おおきく振りかぶって14巻感想(3)
昨日・一昨日に引き続き、「おおきく振りかぶって」第14巻の感想その3です。
(1)は、表紙やプロフィールと、8回裏西浦の攻撃の感想。
→おおきく振りかぶって14巻感想(1)
(2)は、9回表美丞大狭山の攻撃。「エース」になった三橋くん。
→おおきく振りかぶって14巻感想(2)
そして本日の(3)で、いよいよクライマックス! 西浦最後の攻撃です。
ちなみに、約2年前に書いた月刊アフタヌーン掲載時の感想はこちら。ご参考までに。
・アフタ2008年2月号
・アフタ2008年3月号
・アフタ2008年4月号
※以下、野球大好き! だけど素人の腐女子によるネタバレ感想です。
腐った妄想を含みますので、原作を純粋にお好きな方はご不快になる恐れがあります。ご注意ください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、ご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします。
(1)は、表紙やプロフィールと、8回裏西浦の攻撃の感想。
→おおきく振りかぶって14巻感想(1)
(2)は、9回表美丞大狭山の攻撃。「エース」になった三橋くん。
→おおきく振りかぶって14巻感想(2)
そして本日の(3)で、いよいよクライマックス! 西浦最後の攻撃です。
ちなみに、約2年前に書いた月刊アフタヌーン掲載時の感想はこちら。ご参考までに。
・アフタ2008年2月号
・アフタ2008年3月号
・アフタ2008年4月号
※以下、野球大好き! だけど素人の腐女子によるネタバレ感想です。
腐った妄想を含みますので、原作を純粋にお好きな方はご不快になる恐れがあります。ご注意ください。
野球に関する知識に間違いがありましたら、ご指摘いただけると勉強になります。よろしくお願いします。
●埼玉県大会5回戦。9回表終わって、美丞大狭山11-5西浦。
これから西浦最後の攻撃、というところで、美丞はピッチャーが鹿島→竹之内、と変わります。
8回にがんばって攻めて、3ヒット1四球で2人目(鹿島投手)を捕まえた。
けれど、3人目(斎藤投手)は出せない理由がある。これはうちのラッキーだよ!
と、すごく前向きに選手達を鼓舞するモモカン、さすがだなぁ~。
ベンチ前で円陣組んで、気合を入れる西浦ナイン達。みんなイイ顔してるよ。がんばれ!!
……この円陣、6人しかいない^^;のはなんでかとゆーと、
巣山くん(3番打者)→次のバッターなので、メットかぶってバット持って打席へ。
栄口くん(2番)→一塁ランコー、泉くん(1番)→三塁ランコーなので、急いで行った。てことスねw
西浦ナインの気合の入った声出しに、ハマちゃん達も三塁側スタンドの応援席を盛り上げて、
今日一番おっきな声援!!
裸足にサラシ巻いて下駄を履いていたハマちゃん、ついに下駄脱いで裸足で頑張ってます……!
応援団の3人、真夏の炎天下なのに長袖ガクランに手袋してさ……。
トランペットの松田くんと野々宮さんは(カバー裏おまけの感想にも書いたけれど)
口腫らしてまで頑張って応援歌吹いてくれて……。
太鼓の深見さんも、チアの2人も、この試合最後まで応援してくれてる生徒達、母親達も。
みんなみんな一生懸命、西浦の勝利を信じてる、って思うと目頭が熱くなりました!
そんでもって、花井の双子妹が可愛すぎるっ連れ去りてぇ――――!!! ←
●まずは3番巣山くん。
応援団の梅原くんが掲げた「スヤマ、アッコ」(並べると・笑)の紙を見て、
私の脳内でもアッコちゃんの応援歌が流れだしましたよ~!
巣山(1回に6点くらい、高校野球じゃよくあんだから!)
そうだよ! まだまだ諦めないで! 9回裏にはマモノ様が棲んでるんだから!
