リアル西浦

野球部ができて、まだ半年。
部員は全員1年生。
そんなチームが県大会で準優勝、地方大会に勝ち進んでまたも準優勝。
もしかしたら、春のセンバツ甲子園に出場できるかも……!?

こんな高校野球漫画があったら「え~、ちょっとご都合主義なんじゃない^^;?」
とツッコミたくなるかもしれませんが。

漫画じゃありません。
現実なんです。
事実は小説より奇なり。

10月31日に行われた秋季中国地区高校野球大会決勝戦、
創志学園(岡山)が準優勝となりました。
創志学園に硬式野球部ができたのは、今年の4月。
部員は1年生のみ。
部員は皆、高校野球を始めてまだ7ヶ月なのに、この快挙。

すっご~い! リアル西浦みたいvv



センバツ前進!オール1年生の創志学園(日刊スポーツ11月3日付)
創志学園センバツへ夢膨らむ 秋季中国高校野球 関西が優勝(MSN産経ニュース11月1日付)
高校野球秋の中国大会 県勢対決 関西がV(YOMIURI ONLINE11月1日付)
高校野球:1年生だけの創志学園が決勝進出 中国大会(毎日jp10月30日付)
中国大会決勝進出の野球部は…創部半年、全員高1!(asahi.com10月30日付)
創志学園4強!創部半年で甲子園王手(デイリースポーツ10月24日付)

創部からたった7ヶ月で、中部地区大会準優勝、センバツ出場の可能性も?
という野球部にどうやったらなれるのか、
西浦との共通点と相違点を知りたくて、創志学園野球部について情報収集してみましたよ。
上記の記事を以下にまとめてみました。

●部員は全員1年生
部員は28人。
岡山県内出身者が15人で、中学時代から県内では有名な選手も。
兵庫や大阪出身の部員が13人。
寮は学校が空き家を借りたもので、23人しか入れないため、県内の部員5人は自宅から通っている。
主将くんは「創部1年目なら1年時から試合に出られる」と創志学園に入学したそうですよ。

●環境は恵まれていない
専用グラウンドはない。
校内の正方形のグラウンドは対角線の50メートルが最長で、内野程度の広さ。
ナイター設備は電球が2個ついた照明器具1機しかない。
校内グラウンドでの練習は週2~3回行われるだけで、
残りの週2~3日は約20km離れた系列大学のグラウンドまで約40分かけてバスで通い、
また、週2日ほど県営球場を借りて練習。

創部時の予算は他の部とほぼ同額で、200万円に達しない額。
用具費などで瞬く間に準備金はなくなった。
入学当初はボールもバットも防球ネットもなかった。
石ころだらけのグラウンドが整うまでの1ヶ月は、走り込みや素振りを続けた。
現在も140km/hが出るピッチングマシンはない。
応援団もブラスバンドもない。

●練習時間が多い
1年生だけだから球拾いもなく、守備などの基本練習を徹底できた。
また、部に上下関係がない。選手28人が同じように成長してきた。
平日でも体育コースの授業の一環として午後から練習ができる。
そのため練習時間は他校よりも多い。
4~6月は土日も練習試合を組まず、基礎練習と体力強化に費やしていた。

●優れた指導者
長沢宏行監督は、2005年に創部2年目の神村学園(鹿児島)をセンバツ準優勝に導いた名将。

●転機は夏合宿
初の公式戦は夏の県大会。初戦で金光学園に0-7(7回コールド)で完敗。

夏休み中の8月に10日間の強化合宿を行った。
10日間、朝7時から午後5時まで野球漬けで、
宿舎からグラウンドまで片道4kmをランニング。さらに投手陣は砂浜も走った。
体を作るため無理をしてでもご飯を食べた。
あまりの辛さに部員が1人辞めてしまったほど。
エース投手くん曰く「個々の能力も上がって、みんなでキャンプを乗り越えて団結力が出た」。

●大会中、勢いに乗った
中国大会の初戦から準決勝までの3試合全てで1点差勝ち。
しかも1度もリードを許さなかった。
初戦は延長戦を制し、2回戦は1回に挙げた2点を守り切って勝利。
走攻守も投手も特別に突出したものはないけれど、1試合ごとに成長して自信をつけていった。

●データ野球で技術面をカバー
2回戦では、相手の1年生投手のクセを見抜き、監督が立ち上がりの直球狙いを指示。
修正される前の初回に2点をもぎ取った。
準決勝は、打者ごとに外野手の守備位置を大きく変え、それが悉くはまった。
外野の間を抜けそうな打球でも余裕を持って捕球できた。


中国地区大会の決勝戦は、岡山の強豪・関西に0-4で敗退しました。
関西高校はこの中国大会、全試合(32イニング)失点0。すごい!
秋季県大会決勝も同じ顔合わせで、この時は関西に1-17だったので、
創志学園は善戦したといえますね。
投手陣は関西打線に15安打を浴びたけれど、4失点で凌ぎ、成長の跡も見られます。
長沢監督は、冬期間に投手陣の球速アップ、野手の体力アップと
気持ちの部分を鍛えたい、と抱負を語っていました。


センバツ高校野球の出場校は、秋季大会の成績をもとに、
中国&四国地方から5校選ばれます。
中国地区大会で2位、しかも創部1年未満、ということで
甲子園出場の可能性もかなりありますよね? ワクワクvv

ちなみに、甲子園最短出場記録は、2002年夏の遊学館(石川)です。
創部から1年4ヶ月目での甲子園出場。
もし創志学園が来春のセンバツ出場校に選ばれたら、これを上回る史上最短記録になります。

1年生だけのチームが甲子園で躍動……!
さすがに「おおきく振りかぶって」でもそこまでは見られないかな? と思っていましたが、
この西浦みたいなチーム、リアルにこの目で見てみたいなぁvv
もしかしたら「おお振り」でも、1年の秋大であれよあれよと勝ち進めば、
2年の春に甲子園に立つストーリーが見られるかも?ww
……2年の春が掲載されるのが、いつ頃になるのかは分かりませんが。(遠い目)
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