西広くんの動きがリアルだ……(T-T) 両脇から抱えあげる花井くんと沖くんも。
栄口くんは本誌掲載時は泣いていましたが、単行本14巻では涙は零さず、加筆修正されていました。
アニメは単行本発売前に作画だったから、本誌バージョンでしたね。
そして、三橋くんと阿部くん。
本誌感想でも単行本感想でも、感動に震えましたが、
……涙が溢れすぎてテレビ画面がよく見えないよママン……。゚(゚´Д`゚)゚。
この胸の内に打ち寄せる感動の大波を表現するには、何を言っても、言葉が足りない気がする。
ただ一言。嗚呼、アニメありがとうアニメ……!!
●「はい、そこまで!!」というモモカンの一喝でビシッと締めくくられて、
西浦ナインはこの敗戦を糧に次のステップへ……!
涙をベロベロ舐める三橋くんがカットされたのは残念(水島監督も入れたかったそうで)だけど、
「2週間で新人戦」というモモカンのセリフに、前向きな西浦の未来を感じますね!
……リアル時間ではまだまだ遠い先みたいですが^^;。
この第12話「9回」、今まで私が見たアニメの中でも指折りの神アニメでした。
「負け」に至るクライマックスの盛り上げ方、「負け」から得られたカタルシス。
繰り返しになりますが、この監督さん、この制作スタッフ、このキャストでアニメ化してもらえて
ほんとうに幸せだったとつくづく感謝!
今回の感想は、いつもに輪をかけて興奮しすぎの支離滅裂で、お目汚し失礼致しました。(土下座)
千代ちゃんの次回予告は、第13話「また始まる」。
でも私のアニメ2期感想、次回はテレビ未放送回の
OVA第12.5話「目標」について書きます♪
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