巣山くん、ファーストストライク(最初のストライク)を捕らえてセンター前ヒット!
●さあさあさあ、田島様のご降臨よ~っ!
「4番 キャッチャー 田島君」ってコールされるとなんか違和感あるけれど;
田島くんの背後で流れているこの応援歌はなんの曲だろう? ……魔曲ジョックロッ(ry
冗談はさておき、プレッシャーのかかる大事なこの場面で、
「頭ン中からっぽに」して、3回に三振させられたスライダーを
「もっかいあの球でもいーな」「もっといい球でもいいぞ」
「なんだって打ってやるんだ。さっこい!」「さーこい、さーこい」
と打席で楽しみながら待てる、この自信とメンタルの強さ……!!
「そうとう打ち気」でも、ボール球を目だけで見送れる冷静さと選球眼!!
まさしく「目(フィジカル)も心(メンタル)も宝石」ですね!!
そのうえ、3回に三振したのと同じスライダーを、
今度は見事に打ち返して三塁線へタイムリーツーベースヒット!
二塁ベース上では凛々しい表情のまま、黙って小さくガッツポーズ。
マ ジ で 天 才 だ こ の ひ と……!
野球をやっている時の田島くんはなんでこんなにもカッコイイヒーローなのか……ばたり(腰骨粉砕骨折で昏倒)
●1点返して5点差に。美丞11-6西浦。無死二塁でまだチャンスは続く。
点はとられたものの、マウンドで声を掛け合う美丞バッテリーや美丞内野陣は、
まだ5点も差があるので、余裕綽々の表情。
それを見て、田島くんもちょっと悔しそう。
(花井打てよ! もう1点入れれば、こいつらの顔色変えられるぞ!) ←萌えぇ~vvv
さあ次は、9回表の攻撃前と9回裏の守備前に円陣組んですっごくイイ声出しをして、
チームを引っ張っている我らが花井キャプテンがバッターですよ!
頼む! 打って~っ!
……が。
3球三振。チャンスの流れをぶっつりと断ち切る花井。
orz
花井くんはほんっとチャンスに弱いな(苦笑)。
実は意外と打っているし、この試合だって4打数2安打でそんなに悪くないんですけどねー。
チャンスで頭グルグルして打てない描写が多いから、印象に強く残っちゃってますねw
●この田島くんの打席と花井くんの打席があまりにも好対照で、ひぐち先生の見せ方に感嘆しました。
田島くんは、前述のとおり「どんな球でも来い! 打ってやる」と、
来た球全てに対応できる待ち方で、頭からっぽにして、投手の投げる球だけに集中して打席に立っています。
一方、花井くんは(この打席もストレートを狙っていく!)(上げちゃダメだぞ)
(球威落ちてる? 抜いて投げてんの?)(ヌくばっかじゃねーじゃん、チクショ)
(次のストライクを打ちゃいいんだろ!)
