エースの背中

昨日8月22日、Kスタで行われた試合は、
楽天4-0ソフトバンクで楽天イーグルスが勝利。

先発した田中投手(マー君)は10本もヒットを打たれたものの、
プロ4年目にして初の無四球で完封! 11勝目を挙げました。
今季最速154km/hの豪速球を3度も計測するわ、
新球・140キロ台で落ちる(!)SFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)を披露するわ、
100球以上投げているのに9回の最後の打者にも154km/hの豪速球で攻めるわ、
9奪三振で何度もマウンドで雄叫びを上げるわ、
気迫溢れるピッチングだったそうです。
(……また見られなかったorz くぅ~、是非とも見たかったこの試合)

圧巻は、8回表。
ヒット2本と盗塁で、無死二、三塁のピンチを迎えました。
とりあえず4点リードしているし、無死二、三塁じゃあ最低でも1点は取られることを覚悟しないと……。
ところが、マー君は「無失点に抑えるには三振しかない」。
1点もやつるもりはありません。
3番松田選手は、追い込んでから145km/hのSFFで空振り三振!
4番小久保選手は、初球に153km/hの直球を打ち上げさせショートフライ!
5番多村選手は、同じく153km/hの豪速球でサードゴロ!
なんと無失点で切り抜けました。

それもこれもチームメイトに「エースの背中」を見せるため、だったらしいですよ。



東北楽天ゴールデンイーグルス、ただ今ダントツのパ・リーグ最下位です。
前日までで、48勝62敗、借金14。
パ・リーグ5位のオリックスが借金1ですから、
楽天だけが一人負け。パ・リーグ他球団の”お得意様”状態です。
現在も5カード連続の負け越し中で、前日まで3連敗。
前日の試合は、同じソフトバンク相手に1-13の滅多打ちでボロ負け……orz
エラー絡みの失点や、踏ん張りきれない投手陣、チャンスで凡退の打撃陣……。
あと1つ負けると、自力でCS(クライマックス・シリーズ)に行く可能性も消滅しちゃう。

昨日のマー君は150キロ台の豪速球を連発したり、マウンドで何度も吠えたりと
明らかに気合が入っていました。
楽天のベテラン山崎選手も「田中は12気筒エンジンを積んどる」と絶賛したそうです。
試合後のマー君が言うには、
「きょうこそは完封したかった。
チームが波に乗りきれない状況で、流れを変えたかった。
どうやったらチームの流れが変わるのか、マウンドで示すしかなかった。
野手は投手の背中を見て守っている。何か感じてもらえたら。
今年初めて自然と吠えてました」
マー君、初の無四球完封!CS消滅危機救った(スポニチ8月23日付)

楽天チームの低迷と、甲子園の熱戦が、マー君の闘志に火をつけたようです。
練習の合間を縫って連日テレビで甲子園観戦をしているマー君にとって、
今年一番印象に残った試合は、20日の準決勝、興南vs報徳学園戦だそうで。
「報徳が5点リードしていたけど、試合の流れが変わるのはテレビを通しても分かった。
島袋君が8回に3者連続三振を奪って、試合の流れを完全に自分たちのものにした。
いかに流れをつかむか勉強になりました」
「(楽天は最下位だけれど)モチベーションが下がることはない。
僕は投げられることがうれしい。
甲子園でも、みんな楽しそうにプレーしていましたよね」
マー君、高校球児から「勉強」(サンスポ8月23日付)


高3年の夏。あの高校野球史に残る「早実vs駒苫 決勝引き分け再試合」の年。
実は、マー君は甲子園入りしてからウイルス性胃腸炎にかかり、体調は最悪でした。
初戦の南陽工戦でも、完投勝利をしたものの弱気なピッチング。
その試合後、当時の香田監督にこう言われたそうです。
「野手はみんな、おまえの背中を見て守ってるんだ。
おまえが強い気持ちを持たないと野手も不安になるんだ!」
マー君曰く、
「あの言葉で、いつもマウンドでみんなに信頼されるような姿を見せないといけないんだと思った」
マー君“エース像”の原点は3年夏の甲子園(スポニチ8月23日付)


おお振り好きな私としては、
あの感動的なシーンを思い出し、胸が熱くなりました。
原作14巻、美丞大狭山戦の9回表で3ランHRを打たれて11-5と突き放され、
さらに味方のエラーの直後に、三橋くんが「ワンナウトー!」と大声で叫んだシーン。
オレがみんなを、落ちつかせられる。オレが大丈夫なら、みんなが大丈夫。
オレが、エースなんだ!


エースの背中ってのは、ホントに、すごい。


なんでもマー君は「夏に強い」という結果が出ているそうで。
プロ入り後4年間の「8月」の通算成績を見ると、14試合で9勝1敗。
ルーキーの年、2007年8月31日に西武戦で勝って以降、
「8月」は8連勝で負けなしなんだとか。
長いペナントレースも折り返しを過ぎて、暑さでバテてくる「8月」は、
プロ野球選手にとってはかなりキツイ時期なんですけどねー。
テレビで甲子園の高校野球を見ることで、マー君の闘志が湧き上がるんでしょうか?
チームの皆さんも「エースの背中」から意気を感じ取って、
諦めずに闘志を燃やしていって欲しいです……!
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