と打席でゴチャゴチャ考えまくって(苦笑)、まんまと術中にはまってしまいました。
岳史くんに(顔に出すぎだよ)(1年ならこんくらいがかわい気あるか)とか言われてるしww
そこがまた梓の魅力でもあるけれどvv
でもねぇ~。
花井くんの「打席でいろいろ考えて次の球を予測する」やり方が悪い、ってわけじゃないと思うんですよ。
というか、田島くんのような姿勢で打席に立てるのってホントに「天才」だけだと思います。
ええと余談ですけれど、
野村克也元監督は「考える野球」を口を酸っぱくして選手達に長年指導していました。
つまり、ボールカウント、前の打席の配球、相手投手の球種、相手捕手の配球癖などなどを分析して
1球ごとに次の球を予測し、狙い球を絞って打球方向も意識して打つ、ということですね。
「考える野球」をすることでヒットになる確率は上がり、弱者でも強い相手に勝つことができる。
私もこのやり方は理に適っていると思うし、「考える野球」で打ち勝つ野球を見られると爽快です。
でも、野村監督が「あいつは天才だ」と賞賛するバッターって、ヒーローインタビューで
「来た球に勝手に体が反応しました」「何も考えずに打席に入りました」と答える人が多いんですよねー。
ピッチャーが投げてから球がホームベース上に到達するまで1秒に満たない僅かな間に、
タイミングを合わせ、ボールを的確にミートし、絶妙なバットコントロールでヒットゾーンに運ぶ。
それを無意識に、というか体が自然に対応して、成功できる。
これぞ「バッティングセンス」で、こういうセンスを備えている一握りの人が「天才」なんだろうなぁ。
ちなみに野村監督自身は「俺には才能がない。だから考えて、努力した」と仰ってました。
●1死二塁で、6番沖くん。
(オレが打たなきゃ、次は……)
思い詰めた表情でネクストバッターズサークルに座る西広くんを思いやる沖くん。
このシーンから、私の胸も苦しくなってきました……。
ボールカウント1-1でモモカンのサインはエンドラン
=投手が投げると同時にランナー走る、バッターもヒットを狙う。
沖くん、打った!! ……でもセカンドゴロで一塁アウト……。2死三塁。
●最後の打者は、西広くん。
もうね……。
ここの西広くんの打席8ページ分は、読む度に涙が滲んできます。
必死の形相で声を嗄らして励ますベンチの西浦ナイン達、スタンドの応援団達。
(あたれ、当たってくれ)と祈るように唱える西広くん。
無表情で冷静に見守る滝井監督、淡々とストレートを投げる竹之内投手、
そして、捕手の構えたミットは3球とも、ど真ん中……。
2年前の本誌掲載時の感想文で、私はこう書きました。
>現実ってのは容赦ない。
>どんなに頑張れ頑張れと祈ってみても、力のない者はあっけなく負ける。
胸を抉られるように痛々しいリアリティを伴った、終わりの瞬間。
>この「おおきく振りかぶって」は、現実と同じ「容赦ない絶望」が描かれていて、
>それが私にとってはすごく魅力的でもあります。
アニメの水島監督がアフタヌーンの誌上インタビューで
「西広は自信のない子なんで、いいスイングをさせてやりたい」と仰っていたので、
このシーンのアニメの動き、そしてキャストの皆さんの演技に期待しています。
●試合終了。
整列。礼。スタンドへの挨拶。
泣き崩れる西広くん……。
このシーン、本誌掲載時は栄口くんも涙ぐんでいたんですよね。
この辺りは単行本化でかなり加筆修正されているようです。
栄口くんは泣いているより、ちょっと涙を堪えて泉くんに肩組まれてる今の方がしっくりくるかな。
泣いているのは西広くんだけ、というほうが彼らの現在の心境に合っている気がします。
ぼんやりしていた三橋くんは、ベンチ前で松葉杖をついて佇んでいる阿部くんの姿を見て、
「あ、あし」
堰を切ったように溢れる涙。
あんなにいつも泣いていた三橋くんが、その泣き顔を見せまいとぱっと顔を伏せて、
「………ま、け……たっ」
三橋くんの肩に片腕をまわして、ぐっと抱える阿部くん。
この二人の表情がもう……!
このシーンは萌えるんだけれど……萌えたいんだけれど……それ以上に万感迫るものがあって、
萌えるよりもジーンと胸が締めつけられて目頭が熱くなってしまいます。……腐女子失格orz
試合中に、(三橋が自分で考える機会を、全部つぶしてきちまった)
(試合終わったらイロイロあやまっから、がんばってくれ!)と考えていた阿部くん、
そして(阿部君は、約束を覚えてる。はじめからムリな約束を、やぶったこと気にしてる)
(もう、気に、しないで、って。勝って、言うぞ!)と思っていた三橋くん。
二人とも相手のことを思って、すっごくすっごく勝ちたかったんだろうなぁ。
あああ、阿部くんと三橋くんの特別な絆を目にして、
我が胸に打ち寄せる感動の大津波……!(ざっぱーん!)
もういっそ、誰もさわれない二人だけの世界(くに)で心も体も慰め愛すればi(←萌えてんじゃん)
●「はい、そこまで!!」
……モモカンの容赦ない一喝で、二人の世界は終~了~。
「泣いて悔しさ晴らすなんてもったいないことしない!」
「その悔しさは自分きたえるエネルギーだよ! 大事に腹ン中ためときなさい!」
おお~、どこまでもついていきますモモカン姐さん!
敗戦をこういう言葉で前向きな力に変えてくれる指導者、素晴らしいな!
なんか私まで励まされているような、力づけられているような高揚した気持ちになれました。
涙にはストレス物質がある→泣くとストレス解消してしまう→今日の悔しさを忘れる
→自分きたえるエネルギーがなくなる。とゆー思考回路で
涙を両手でぬぐってベロベロ舐めて回収する三橋くんwww アホの子はかわええなぁ~。
「2週間で新人戦、そのあとすぐ秋大だからね」
ということで、さっそく学校へ帰ってすぐに練習!
胸がすくような爽やかな読後感ですね!
西浦ナインの1年目の夏は終わってしまったけれど、収穫の多い負けだったと思います。
ナイン一人ひとりが、今日の試合で自分の足りない部分に気づき、
まだまだ実力不足だと悔しさを痛感できて。
なにより、阿部と三橋のバッテリー関係が今までイビツだったことを自覚できて、
三橋くんは「ホントのエース」とはなんなのか、
阿部くんは捕手とは、バッテリーとはなんなのか、
見つめ直す機会になりました。
……次の15巻(6月23日発売)のアベミハ対話は萌えの嵐だわぁあ~♪ 待ちきれん!
●そんなキラッキラした西浦ナインと対照的に、
岳史くんをナンパして物陰へと消えていく和さんの背中に、
呂佳さんは昼メロみたいなジェラシーの眼差し……!(違)
てゆーか花井家の双子妹が可愛すぎて掻っ攫いたいぃ~><!!(それが感想のシメかよ)
●15巻予告は、甲子園遠景。
「オレたちは、どこまで行けるんだろう。どこまで行きたいんだろう――」
これがまたハナタジハナの萌えの嵐なんですわ~vv
早く来い来い6月23日♪
ということで、ダラダラと3日間に渡って書いてきた14巻感想も、これにて完。
長々とお付き合いいただき、どうもありがとうございました。
この巻で、ようやく私のおお振り空白地帯(読んでいない部分)がなくなりました! わーい♪
15巻以降の感想は、月刊アフタヌーン発売時の感想文と被るので、
今後は単行本化で変わった部分や、まとめて読んで新たに感じたことなど、
感想文もさらっと簡潔に書けるかな?
これから西浦最後の攻撃、というところで、美丞はピッチャーが鹿島→竹之内、と変わります。
8回にがんばって攻めて、3ヒット1四球で2人目(鹿島投手)を捕まえた。
けれど、3人目(斎藤投手)は出せない理由がある。これはうちのラッキーだよ!
と、すごく前向きに選手達を鼓舞するモモカン、さすがだなぁ~。
ベンチ前で円陣組んで、気合を入れる西浦ナイン達。みんなイイ顔してるよ。がんばれ!!
……この円陣、6人しかいない^^;のはなんでかとゆーと、
巣山くん(3番打者)→次のバッターなので、メットかぶってバット持って打席へ。
栄口くん(2番)→一塁ランコー、泉くん(1番)→三塁ランコーなので、急いで行った。てことスねw
西浦ナインの気合の入った声出しに、ハマちゃん達も三塁側スタンドの応援席を盛り上げて、
今日一番おっきな声援!!
裸足にサラシ巻いて下駄を履いていたハマちゃん、ついに下駄脱いで裸足で頑張ってます……!
応援団の3人、真夏の炎天下なのに長袖ガクランに手袋してさ……。
トランペットの松田くんと野々宮さんは(カバー裏おまけの感想にも書いたけれど)
口腫らしてまで頑張って応援歌吹いてくれて……。
太鼓の深見さんも、チアの2人も、この試合最後まで応援してくれてる生徒達、母親達も。
みんなみんな一生懸命、西浦の勝利を信じてる、って思うと目頭が熱くなりました!
そんでもって、花井の双子妹が可愛すぎるっ連れ去りてぇ――――!!! ←
●まずは3番巣山くん。
応援団の梅原くんが掲げた「スヤマ、アッコ」(並べると・笑)の紙を見て、
私の脳内でもアッコちゃんの応援歌が流れだしましたよ~!
巣山(1回に6点くらい、高校野球じゃよくあんだから!)
そうだよ! まだまだ諦めないで! 9回裏にはマモノ様が棲んでるんだから!
巣山くん、ファーストストライク(最初のストライク)を捕らえてセンター前ヒット!
●さあさあさあ、田島様のご降臨よ~っ!
「4番 キャッチャー 田島君」ってコールされるとなんか違和感あるけれど;
田島くんの背後で流れているこの応援歌はなんの曲だろう? ……魔曲ジョックロッ(ry
冗談はさておき、プレッシャーのかかる大事なこの場面で、
「頭ン中からっぽに」して、3回に三振させられたスライダーを
「もっかいあの球でもいーな」「もっといい球でもいいぞ」
「なんだって打ってやるんだ。さっこい!」「さーこい、さーこい」
と打席で楽しみながら待てる、この自信とメンタルの強さ……!!
「そうとう打ち気」でも、ボール球を目だけで見送れる冷静さと選球眼!!
まさしく「目(フィジカル)も心(メンタル)も宝石」ですね!!
そのうえ、3回に三振したのと同じスライダーを、
今度は見事に打ち返して三塁線へタイムリーツーベースヒット!
二塁ベース上では凛々しい表情のまま、黙って小さくガッツポーズ。
マ ジ で 天 才 だ こ の ひ と……!
野球をやっている時の田島くんはなんでこんなにもカッコイイヒーローなのか……ばたり(腰骨粉砕骨折で昏倒)
●1点返して5点差に。美丞11-6西浦。無死二塁でまだチャンスは続く。
点はとられたものの、マウンドで声を掛け合う美丞バッテリーや美丞内野陣は、
まだ5点も差があるので、余裕綽々の表情。
それを見て、田島くんもちょっと悔しそう。
(花井打てよ! もう1点入れれば、こいつらの顔色変えられるぞ!) ←萌えぇ~vvv
さあ次は、9回表の攻撃前と9回裏の守備前に円陣組んですっごくイイ声出しをして、
チームを引っ張っている我らが花井キャプテンがバッターですよ!
頼む! 打って~っ!
……が。
3球三振。チャンスの流れをぶっつりと断ち切る花井。
orz
花井くんはほんっとチャンスに弱いな(苦笑)。
実は意外と打っているし、この試合だって4打数2安打でそんなに悪くないんですけどねー。
チャンスで頭グルグルして打てない描写が多いから、印象に強く残っちゃってますねw
●この田島くんの打席と花井くんの打席があまりにも好対照で、ひぐち先生の見せ方に感嘆しました。
田島くんは、前述のとおり「どんな球でも来い! 打ってやる」と、
来た球全てに対応できる待ち方で、頭からっぽにして、投手の投げる球だけに集中して打席に立っています。
一方、花井くんは(この打席もストレートを狙っていく!)(上げちゃダメだぞ)
(球威落ちてる? 抜いて投げてんの?)(ヌくばっかじゃねーじゃん、チクショ)
(次のストライクを打ちゃいいんだろ!)
と打席でゴチャゴチャ考えまくって(苦笑)、まんまと術中にはまってしまいました。
岳史くんに(顔に出すぎだよ)(1年ならこんくらいがかわい気あるか)とか言われてるしww
そこがまた梓の魅力でもあるけれどvv
でもねぇ~。
花井くんの「打席でいろいろ考えて次の球を予測する」やり方が悪い、ってわけじゃないと思うんですよ。
というか、田島くんのような姿勢で打席に立てるのってホントに「天才」だけだと思います。
ええと余談ですけれど、
野村克也元監督は「考える野球」を口を酸っぱくして選手達に長年指導していました。
つまり、ボールカウント、前の打席の配球、相手投手の球種、相手捕手の配球癖などなどを分析して
1球ごとに次の球を予測し、狙い球を絞って打球方向も意識して打つ、ということですね。
「考える野球」をすることでヒットになる確率は上がり、弱者でも強い相手に勝つことができる。
私もこのやり方は理に適っていると思うし、「考える野球」で打ち勝つ野球を見られると爽快です。
でも、野村監督が「あいつは天才だ」と賞賛するバッターって、ヒーローインタビューで
「来た球に勝手に体が反応しました」「何も考えずに打席に入りました」と答える人が多いんですよねー。
ピッチャーが投げてから球がホームベース上に到達するまで1秒に満たない僅かな間に、
タイミングを合わせ、ボールを的確にミートし、絶妙なバットコントロールでヒットゾーンに運ぶ。
それを無意識に、というか体が自然に対応して、成功できる。
これぞ「バッティングセンス」で、こういうセンスを備えている一握りの人が「天才」なんだろうなぁ。
ちなみに野村監督自身は「俺には才能がない。だから考えて、努力した」と仰ってました。
●1死二塁で、6番沖くん。
(オレが打たなきゃ、次は……)
思い詰めた表情でネクストバッターズサークルに座る西広くんを思いやる沖くん。
このシーンから、私の胸も苦しくなってきました……。
ボールカウント1-1でモモカンのサインはエンドラン
=投手が投げると同時にランナー走る、バッターもヒットを狙う。
沖くん、打った!! ……でもセカンドゴロで一塁アウト……。2死三塁。
●最後の打者は、西広くん。
もうね……。
ここの西広くんの打席8ページ分は、読む度に涙が滲んできます。
必死の形相で声を嗄らして励ますベンチの西浦ナイン達、スタンドの応援団達。
(あたれ、当たってくれ)と祈るように唱える西広くん。
無表情で冷静に見守る滝井監督、淡々とストレートを投げる竹之内投手、
そして、捕手の構えたミットは3球とも、ど真ん中……。
2年前の本誌掲載時の感想文で、私はこう書きました。
>現実ってのは容赦ない。
>どんなに頑張れ頑張れと祈ってみても、力のない者はあっけなく負ける。
胸を抉られるように痛々しいリアリティを伴った、終わりの瞬間。
>この「おおきく振りかぶって」は、現実と同じ「容赦ない絶望」が描かれていて、
>それが私にとってはすごく魅力的でもあります。
アニメの水島監督がアフタヌーンの誌上インタビューで
「西広は自信のない子なんで、いいスイングをさせてやりたい」と仰っていたので、
このシーンのアニメの動き、そしてキャストの皆さんの演技に期待しています。
●試合終了。
整列。礼。スタンドへの挨拶。
泣き崩れる西広くん……。
このシーン、本誌掲載時は栄口くんも涙ぐんでいたんですよね。
この辺りは単行本化でかなり加筆修正されているようです。
栄口くんは泣いているより、ちょっと涙を堪えて泉くんに肩組まれてる今の方がしっくりくるかな。
泣いているのは西広くんだけ、というほうが彼らの現在の心境に合っている気がします。
ぼんやりしていた三橋くんは、ベンチ前で松葉杖をついて佇んでいる阿部くんの姿を見て、
「あ、あし」
堰を切ったように溢れる涙。
あんなにいつも泣いていた三橋くんが、その泣き顔を見せまいとぱっと顔を伏せて、
「………ま、け……たっ」
三橋くんの肩に片腕をまわして、ぐっと抱える阿部くん。
この二人の表情がもう……!
このシーンは萌えるんだけれど……萌えたいんだけれど……それ以上に万感迫るものがあって、
萌えるよりもジーンと胸が締めつけられて目頭が熱くなってしまいます。……腐女子失格orz
試合中に、(三橋が自分で考える機会を、全部つぶしてきちまった)
(試合終わったらイロイロあやまっから、がんばってくれ!)と考えていた阿部くん、
そして(阿部君は、約束を覚えてる。はじめからムリな約束を、やぶったこと気にしてる)
(もう、気に、しないで、って。勝って、言うぞ!)と思っていた三橋くん。
二人とも相手のことを思って、すっごくすっごく勝ちたかったんだろうなぁ。
あああ、阿部くんと三橋くんの特別な絆を目にして、
我が胸に打ち寄せる感動の大津波……!(ざっぱーん!)
もういっそ、誰もさわれない二人だけの世界(くに)で心も体も慰め愛すればi(←萌えてんじゃん)
●「はい、そこまで!!」
……モモカンの容赦ない一喝で、二人の世界は終~了~。
「泣いて悔しさ晴らすなんてもったいないことしない!」
「その悔しさは自分きたえるエネルギーだよ! 大事に腹ン中ためときなさい!」
おお~、どこまでもついていきますモモカン姐さん!
敗戦をこういう言葉で前向きな力に変えてくれる指導者、素晴らしいな!
なんか私まで励まされているような、力づけられているような高揚した気持ちになれました。
涙にはストレス物質がある→泣くとストレス解消してしまう→今日の悔しさを忘れる
→自分きたえるエネルギーがなくなる。とゆー思考回路で
涙を両手でぬぐってベロベロ舐めて回収する三橋くんwww アホの子はかわええなぁ~。
「2週間で新人戦、そのあとすぐ秋大だからね」
ということで、さっそく学校へ帰ってすぐに練習!
胸がすくような爽やかな読後感ですね!
西浦ナインの1年目の夏は終わってしまったけれど、収穫の多い負けだったと思います。
ナイン一人ひとりが、今日の試合で自分の足りない部分に気づき、
まだまだ実力不足だと悔しさを痛感できて。
なにより、阿部と三橋のバッテリー関係が今までイビツだったことを自覚できて、
三橋くんは「ホントのエース」とはなんなのか、
阿部くんは捕手とは、バッテリーとはなんなのか、
見つめ直す機会になりました。
……次の15巻(6月23日発売)のアベミハ対話は萌えの嵐だわぁあ~♪ 待ちきれん!
●そんなキラッキラした西浦ナインと対照的に、
岳史くんをナンパして物陰へと消えていく和さんの背中に、
呂佳さんは昼メロみたいなジェラシーの眼差し……!(違)
てゆーか花井家の双子妹が可愛すぎて掻っ攫いたいぃ~><!!(それが感想のシメかよ)
●15巻予告は、甲子園遠景。
「オレたちは、どこまで行けるんだろう。どこまで行きたいんだろう――」
これがまたハナタジハナの萌えの嵐なんですわ~vv
早く来い来い6月23日♪
ということで、ダラダラと3日間に渡って書いてきた14巻感想も、これにて完。
長々とお付き合いいただき、どうもありがとうございました。
この巻で、ようやく私のおお振り空白地帯(読んでいない部分)がなくなりました! わーい♪
15巻以降の感想は、月刊アフタヌーン発売時の感想文と被るので、
今後は単行本化で変わった部分や、まとめて読んで新たに感じたことなど、
感想文もさらっと簡潔に書けるかな?
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